高3の公民は「演習」に入っておよそ1か月。
「倫理」は、先週と今秋は「日本の仏教思想」
聖徳太子の「三経義疏(さんぎょうぎしょ)」「世間虚仮、唯仏是真(せけんこけ、ゆいぶつぜしん)」からはじまり、平安仏教の真言宗と天台宗。
真言宗のセンター過去問では「顕教と密教のちがい」などが出題されたこともある。
本山が「高野山金剛峰寺(こうやさんこんごうぶじ)」であることは知っていても、高校生は「すでに存在していない」と思っている子もちらほら。
本尊が「大日如来(だいにちにょらい)」であることや、「曼荼羅(まんだら)」という絵(?)などは知っている。
もっとも、曼荼羅は、「金剛界曼荼羅」と「大悲胎蔵曼荼羅」に2枚が対になっていることなどは知らない。
(家内の友人が真言宗の尼僧なので、本堂を見学させたもらったとき、教えていただいた)
手に印契を結んで「ノウマク…ソワカ」という、マントラが印象的。
「三密の行」を行い「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」するのが理想。
空海の絵では、手に「金剛杵(こんごうしょ)」という鉄アレイみたいなものを持っている。
確か伝説では、中国で修業をしていた空海が、これを空に放ったところ、高野山に落ちたので、帰国した空海がそこに金剛峰寺を建立したとか。
天台宗の本山「比叡山延暦寺(ひえいざんえんりゃくじ)」は、知っていても、今の子は修学旅行で行っていないのだそうです。
「延暦寺に行くと他のお寺まわれないよ」
と先生に言われて、みんな敬遠するのだという話。
僕らは、中学・高校と「根本中堂(こんぽんちゅうどう)」に行き、1200年間消えたことがないという「不滅の法灯」というのを見学したものだったけど。
「一切衆生悉有仏性(いっさいしゅじょうしつうぶっしょう)」「法華一乗思想(ほっけいちじょうしそう)」など。
「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」や「本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)」なども。
平安後期から「浄土信仰」「末法思想」が出てきて、空也、源信(げんしん)の『往生要集(おうじょうようしゅう)』「厭離穢土、欣求浄土(おんりえど、ごんぐじょうど)」などから、鎌倉仏教へ。
法然の「浄土宗」。「専修念仏(せんじゅねんぶつ)」。華厳宗を復興した明恵(みょうえ)の「法然批判」など。「他力本願(たりきほんがん)」。総本山は京都の「知恩院(ちおんいん)」
弟子の親鸞の「浄土真宗」。弟子の唯円(ゆいえん)が書いた「歎異抄(たんにしょう)」の「悪人正機説」。「絶対他力(ぜったいたりき)」「自然法爾(じねんほうに)」。肉食妻帯し、自らを「愚禿」と呼んだというが。
室町時代に親鸞の血をひく蓮如(れんにょ)がでて、本山「本願寺(ほんがんじ)」を中心する教団を中興したという。
で、浄土系は本尊は「阿弥陀如来(あみだにょらい)」なので、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱える。
先日、義伯母の葬儀の際、天台宗の僧侶が、「南無阿弥陀仏」を参列者と唱和するように促した。
「法華経=妙法蓮華経」を重視する宗派だったように思っていたので、ちょっと不思議な感じでした。
一方は禅宗。
栄西が「臨済宗」を道元が「曹洞宗」を伝える。
栄西は、茶を輸入したことでも有名。栄西→村田珠光(むらたじゅこう)→千利休(せんのりきゅう)の流れて「茶道」が大勢する。
臨済宗は、「公案」を与えて禅を組む。鎌倉の「円覚寺舎利殿(えんがくじしゃりでん)」は国宝で、釈迦の歯が祀られているという話。なぜか、鎌倉に行ったときは入館できないタイミングで残念。本山は派によって異なるらしい。
かの夏目漱石も円覚寺にいって、「父母未生以前本来の面目」という公案を授かったというのは割と有名な話。
道元は「正法現蔵(しょうぼうげんぞう)」、「只管打坐(しかんたざ)」、「修証一等(しゅしょういっとう)」などタームだけども大変。本山は福井の「永平寺」だけど、高校生は誰もしらない。大晦日の「ゆく年くる年」ではいつも座禅している様子が流されていたような気が…?「末法思想の否定」が特色。
で、日蓮。「念仏無間、禅天魔、真言亡国、律国賊」という有名な他宗排撃の「四箇格言(しかかくげん)」が有名。「立正安国論(りっしょうあんこくろん)」は歴史で習ったと思うのだけど、高校生は全然知らない。5代執権北条時頼に提出したが、幕府の怒りをかって伊豆に配流になる。しかし、元寇が起こり予言が当たったと。「南無妙法蓮華経」の「題目」を唱題する。
仏教を背景に、「無常」「幽玄」(能)、「わび」(茶道)、「さび」(俳諧)などの日本的文化ができた。
と、ここまで演習終了。次回は、江戸時代からの儒学、国学、復古神道などの復習。
「現代社会」は「経済」。
「技術革新(イノベーション)」で「ケインズ」を選んだのがいてガクっ。「俊平」という生徒がいるので「シュンペーター」は覚えやすそうなのだけど。
やはり日本史を軽んじているので、「傾斜生産方式」の意味が分かってかったり、若者なのに「NC」「FA」「OA」「POS」「ISO14000シリーズ」「CSR」「PL法」「PPP」「TOB」などの用語を知らなかったりする。
「デジタルディバイド」なども、「高1の情報で習ったでしょう???」と。
「最近ニュースによくでると思うけど、多国籍IT企業で、タックスヘブン(租税回避地)の問題にもからめて、”GAFA”って聞かない?」
これは、グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル…4つとも出ました。が、
「Amazonで日本の会社じゃないんですか?」
「ちがうよ。じゃ、Amazonが通販No.1だけど、2位、3位は?」
「楽天」はすぐに出てきたものの、「Yahoo!」はなかなか出てこなかったですね。
「政治経済」は、「国会」「裁判所」あたり。
政治分野はほとんど「日本国憲法」がらみなので、後期テキストの巻末には、「日本国憲法」「国連憲章」「戦後の歴代内閣総理大臣」などを載せてあります。
問題でつまづくたびに、巻末の憲法に飛んで音読してもらっています。
模試でとりあえず偏差値を大きくアップさせるのには、理科・社会を完璧にするのが最もコストパフォーマンスがいい。
数学ⅡBで90点以上なんて、ほとんど無謀なので。
センター試験までの日数がだんだんすくなくなってきました。