「なんだか、完璧に慣れてきたんじゃない、あなたたち???」
と、笑顔で千。
「若いってのは、いいねゃ、覚えが早くって。」
「ははは、まっ、体も…一応は…頑丈に出来てるからね~俺ら。」
慎二。
「今日は、夕方から花火だからね、また楽しんでらっしゃい。」
と、岡。
「自然の中での花火。しかも、湖上花火だから、東京の花火とはちょっと趣き、違うと思うよ。」
「そうみたいですよね。」
と、大輔。
「そもそもかつては、何年も続いた花火大会だったんだけど…。そりゃ県内外からもたくさん集まって盛大でね。」
「ふ~ん。」
陽子。
「でも、ある時、市町村の合併で、中止になっちゃったのよ。」
「祭りの実行委員会もそれと同時に解散。…でも、それじゃあまずいってんで、地域住民みんなで結集してね、温泉と地域住民の将来のために、復活。…と、言う事になったのよ。」
と、千。
「素敵な場所だもん。失くしたくないよね、地域住民の将来、そして何より、希望だよね。」
と、楓。
「良い事言うね、楓ちゃん。」
「へへ…。」
舌を出す楓。
「さっ、今日ももう少し、一踏ん張りだよ。お願いね。」
一同、
「はい!!!」
「ちょっと…女将さんお願い出来るかな???」
と、傍にいた中居を呼ぶ、旅館のロビーで新聞を読んでいた初老の男性。
「は…、はい、少しお待ちください。」
「お待たせしました、女将の児玉と申します。」
「あっ、いやいや、女将、忙しいところ、呼び出して申し訳なかった。実は…。」
「はい。」
「お疲れさん、食事して行ってらっしゃい花火。」
と、千。
「は~い。」
と、一同。
「うわっ、今日も凄~いご馳走~最高~!」
と、朱実。
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