ブライアン シブリー, 早川 敦子
クマのプーさんの世界

より深まる『クマのプーさん』の知識。

全ページに『クマのプーさん』のカラーイラストや、貴重なスケッチ
それに、作者ミルンの写真や、

プーさんの物語の舞台となったサセックス州のハートフィールド村の
写真など、

『クマのプーさん』の世界をより深く知ることができる情報が満載な1冊です。

もう、さまざまな驚きの事実があって、
どれもこれも書きたいのですが、ここでは簡単にご紹介を。

プーさんのキャラクター商品などで、
よく見かける Winnie-the-Pooh の文字。

これ、日本語訳すると「プーのウィニー」で
名前がふたつあることになります。

そのウィニーという名前は、本当に動物園にいたクマの名前だったのです。

本物のクリストファー・ロビンが、本物のクマのウィニーに
コンデンスミルクをあげている写真が、
この本には載っています。

しかも、檻のなかで! ふたりはまるで友達みたいに並んで仲良く立っているんです!
(その当時の動物園は、クマに実際に会えたのかな? 驚きの写真です)

そして、物語のなかでは、クリストファー・ロビンは木の家(幹のなかに部屋がある)に住んでいますが、
これって、実際にはありえない設定のような気がします。

でも! なんと!
本物のクリストファー・ロビンが、木の家にいる写真があるんです!

中がからっぽになっている古いクルミの木があって、
彼は、本当に、プー(のモデルともなった、テディベア)と一緒に
木の家のなかにいるのです!

そして、ホントに笑えたのが、
イーヨーのモデルともなった、ロバのぬいぐるみの写真。

本当に、プーさんの挿絵そのままに
うなだれていて笑えます。

この本のなかでは、プーさんの原作の文章が
たくさん引用されているので、

まずは、原作を完読してから、この本を読むのがオススメです。

イマイチよくわからなかったセリフの説明もあったりして、
「ああ! そういうことだったのかぁ!」と
さらに理解が深まって、感動も深まります。
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センダックの絵本論
脇 明子, 島 多代, モーリス センダック, Maurice Sendak
センダックの絵本論

絵本への愛情と、厳しくも正しい鑑識眼。

図書館のHPで、センダックの絵本を検索していたら
たまたま発見して、おもしろそうだと思って読んだ本です。

一部と二部に分かれていて、

一部は
センダックが今までに影響を受けた絵本作家・イラストレーター
ひとりひとり取り上げて語ったもの。

二部は
授賞式での挨拶や、インタビューなど、です。

今まで絵本を通してしか想像できなかったセンダックの人物像が
ほんの一部分でしょうが、浮き彫りになって興味深かったのですが、

言葉でどんな人なのか説明するよりも、
裏表紙にあったセンダックの写真が
すべてを物語っているようでおもしろかったので、

ちょっと似顔絵を描いてみました↓
モーリス・センダック

こんな感じです。
(自分ではちょっと気に入った絵なんですが、もし本人が見たら怒るだろうな・・・)

実際の写真の方がもっと怖そうです(汗)
眉間にシワが入ってて、すごく気難しそう、という印象。

絵本からは想像もつかないお顔で、私はビックリしたのですが
この本を読んでみると
確かに、絵本に対する目は厳しい方だな、と思いました。

ほめるところ(人)は、ほめるけれど
けなすときは、けなす。

それは、センダックと同時代の絵本作家に対してもですが、
すでに亡くなられた大御所のような方に対しても
その姿勢は変わりません。

こんなにハッキリとモノが言えていいなあ・・・
と、私なんかは思ってしまいました。

一部は
センダックがどんな人たちに影響を受けてきたのかがわかって
おもしろいですし、

二部は
センダックが自作について語っているので
「ほー、あの絵本には、こんなメッセージがあったのか」
と、わかっておもしろいです。

内容ぎっしりの一冊なので、
センダック好きな人はもちろんのこと、絵本好きな人も
新たな発見と、より知識が深まります。

が、残念なことに、この本、いまや絶版状態
アマゾンでもプレミアがついているみたいです。

なかなかおもしろい本なのにな・・・。
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著者: 村上 春樹
タイトル: 若い読者のための短編小説案内

深すぎる、村上さんの小説の読み方。

なんかおもしろい本ないかなぁ・・・と思うのは、
読書好きならでは。

○○のための読書講座やら、読書案内、読書ガイドなどと
銘打たれると、思わず手にとってしまうのも
読書好きならでは、といったところでしょうか。

で、私も、まだ見ぬおもしろい短編に出会えるのでは、と
読んでみました、この本。

この本は、村上春樹さんが、「第三の新人」の短編小説を
「ぼくはこんな風におもしろく読んだんですよ」と
紹介・・・いや、読み解いている本です。

取り上げられているのは、

吉行淳之介 「水の畔り」
小島信夫 「馬」
安岡章太郎 「ガラスの靴」
庄野潤三 「静物」
丸谷才一 「樹影譚」
長谷川四郎 「阿久正の話」

てな感じです。

お名前は存じ上げていますが、読んだことのない方たちばかり・・・。

それらを、村上さんがあらすじを交えながら、
自我(ego)自己(self) という観点から読み解いていきます。

文庫本のための序文として「僕にとっての短編小説」「まずはじめに」
といった前置きがあるんですが、それはとても興味深く読めました。

が・・・
ひとつめの吉行淳之介のページを読み始めてすぐ、
私、気がついちゃいました。

あ、私、頭悪い・・・。

何行かは、わかりやすくておもしろい。
でも、そのあとの何行かが非常に難解で、私の頭では理解しにくい。

そのくり返しが、最後の長谷川四郎のページまで続きました。

村上さんは、やっぱり頭のいい方なんだなぁ、と
つくづく思ってしまいました。

私には、こんなに深く読み解くことができません・・・。

どんなふうに読み解かれたのかを、お伝えしたくても、
私自身の理解が浅いために、ここで説明することもできません(涙)

でも、がんばって、最後まで読みました。

改めて、原作を手に取ってみようと思う短編もありませんでした。
(だって、とっても難しそうなんですもん・・・)

ですが、ここで朗報です。

一番初めに書いてある、文庫本のための序文「僕にとっての短編小説」
これは、読んで損がありません

村上さんの創作の秘密が書かれています。
短い内容ですが、下手な小説作法本を読むよりタメになります。
深いです。

とにもかくにも
村上さんの頭のなかの深さが知れる本でした。

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著者: 大森 望, 豊崎 由美
タイトル: 文学賞メッタ斬り!


文学賞にほんのちょっぴりくわしくなる。

文学賞って気になりますか?
芥川賞直木賞が発表されたら、必ず読むとか?

私は以前は結構チェックしてたんですが、
あるとき気がつきました。

賞取ってるからって、おもしろいわけじゃない。

なので、最近は誰が受賞したかは気にしますが、
作品は読まないことが多いです。

この本は、そんな文学賞のあれこれを語った座談会形式の本。

世の中いろんな文学賞がありますが、
歴史や傾向、選考委員のこととかって、
実はよく知らなかったりします。
あとは文壇の裏側とか。

そういうことが、実にいじわるに語られています。
まさに斬られています。

ちょっと不快感を感じつつも、たまにくすりと笑っちゃったり。
脚注も豊富で、トリビア満載。
知らないことが多くって、ちょっとためになったりもします。

本当にたくさんの作家名作品名が出てくるので、
これを参考に次に読む本を決めるのもいいかもしれません。

だけど、やっぱり本というか小説の良さって、
人それぞれ。

自分が感動したりおもしろかったら、それでいいんでないの?
って言ったら、元も子もないかしら。




著者: 大月隆寛
タイトル: いまどきの「ブンガク」


いじわるなブンガク論

今となっては
「なんでこんな本、買ってまで読んだんだろう・・・」
首をひねるばかりです。

たぶん、この頃、いろんな作家を知るようになって
その作家たちがどういう風に見られているのかが
気になっていたのかもしれません。

中身は、だいたい見開き1ページ1作家の割合で、
レビューが載っているんですが、かなりいじわるです。

批評悪口はちがうよなぁ・・・という感じです。

少し抜粋してみようかな、とも思いましたが、やめておきます。
(ちょっと言いすぎな発言ばかりなので、
ネット上に記すには危険があるような気がしますので)

でも、今となっては、
なんでここまでいじわるに言う必要があるんだろう?
恨みでもあんのかな・・・と思ってしまいます。

ちなみに、「小説よりタメになる作家カタログ!」
表紙に記されてますが、これ買って読むなら、
小説読んだ方がいい
と思います・・・。