著者: NHK「課外授業ようこそ先輩」制作グループ, KTC中央出版, 中央出版=
タイトル: 見城徹 編集者魂の戦士―別冊課外授業ようこそ先輩

熱く刺激的な編集論

 

今日は暑かったですねぇ・・・。
急にこんなに暑くなるとだるくなります。

 

でも、だるいなんて言ってられない。

暑いときは、さらに熱いものを!

 

というわけで、

ベストセラーや話題作を数多く出版していることで知られる

幻冬舎の設立者・見城徹さんの本を。

 

これ、NHKでやっている「課外授業ようこそ先輩」の模様に

加筆したものです。

 

編集することも、書くことも、というか

ひとつのものを作り出すことは甘くないな、と思わされます。

 

見城さんの編集する姿勢・物を作り出す姿勢・人に対する姿勢が

ものすごい。熱いです。

 

相手の返り血を浴びる距離で、自らもになって、さらけだして、

を流す覚悟で相手に接する。

 

それが大作家だろうと、小学生だろうと、

常に本気で全力でぶつかっていく。

 

子どもたちの作文に対してのアドバイスも熱く的確。

 

見城さんに出会ったら、

予想もしていなかった自分自身が掘り起こされるんじゃないだろうか、

と思いました。

 

書くことや編集することに興味をお持ちの方は、一読をおすすめします。

そのすごさに自信喪失するかもしれないけれど、

刺激的です。

感動します。

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著者: エディトリアルギャング
タイトル: 新人文学賞ガイドブック


自分に合った新人賞に応募してますか?

「また新人文学賞、落っこちちゃったよ・・・」
とお嘆きのあなた。

落ちちゃったのは、
確かにあなたの作品の質のせいかもしれません。

でもでも、もしかしたら、
あなたの書いた作品と賞の相性の違いが大きな原因かも。

数ある文学賞にはそれぞれ性格があります。
出版社ごとにカラーだってあります。

現代的なエンターテインメント小説を募集しているのに、
時代小説を送ってしまったら、身も蓋もありません

というわけで、
この本は純文学エンターテインメントミステリージュニアなど
40ほどの文学賞傾向と対策をまとめた本なのです。

たとえば、
すばる文学賞「完成度よりも可能性」とか、
小説現代新人賞「新しく、おもしろい作品」など、

ひとつひとつページを割いて、
傾向と対策枚数締切などが載っています。
(注:2000年発行なので、今とは締切など異なる点があるかと思います。)

自分の書いた作品がどんな賞に合ってるのか
またこの賞に応募するにはどんな感じの作品を書けばいいのか
というのがこの本1冊でわかるようになっています。

インタビューコラム選考システムなども解説されていて、
意外とお役立ちな本
(私もむかし、役に立ちました。
今はもう全然、応募はしていないので・・・)

でも、こういう本があると、
文芸誌過去の受賞作を読まずに応募できちゃいます。

う~ん、それっていかがなものでしょう・・・。

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著者: 瀬戸 賢一
タイトル: 日本語のレトリック―文章表現の技法


ニホンゴ、ムツカシイ・・・

誰でも中学生・高校生のときに
隠喩直喩擬人法倒置法あたりは
教わったんではないかと思います。

ではでは、くびき法撞着法漸層法などはどうでしょう?

私は全然知らなかったです・・・。

この本には30のこういったレトリック説明
それをどのように文章に生かすかということが書かれています。

ふだん無意識に使っている言葉を、
「あっ、それとそれはレトリックで×××法と○○○法だね!」と
改めて言われたら、なんだかワケがわかんなくなってきます。

例えば「髪に白いものが目立つようになった。」
これ、白髪と言わずに
「白いもの」といっているのが婉曲法になります。

さらに換喩による婉曲法なのか、提喩による婉曲法なのか。
提喩だとすると、(白いもの)
(白髪)を表す婉曲法ぼかしの技法になります。
換喩だとすると・・・・。

って、そんなのどっちだっていいじゃん!!

というように、途中、
ニホンゴ、ムツカシイネ・・・って片言になってしまうことが、
何回かありました。

でも中にはほほう!とタメになることも。
省略法接続詞を省くと、スピード感が出るし、
をつきつけた」を換喩を用いて
白いはがねの色をつきつけた」にすると、
より鮮やかな映像的効果が得られます。

知っておいて損はないレトリック
より豊かで印象深い日本語を身につけるにはいいのでは?

ちなみに、これ岩波ジュニア新書です。
内容はジュニアじゃない気がする・・・。

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著者: ネイチャープロ編集室
タイトル: 自然のことのは


美しさに心洗われる。

夕轟き紅の海鼓草花逍遥・・・。

これらの言葉がどんな意味で、
どんなときに用いられるかわかります?

日本人でありながら、
数々の美しい日本語を私たちは知らずに生活しているんだなあ、
と感じさせてくれるのが本書。

日本人は感性が豊かで、繊細なんでしょうね。
色を表す言葉の多さなんかがいい例ではないでしょうか。
海老茶色蒸栗色江戸紫・・・それはもう
微妙な色の違いまで言葉になっています。

この本は、自然にまつわる言葉を集めた辞典のような
写真集のようなつくりになっています。

時と季節地と水植物動物空と夜空
5つの章に分かれていて、
それぞれの章に関係する美しい日本語と、
美しい情景の写真がついています。
(しかもオールカラーです。)

パラパラと眺めるだけでも心洗われる
色鮮やかな自然の一瞬を切り取った写真の数々。
空や雲、山や木々には思わず息を飲んでしまいます。

さてさて、ここで上記にあげた言葉の答えを少し。

夕轟きは、恋する気持ちが
夕暮れ時に心を騒がせることを言います。

紅の海は、夕日に染まる海のこと。
(決してジョーズがひと騒動起こしたわけではありません。)

鼓草(つづみぐさ)はタンポポのこと。
つぼみの形がに似ているからなど諸説あるようです。
タンポポも鼓の音から連想されたのではないか、
と書かれてあります。

花逍遥は花を見ながらのそぞろ歩き。
これからの季節、お花見のときに使えそうです。

他にも美しい日本語が満載。
美しい写真に見とれながら、美しい日本語の知識も身につきます。



著者: 北原 保雄
タイトル: 問題な日本語―どこがおかしい?何がおかしい?


深くて曖昧な日本語の世界。

女子高生が、街をうろつきながら、

「ってゆーかさー、あの洋服、いとをかしくない?」
「ホントだ。いとをかしー!」

と会話しているのを、滅多に現代社会では耳にしないと思います。
(滅多に、というか絶対?)

人が生きているということは、
何かしら変わり続けているのだから、
日本語だって変化し続けて当然です。

ならば、「その日本語は間違っている」と言えるのは、
長い目で見たら一瞬のことなんではないでしょうか。

この本は、
最近周りで耳にするようになった
「気になる日本語」の解説をしているのですが、
日本語って難しいなと改めて思いました。

誤用だって、多くの人が使っているうちに、
正しい使い方になってしまうんだろうな、と思わされます。

特に「雰囲気」。
これって、普段どう発音してます?

ふいんき」になってませんか?
 
私はそう発音しちゃってます。
もしかしたら、
これも「ふいんき」のまま定着してしまうかも、
と書かれていました。

何だか読めば読むほど、
日本語の深さと曖昧さの渦に飲み込まれていく感じです。

笑えたのは目次と、
ところどころに挟まれている漫画です。
(そこだけ立ち読み、というのもありかもしれません)

正誤を過剰に気にするよりは、
伝わりやすい不快のない日本語を心がければいいのではないでしょうか。



著者: 高橋 源一郎
タイトル: 一億三千万人のための小説教室


どんな小説作法本にも満足できなかった人へ

私の本棚には、「小説の書き方」系の本が
ざっと十冊以上あります。

それらはだいたい、プロットのたて方とか、
登場人物の履歴書を作るとか、指示代名詞や比喩を多用しないなど、
小説を書くための技術的なことが書いてあります。

で、それらを読めば小説が書けるようになるかというと、
絶対そんなことはありません。

確かに「小説」は書けるかもしれませんが、
本になったり新人賞をとったりできる「小説」は無理です。

何冊か文章技術の本を読んで、小説を書いてみると、
たぶん多くの人が壁に突き当たるんじゃないでしょうか。

技術的な書き方だけじゃ、
「小説」は書けないんだということに気がつくからです。

うまく言えないけど、なにか違う。
どうすればいいんだ?

と、モヤモヤして、結局、小説が書けなくなって、
私はしばらく書くことから離れていました。

が、最近、なんとなくこの本を手に取ったのです。

まったく期待などしていなかったのに、読んでみたら
「そう!そう!そう!」と思わず壁を叩きたくなるような内容。

小説の書き方はひとりでみつけるしかない。
小説は書くものじゃない、つかまえるものだ。

私はこの言葉を見て、興奮してしまいました。

小説のたましいは「ぶたれた犬」のようなもので、
無理につかまえようとすると逃げてしまう。
一緒に遊べば、近づいてくる。

作者は小説と遊ぼう、と書いています。

作者の軽妙な語り口は読みやすいですし、
何より「小説」と一緒になって楽しもうと思えます。

目の前に壁があるぞ、という方はぜひ一読を。


※余談ですが、27日分からずっと、ランキングが表示されません。
 なので、訪問者数もわからない状態です。
 問い合わせたくても、お正月休み・・・。
 ヒ、ヒドイ・・・。


著者: 山田 ズーニー
タイトル: 伝わる・揺さぶる!文章を書く


「伝わらない」ことに悩んだら読む本。

伝えたいことがあるのにうまく表現できなかったり、
思うように相手に伝わらず誤解されてしまったり。

人と人とがコミュニケーションをとるのに、言葉や文字は欠かせません。
そのコミュニケーションを円滑に行うための「いい文章」。
つまり「状況を動かすために、よく働き、望む結果を出す文章」を書くための考え方がこの本には書かれています。

作者である山田ズーニーは、小論文指導のエキスパートだけあって、
読み手と一緒に、 ひとつひとつブロックを積み上げていくような感覚で文章を運んでいきます。
なので、明確でわかりやすい。整理された論理的な文章といった感じでしょうか。

作者自身が、書く・伝えるという仕事から悩んだこと苦しんだことも語られていて、そこを通って得た情熱には心を打たれます。

本文には豊富な具体例(実践編として「上司を説得する」「議事録」「志望理由」「お詫び」「メール」なども掲載)もあるので、すぐにでも利用できそうです。

また、それ以外にもどんな場面でも応用できそうな「文章の7つの要件」
が書かれています。

大切なのは「自分が心を動かして書いた自分の文章で、読み手の心も揺れ動かすこと」なんだ、と読後感じました。

それが「伝わった」ということであり、作者はあなたにもそれができる、と背中を押してくれているのです。

「書く」ということだけでなく、「伝える」ということに悩んだら、何度でも読み返したくなる本です。


※ ramjhiさんが、初めての読者になってくださいました。
 この場を借りて、深くお礼申し上げます。ありがとうございました。
 今後とも、よろしくお願いいたします。