2005-08-07 14:57:27
『美しい日本の私―その序説』/川端 康成
テーマ:文豪・戯曲
- 川端 康成, エドワード G.サイデンステッカー
- 美しい日本の私―その序説
日本の美しさを説明できますか?
本書は、川端康成がノーベル文学賞を受賞したときの
記念講演の全文と、サイデンステッカー氏による英訳が掲載されたもの。
とっても薄く、すぐに読めてしまうような量。
だけれど、その短いなかに、日本の美の伝統が詰まっています。
川端康成は、道元や明恵(みょうえ)などの歌を引用しながら、
日本人の心、美について論じています。
自然と一体になり、人間に対しても自然に対しても
あたたかく、深い、こまやかな思いやりを持てる日本人の心。
茶道を例にとり、
狭小、簡素な茶室には、かえって無辺の広さと無限の優麗とが宿っていること。
一輪の花が百輪の花よりも華やかさを思わせること。
そして、色のない「白」こそ、最も清らかで、最も多くの色を持つこと
などが、語られます。
川端康成が生きていたら、今の日本をどう見るだろう?
きっと今の日本を嘆くだろうな・・・なんて物の見方よりも、
日本人は、日本の美しさや良さを失ったのではなく、
実はただ単に知らないだけなんだ!と思える内容。
川端康成は、きちんと日本の伝統・文化の知識を持った上で
「美しい日本の私」と、世界に向けて発言できた、
その誇りは素晴しいものだと思いました。
いつか自分も胸を張って、 - 「美しい日本の私」です、と他国の人に言えるほど、
日本のことをもっと知らないと、と改めて反省。


















