東日本大震災から8ヶ月あまりが経過した。
震災発生当初は自分の会社のことで手一杯だったが、4月から週に一回のペースで物資提供活動を始めた。名のある創業経営者のような金額での支援は出来ないので、細々と・・・。これは、今も毎週続けている。
「震災を機に、扶養家族が増えたようなものだ」と考えることにして、特に期限を定めずに続けている。それが個人的な働き甲斐にもなっているので、いうなれば結局は「自分のため」だ。
9月初旬、震災から半年の節目で初めて被災地を訪問した。
元来「あまのじゃく」な面のある私は、ボランティア活動のピークが過ぎて、人々が少し震災のことを忘れ始める頃になって、現地に行きたくなった。そういう性格なのだ。
一人自家用車を走らせて、550キロ先の陸前高田へ。まだ瓦礫の山や壊れた建物も相当残されており、あまりの惨状に涙した。また、このときに現地で人の縁が出来た。「また来ますね!」と、言い残して去った。
10月初旬、再び陸前高田へ向かった。
現地の人々と再会し、またさらに人の縁が広がった。仮設住宅におじゃまして、一緒にご飯を食べたりもした。車で動き回って土地勘も出来てきた。
そうしたら、以前はまったく関係のなかった陸前高田という土地に愛着がわいてきた。人間とは不思議なものだ。そして、「物資の提供・搬送以外にも何かしなければ」と思い始めた。
早朝、瓦礫の山の前でずっと考え事をしていた。どうしたら役に立てるのか・・・。そして、ふとあるキーワードがひらめいた。「グローバル」と「被災地復興」・・・?
もともと経済的に脆弱であった東北地方の被災地が、仮にもとに戻ったとしても、経済的には脆弱なままだ。被災地が本当に復興していくためには、域外、そして特に海外との絆を強めていく必要があるのではないか。
何かを売るにせよ、誰かに来てもらって消費を得るにせよ、「外」との交流が鍵なのではないか。「海外と被災地の交流を増やしていくために」というテーマなら、自分に出来ることがありそうだ・・・。
そうか、そのためには英語か。
「英語は音読だけでいい!」(かんき出版)という本を1月に出版して以来、東京を中心にもう何度も無料の英語勉強法セミナーを開催してきた。毎回、おおむね好評をいただいている。
毎月陸前高田を訪問して、その勉強法を伝えながら、子供たちの英語学習のサイクルを作る「きっかけオジサン」になれないか・・・。そんなことが、早朝の瓦礫の山の前で電撃的にひらめいた。
11月初旬。
縁のある地元の人々、ボランティア仲間、支援団体の方々などの助けを得て、「Komo's英語音読会」の初回が陸前高田で開催された。完全に手作りのイベント。
復興のために立てられた小さな薬局の会議室をお借りして、会議机やパイプ椅子、ホワイトボード、プロジェクターなどを運び込み、まずは私の提唱している勉強法そのものについてご説明した。
いくつかのセッションに分けて、合計16名の方々に聴いていただけた。当初の予定では中高生が中心だったのだが、ふたを開けてみれば小学校高学年~大人まで、幅広い世代からの参加を得た。
せっかく来て下さった方々の今後の英語学習をサポートすべく、毎月一回陸前高田を訪問して、「Komo's英語音読会」を開催することに決めた。
毎回の終了時に向こう一ヶ月の音読材料を約束しておき、翌月のセッションで音読と語彙の充実度合いを私が確認するという仕組み。語彙の強化や発音矯正なども行う。
個人ごとに選んだ教材を音読するコースと、私が選んだ英字新聞の記事を音読するコースの二つがあるが、英字新聞のほうは、「NIKKEI WEEKLY」さんが特別にコピー配布を許諾して下さった。
ほんとうは毎日でも音読のチェックにお付き合いしたいが、そうもいかない。せめて毎月一回の訪問の中で、私に出来ることを真摯に続けたいと思う。
これだけ不確実性の高い世の中、自分だって、未来永劫今の立場で今と同じような生活をしていられる保証はない。今はただ、「期限を定めずに続ける」という心持ちだけが自分のコミットメントだ。
10年くらい先に、震災の重荷に耐えて育った子供たちが、英語を使って世界とつながって活躍するようになったらいいな・・・と思う。 本当に、心からそう思う。
毎週の物資支援は、先週は電気ストーブを10台贈った。もう被災地は雪のちらつく冬だ。被災地には今も、個人の力では焼け石に水と感じられるほどに色々な問題がある。
しかし、色々と大きなことを言う前に、個人としてのアクションを、まず「ゼロから1」にして、「1を継続」していく中で10にも20にもしていきたい。