※何時か英語ブログ記事に書き直すかもしれません(未定)
※拙ブログ『テーマ:Dresden』に同じブログ記事があります。

 

Wilhelm Richard Wagner&Mr. Christian Thielemann♥6泊8日ドレスデン遠征「第2弾」

© Staatsoper Dresden (以下の写真は全てStaatsoper Dresdenより拝借)

 

 

 

 

2017年1月26日(2回目)&1月29日(3回目/千秋楽)「ジークフリート」公演の感想を書く前に、復習として「2008年バイロイト音楽祭『ニーベルングの指輪』ライヴ録音CD」を聴くことにした。方や真夏のバイロイト(8年前)、方や真冬のドレスデン(今年)との違いはあれど、ワーグナー作品のキーパーソンであり、バイロイト音楽祭の芸術監督でもあるMr. Christian Thielemann-クリスティアン・ティーレマン氏が指揮をされ、オペラ歌手陣の何名かは同じキャストを務め、当時の公演に名を連ねたシュターツカペレ・ドレスデンからのオーケストラ演奏者も揃い踏み。別格だと感じたのは、指揮も演奏も歌唱も「楽譜」全てがドイツ語で対話されたこと。

 

※「ジークフリート役:ステファン・グールド氏」と「ミーメ役:ゲルハルト・シーゲル氏」が、夢の再共演。「さすらい人役:アルベルト・ドーメン氏」は「アルベリヒ役」へチェンジしたが、「エルダ役:クリスタ・マイヤー嬢」は再登板。そして、大注目のオペラ歌手は、昨年に続き現代最高の「ブリュンヒルデ役:ニーナ・シュテンメ嬢」に違いなく、大絶賛されたステファン・グールド氏と共にマグマのような『ジークフリート』公演を客席に届けてくれた。

 

私はリハーサルに参加したことがないので分からないが、ところどころMrはフレーズを丁寧に歌いながら、オペラ歌手とオーケストラを見事に結び付けていくのだと思う。何度もBDで視聴した映像を視れば、容易に想像することが出来る。2016年11月「ラインの黄金」にて感銘を受けたサントリーホールとのマリアージュは永久保存版として、双方の違いを1つ挙げるとしたら総合芸術としてのオペラ公演となるけれど(東京公演はセミ・ステージ上演)、音響芸術を愛する者としては、日本&ドイツ「双璧」と記録したい。

 

東京もドレスデンも互角だと感じる理由は、偏にMr. Christian Thielemannの日本への想いが誠実だから。彼の御人柄や芸術家気質は、東京「コンサート・ホール(サントリーホール)」であろうと、ドレスデン「オペラ・ハウス(ゼンパーオーパー/ザクセン州立歌劇場)」であろうと変わることはないのでしょう。私自身、常に同じエリア(席)での鑑賞ゆえ、それなりに自信を持って言える。勿論、客入りに左右される残響の長さや自分自身のコンディションは均一ではない。それでも、苦労して得ているチケットなので、毎回が本気モードの真剣勝負。

 

皆様も御存知の通り、「ジークフリート」はオペラ歌手による演奏が所々に設けられ、指揮者とオーケストラに混じり、楽器ではなく道具で音を鳴らすのだから大変だ。木製なり金属製なり、何かで何かを叩くタイミングがずれたり、キーが外れたりすると耳につく。だから、何処を狙えば「オーケストラの音程と近い音がするか」注意しながら、リズミカルに奏でるのだから凄い話。ゆえ、打楽器を思わせる演奏に関しては、CDより舞台の方が映える。冒頭から末尾までの鑑賞経験としては、まるでスピーカーに耳を張り付けて聴くような感覚。Mrの真後ろで拝聴した怒涛の「第3幕への前奏曲」は、息を呑む美しさ。直前に客席へ振り向き答礼した際、アイコンタクトを交わせたかどうか定かではないが、旅を通じた再会&ハイライト。

 

オーケストラに関しても、数の多い弦楽器はさて置き、ソロで活躍する金管楽器などは違う音を鳴らすと顕著に目立ってしまう。それを評価に加えるのは師匠曰くナンセンスであり、寧ろ「オペラ公演」を「人間ドラマ」として受け取る方が身に染みる。そもそも、終演が22時30分と言うのは(オペラ歌手陣のコンディションは抜群に感じられたが)楽譜と格闘する演奏者にとっては恐らく厳しい。食事の時間帯や生活リズムをも考えると、何百名ものオーケストラ全員が絶好調とは言い難く、2回目より千秋楽の方が水を得た魚のように、眩しいライン川の水面が森や岩山に照らされているかのようだった。

 

それにしても圧巻だったのは、演技の細かさ。覚えるのが大変と言うより、相当オペラ歌手と指揮者の息が合わないと形にならない程。時々チラチラと私は舞台の脇にあるモニターでMrが指揮する姿を確認したのだが、何時も通り泰然自若に座りながら振っていた。小さな画面から表情までは確認することが出来なかったけれど、時折とても優しい表情で頷きながら、そしてオーケストラの情熱を受け止めながらワーグナーを紡がれたのではないかと思う。彼の醸し出すオーラから、聴衆である私自身も安心して身を委ねられる。

 

ザクセン州立歌劇場の音響も又、座る席により聴こえ方は違うものの、芳醇な弦楽器の響きはオーケストラ・ピット内を溢れんばかりに駆け巡り、外へ外へと広がるイメージ。一方、金管楽器は縦方向に立ち上がるような勢いがある。開演前と休憩中に待機しているオーケストラの演奏者を見れば分かるのだが、それ程オーケストラ・ピットは深くない。鑑賞中でさえ、コントラバスをはじめとする演奏者と目が合うくらい。間接音のみならず、直接音も僅かながら感じ取ることが出来、オペラ歌手の音圧に至っては距離が近いので、エネルギーはビシビシ伝わってくる。2階席でも声の通りが良く明瞭であり、これぞ本場のオペラ・ハウスと感じた。何しろ1階と天井桟敷を除く殆どの席が雨宿り席なのだから、音響が悪くては話にならない。

最後は、演出について。新演出でなく継続らしいが、私が感激したのはオペラ歌手やオーケストラの邪魔をしない演出&舞台&衣装であったこと。元々、私自身がアパレル出身と言うことも含め、スタイリッシュでモダンな照明は好感が持てる。衣装に関しても、昨年のワルキューレと同様、白と赤と黒など単色使いでセンスが良い。ゴチャゴチャした装飾やマルチ・カラーは、ワーグナーに適さないどころか鬱陶しくなるので、シンプルが一番。

 

度重なるトラブルや想定外の出来事に見舞われ、自らの精神バランスを崩してしまったけれど、諦めない、逃げ出さない、縁を切らない、ドレスデンの街や人から大切なことを教わった。

 

必死で働いて貯金をして、大きな課題を与えてくれるドレスデンへ帰りたい。2017年の初めから躓いた!と不平不満を言わず、次こそ具体的な旅行プランを組み立て、仕切り直そう。少しだけ慣れた気分で遠征したのが、良くなかったのだろう。今夜、問題が漸く解決した。ベルリンから「しっかりしなさい」、とMrの励ましが聞こえる。長期休暇から温かく「お帰りなさい」、と迎え入れてくれた上司や同僚に感謝しつつ、仕事も楽しまなくては。

 

又、ドイツに戻るまで、Mr!待っていてね!相当、頑張れば年内に別の街を検討。

 

»Siegfried« Wilhelm Richard Wagner

Semperoper Dresden in Germany

26.01.2017 (2日目) 1階 センター・ブロック 1列

29.01.2017 (3日目) 1階 センター・ブロック 1列

Christian Thielemann MUSIKALISCHE LEITUNG
Matthias Wollong KONZERTMEISTER

Sächsische Staatskapelle Dresden
Stephen Gould SIEGFRIED

Nina Stemme BRÜNNHILDE

Gerhard Siegel MIME
Markus Marquardt DER WANDERER

Albert Dohmen ALBERICH

Georg Zeppenfeld FAFNER

Christa Mayer ERDA

Tuuli Takala WALDVOGEL

Willy Decker INSZENIERUNG
Wolfgang Gussmann BÜHNENBILD
Wolfgang Gussmann / Frauke Schernau KOSTÜME

Klaus Bertisch DRAMATURGIE

 

↓ホールインワンが「12000分の1」と思えば、1日1日が大切な積み重ね。

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