シン・ぽこぽこ日記@マイバッハめたぽこ

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サイバーファイトフェスの注目試合が、ほぼファーストコンタクトの張り手であっけなく終わってしまった一件。


一報を最初に知ったとき思ったことは、どっちがいいも悪いもなく、ああいうことが起こるのもプロレスだということ。

試合自体は、結果はレフェリーストップ、実質的には勝彦がKOしたということ。


そんな風に思っていました。


ところが、試合後に「故意にテンプルを狙った」「プロレスをやろう」等々の発言がDDTサイドから出たことで、ノアがやらかした一件になってしまったのが残念でなりませんでした。


「危険な技には警鐘を」

「ノアファンが過激な打撃を煽るからこうなった」

という主旨の発言やツイートも散見していました。


まず一つ。

ノアでは同程度の勝彦の張り手で試合が止まることはないです。

止まるとしたら決着したときでしょう。

つまり、その一点だけで、中嶋勝彦には瑕疵がないことは自明の理と言えます。

そのことはツイートしたおぼえがあります。


かと言って、受けられなかった遠藤が悪いなんてこともない。

どちらも悪くなくてもあの結果になるのがプロレスだと理解しています。


もう一つ。

秋山準の発言に腹を立ててるノアファンも少なくないようですが、そもそも会見で小峠を倒した時点で秋山は警鐘を鳴らしてたはず。

ああいうビンタは危ないんだよ、やんややんや騒ぐ場面じゃないよ、と。

秋山にしてみれば「だから言わんこっちゃない」だったでしょう。

僕は秋山準の主張の大意には賛同します。

(テンプルを故意に狙ったっていうのは、いつか撤回して欲しいけど)

常にギリギリを攻めるのがトッププロの宿命ではあるけれど、もっと違う方向性もあるんじゃないかと。


ちなみに中嶋勝彦はちゃんと「違う方向性」の試合もできるので、僕は信頼しています。



結論としては、誰も悪くないのだから、無駄な煽りはシャットダウンして、自分が好きな団体、選手を追いかけましょう!


そしてプロレスファンとして、リスペクトを持ってリングを見つめたいと思います。

鈴木鼓太郞にとって、「禅譲」のようにして回ってきたジュニアのエースの座は、納得いくものではなかったのだろう。

勝てる。
負けていないという自負。

先輩を超えて時代を掴みたいという、レスラーなら誰もが抱く自然な感情。

それらを叶えることもなく、ましてやKENTAや勝彦までもが階級を上げてしまった。

直接対決することが適わなくなった絶望感が、ノアを離脱する一因になったのではないか…とうかがえる節もある。


そして、ノアのリングに帰還した鼓太郞。

今のジュニアを最弱と罵り
リーグ戦を制し
ベルトも戴冠し
ジュニアヘビー級トップクラスの実力をまざまざと示した。

その果てに鼓太郞が観るものは丸藤と同じステージでの闘い。


丸藤は「今じゃない」と拒否。



生きているからこそ適う闘いを望む鼓太郞。
もう適わない闘いに身を投じる丸藤。

二人の道が交差する日は…
逆水平、場外床へのボディスラム、逆エビ固め…

体格優位な潮崎の攻めに高橋は防戦を余儀なくされます。





さらにはマシンガン逆水平まで打ち込まれ、文字通りの土俵際に。


このあたりまで観ているうち、男子対女子という構図がまったく気にならなくなりました。

ツイッターにも書きましたが、どちらかというと「ヘビー対ジュニア」に近い構図でこの試合を観ていたと思います。

体格不利な高橋奈七永がいかに潮崎豪を攻略するのか。
なにか手はあるのか。
それとも、なすすべなく沈むのか…

例えばノアのヘビー級選手なら、同等の打撃(杉浦のエルボー、丸藤のチョップ&スピンキック、勝彦や拳王の蹴りなど)があります。
または北宮やヨネのように、タフネスさを利して耐える手もあります。

(善戦はしたけど…攻め手はつきたか?)

と思った矢先、攻勢を強める潮崎がトップロープへ。
ダイビングニードロップを狙ったのか、ここに高橋の反撃を許す隙が生じました。



乾坤一擲の雪崩式ブレーンバスターで反撃!
一度上げられれば、自重が加わる潮崎によりダメージが与えられます。

なるほど、反撃のロジックとしてはこれ以上ないシチュエーション。
高橋にも光明が見えたが、ここから反撃に出ます。



1発目の冷蔵庫爆弾は膝を立てられたものの




2発目はクリーンヒット!
ニアフォールまで潮崎を追い込みます。

しかし必殺のナナラッカは潮崎が許さず。
流れは再び潮崎へ。
万事休すかと思ったとき、高橋のナックルが潮崎を痛打!
さすがの潮崎も動きを止めます。

その機を逃すまいと、走り込んでのラリアートを狙った高橋を待っていたのは、カウンターで決まった豪腕ラリアート。

さらにフィッシャーマン・バスターで高橋を叩きつけると






引きずり起こしてのショートレンジ豪腕ラリアート。
さすがに勝負あったか…と思いきや、潮崎はフォールに行かず距離を置きます。
どうにか立ち上がった高橋に、助走をつけての逆水平チョップを打ち込み、勝負を決しました。


こうして、二人の挑戦は幕を下ろしました。






勝ち名乗りのあと、ナックルが入った左側を気にする潮崎。
一瞬とは言え、でも確実に高橋の攻撃も潮崎にダメージを与えていたのです。
思えば試合最初に顔面を張ったのも布石だったか…




潮崎も高橋を起こして健闘を称えます。
後楽園に沸き起こる潮崎コール。
男女関係なしに、熱い試合を見せてくれた潮崎を称える、観客からのアンサーだったと言えます。

そのコールはやがて自然と奈七永コールへと変わります。



奈七永コールの発生元を指さす潮崎。
「それだよ!」と言わんばかりの表情。
レスラーと会場が共にリスペクトしあうような、そんな空気を観じました。



互いに一礼。
高橋奈七永の「情熱」。
潮崎豪の「信念」。
それらが魂のレベルで響き合ったからこそ、これだけの素晴らしい試合になったのだと思います。



最後に。
実は試合中には気づかなかったのですが、逆水平を喰らいつづけた高橋の右胸はこんなにも変色していました。
前歯も吹き飛んでしまってました。

それでも陰惨さも残虐さもまったく感じられないような、とても爽やかな感覚が残ったのは、プロレスという共通言語で二人が交わした言葉が本物だったからでしょう。

素晴らしかった。
見届けてよかった。

プロレスはやっぱり、ロマン溢れるものであって欲しい。

そうした思いを深めた試合でした。