【マンガ感想】
『とろける鉄工所 3巻 (野村宗弘)』
とろける鉄工所 3 (イブニングKC)
講談社 2009-10-23 by G-Tools |
【あらすじ】
「溶接始めたんは、結婚したかったけぇよ」奥さんと結婚したかった北さんは、手に職を得るため、とあるトコロへ。溶接工になるために越えるべき壁は、意外と低くて高かった……!?大好評描き下ろしおまけ漫画、(微)増量!
広島県にある中小鉄工所での日常を描く作品です。
連載1回分が4ページで描かれるショートストーリーで、
主に溶接工の仕事から、主人公・北さんと奥さんとのイベント、工場責任者・小島さんと娘さんのイベント、
新人で色々と問題を起こす吉っちゃんのイベント、そして北さんの奥さんのプライベートイベントなど、
中小鉄工所・『株式会社のろ鉄工』に関わる人々にスポットを当てた話が描かれておりまして、
『鉄工所とはこういうところだ』・『中小企業とはこういうものだ』ということが面白おかしく描かれています。
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ここからは3巻の感想。
3巻では、中小鉄工所・『株式会社のろ鉄工』の社員の方々にスポットを当てた話が描かれつつも、
主人公・『北さん』が音楽活動を止め、『株式会社のろ鉄工』に就職するまでの話が描かれました。
そんな3巻のメインとなるのは、もちろん主人公・『北さん』の話でしょう。
この話は、主人公の『北さん』が後輩の『吉っちゃん』から「なんで溶接を始めたんですか?」と
質問されて事から始まったイベントでして、話が一気に6年前まで遡ることとなりました。
6年前の『北さん』は・・・22歳で、まだミュージシャンに憧れて、路上でライブを行っていた時期です。
ただ、この『北さん』は、極度の音痴であったようで、残念ながら売れる気配はほぼゼロに等しく、
路上ライブに人が集まる事はなかったようです。 その状況が長らく続いていたこともあり、
自分の音楽活動に限界を感じると共に、この当時から付き合っていた現在の『奥さん』との結婚を
考えるようになったため、音楽活動を続けていくのではなく定職につくことを選ぶこととなったようです。
で、
ハローワークに向かうわけですが、特にこれといってやりたい仕事も無いし、資格も無いので、
なかなか何をするのか見つける事ができなかったのですが、ハローワークのお姉さんが、
職業訓練校で溶接を学ぶ事を勧めてくれたのをきっかけに溶接を学ぶようになりました。
その職業訓練校では、人間関係にも恵まれて、順調に溶接について学んでいく様子が描かれ、
色々とすったもんだあって、『株式会社のろ鉄工』へ無事就職する事となったようです(この間、約半年)。
北さん 「わし、溶接を始めたのって“ものづくり”がしたかったけぇよ」
彼自身、真面目な性格で、モノを作る事に対して興味を持っていたため、
辛い作業が多い溶接の仕事もなんとかこなすことができ、それから6年間続けているようです。
(もちろん、『奥さん』と結婚したため、辞める事ができなくなったのも理由の一つでしょうけど・・・)
こういうキャラクターを掘り下げる話を読むと、ますます感情移入がしやすくなり、
今までの話も、違った視点で読む事ができるのが良いですね。
次巻も楽しみです。
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【総評】
この作品は、主人公・『北さん』の『奥さん』や『小島さん』の娘・『さと子ちゃん』など、
この作品は女性陣が本当に魅力的なのです。 しかも、3巻ではさらにその女性陣の中に、
『株式会社のろ鉄工の社長』の『奥さん』も加わりまして、ますます面白くなっていました。
とりあえず、次巻は、『北さん』と『奥さん』の出会いのイベントが見てみたいです。
点数的には
92点
です。
では、ここまで。