メタメタの日

パンセ


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分数のわり算は,小学校の計算の最後(6年上の教科書)に出てきます。

÷分数の分母分子の数を逆にして,×逆数とするわけですが,このやり方でなぜ良いのか,このやり方で良いことをどう教えるかとなると,大変です。

私が塾講師になった20数年前の最初の授業がこれで,テキスト(四谷大塚)を読んでも説明などなく,仕方なく文字式を使った説明をしたら教室が凍りつき,鳩が豆鉄砲を食らったような生徒の顔が今も目に浮かびます。

その後,いろいろ本を読んでみたが,どれも苦心惨憺していることはわかるが釈然としない。計算の理由などわからなくても,やり方だけ覚えれば良い,というスタンスもあるし。

分数のかけ算については,数教協のタイル図を応用した面積図で,縦11の正方形を縦横分母の数だけ分割した小タイルを,縦横分子の数だけかけた部分の大きさとして納得できる。しかし,わり算では,この逆で説明しようと思ってもうまくいかない。数教協の説明もまだるっこしい。

図を使って説明するとなると,1つ分を求めるわり算といくつ分を求めるわり算の2通りについて説明しないとまずいのではないか,などと考えてしまう。そもそも分数とは何か,わり算とは何かに戻らざるをえないところがあるなぁと考えてしまった。

今,教科書は3通りほどの説明を掲げ,生徒がそのどれかで(あるいは自分なりに)納得できれば良い,というスタンスのようです。(掲載したのは,東京書籍『新しい算数6上』平成23年発行)


メタメタの日-分数のわり算1


メタメタの日-分数のわり算2

私的には,わられる分数とわる分数の双方にわる分数の逆数を掛ければよいのだから,という説明がすっきりしているが,この説明で生徒にもすっきりしてもらうには,次のような理解が前提になっていることが必要となる。

つまり,わり算とは,わる数を1にしたときのわられる数を求めること,ということ。

6個のミカンを3人で分けると1人何個か。15個のミカンを1人に3個ずつ配ると何人に配れるか。0.6m3kgの鉄棒の1mの重さは何㎏か。1m2kgの鉄棒の1.2㎏は何mか。

それぞれ,式と答を単位も付けて表すと,

6個÷3人=2個/人 ……(等分除)

15個÷3個/人=5人 ……(包含除)

3kg÷0.6m5kgm  ……連続量で1当たりを求める。除数が1より小。

1.2㎏÷2kgm0.6m ……連続量でいくら分を求める。

このように,等分除,包含除,除数が1より小の割算などといろいろあるが,けっきょく,除法は,除数1にあたる被除数の値を求めることになる。

分離量の等分除であれば,等分したとき除数1に当たる被除数の値を求めることになり,分離量の包含除なら,除数の大きさを単位1として被除数を測るときの被除数の値を求めることになり,連続量の場合は,除数が1より小であっても,除数を1としたときの被除数の数値を求めることになり,あるいは,除数の大きさを単位1として被除数を測ったときの被除数の値を求めることになる。

以上のわり算を分数で表せば,分母を1としたときの分子の数値が商となる。

6321

15351

30.651

1.220.61


わり算について,数量が整数や小数でなく分数で表されていても,同様に考えられる(と考える)。つまり,整数や小数という「数」で成立したアルゴリズムと同様のことを,分数という数でもおこなう,と考える。おはじきやタイルなど半具象物で分数のわり算の意味を理解するのではなく,抽象的な数の操作として,アルゴリズムの妥当性を納得するという方向です。分数のわり算でも,分母が1のときの分子の数値が商である,とアルゴリズムを理解するのである。

45÷23 なら,分母を1とするために,分母の逆数32を分母にかける。分母に32をかけたのなら,分子にも32をかけなければ,式全体の値が異なってくる。かくして(以下はほとんど算数の教科書どおりですが),

45÷23=(45×32)÷(23×32

     =(45×32)÷1

     =45×32

     =65

このように,分数のわり算はなぜ逆数をかければよいのかを納得するのが,いちばんスッキリしているように思える。

6の段階にもなったら,抽象的な数の操作で数式を理解する方が良いでしょう。1年後,中学では,数をさらに抽象した文字の計算をすることになるのだから。


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