陽気なギャングが地球を回す/伊坂 幸太郎
¥660
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勝手に採点 ☆☆


四人組の銀行強盗が繰り広げるドタバタコメディー。


銀行を襲った帰りになんと自分たちがお金を奪われる
ありえない事態に遭遇。


賊の一人を付き止め自宅を訪ねたところ、ナイフで
刺殺されていた・・・。果たしてお金は取り戻せるのか!?


空虚な会話のオンパレードで読む気をなくす。


書き手はかっこいいつもりなのかもしれないが、こう
も全編に渡って意味のないやり取りを読ませられると
拷問に近い仕打ち。


ストーリーとしては意外性があり、小物の使い方も
うまいのでホントに惜しいとろこ。


伊坂氏の描くキャラクターは全般的に人間味に欠ける。
それが最大の欠点。

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心にナイフをしのばせて/奥野 修司
¥1,650
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勝手に採点 ☆☆☆


世間を震撼させた酒鬼薔薇事件をさかのぼること二十数
年前。


高校入学間もない同級生をナイフでメッタ刺しで殺害した
うえにクビを切り落とすという類似の凄惨な事件が起っていた。


さらに驚くべきことに、その後少年院を出所した少年は
なんと弁護士として成功し地元の名士となっていた!!


残された被害者の家族にスポットライトを当て、その後
の心の葛藤、家族の悲しみを描くドキュメンタリー。


やはり殺人犯には「眼には眼を歯には歯を」が原則!


残された家族がこんなにも苦しい思いを引きずって生き
ていかなければならないのに、その加害者がこうものう
のうと暮らせるなんて絶対におかしい。


極論を言うと、子供に限らず大人でも、犯した罪と同様
の苦しみを味あわせるべき。


殺人を犯したら自分が殺される、人を傷つけられたら、
全く同じ傷を負わされるのがスジ。


どうして日本の法律はこうも被害者の人権を無視するのか。
殺人を犯したような人間の人権など二の次であるべき。


さらに驚くのは、犯罪者の更正には何百億という税金が
費やされているのに、被害者家族にはなんと数億円しか
使われていない現実。


なんで悪いヤツに使って、深い悲しみを味わってる人に
使わないのか。


そしてなんと言っても言語道断なのは、弁護士になった
元少年の態度。これが更正したということか。許せない。

題名は被害者の妹の言葉。


加害者に会ったときにきちんと対決できるように
「心にナイフをしのばせて」生きるということ。


少年犯罪の実態は以下をご参考に。ホント腹立たしい。

http://nikonikobun.blog104.fc2.com/blog-entry-129.html

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「決闘の辻」

テーマ:
決闘の辻―藤沢版新剣客伝/藤沢 周平
¥560
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勝手に採点 ☆☆☆


宮本武蔵や柳生宗矩など、歴史に残る剣豪・剣客たち。
彼らの生涯に残る運命の対決を鮮やかに描く時代小説。


壮絶な死闘もあるが、結局本人は闘わわないバージョン
もあるなどバリエーションは豊富。


一番印象的なのは「二天の窟―宮本武蔵」のセコさ。


すでに老齢し、真っ向勝負では勝てないと分かるや、
自分の愛人を抱かせ、帰途を待ち伏せして打ち倒すなど
剣士としては最低の品格。


いまいち彼の名声が響かないのは、戦場での活躍がイマ
イチだったことと、こういった姑息な手段を労して、さして
有名でもない相手に勝ち続けたというネガティブイメージのせいか。


また、父の仇を討ちに行く「飛ぶ猿―愛洲移香斎」は逆の
意味で印象的。


仇である相手が亡き父を懐かしみ、自分より強いことが分かると、
潔く身を引く清清しさ。


きっと彼は故郷で許婚と幸せに暮らしたに違いない。

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終末のフール/伊坂 幸太郎
¥1,470
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勝手に採点 ☆☆☆☆


小惑星の衝突によりあと三年で滅亡の危機を迎える人類。


そんな切迫した状況の仙台を舞台に、そこで生活する人々
の悲喜交々を描く連作短編集。


各編が独立した話しながら、微妙に重なり合って味わいを
深めている印象。


ちょっと冷めた目線が特徴の伊坂作品にとっては、良さが
引き出されるシチュエーション。


こんな状態に置かれたら自分はどうなってしまうだろうと
考えずにはいられない。


子を持つ親にとってはとてもつらい状況下。


ひとつ残念なのは、意外性の欠如。


みんな大部分が諦めと少々の希望を胸に生きているのだが、
全体が同じトーンで統一された雰囲気で、ビックリな人や出来事
が少なめ。


例外的に意外だったのは、復讐のため篭城したところ、実は目的の
人物が一家心中しようとしていたと言う話。


ただし、トーンとしてはやはり暗い。


起承転結を意識し、アクセントが利いた連作短編集なら文句なし。

「太陽の塔」

テーマ:
太陽の塔/森見 登美彦
¥420
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勝手に採点 ☆☆☆


やたらとプライドの高い京大生の主人公が奇跡的にできた
恋人に逃げられる。


そんな彼女の生活ぶりをこと細かくリサーチしたり、ヘン
テコな友人たちとの交友などをギャグタッチで描く青春グ
ラフティー。


男臭いファンタジー。


前半部分は、絶妙な比喩と独特の世界観でテンポ良く引っ
張っていくため心地良い。


こうゆうタッチはとても新鮮で斬新。


客観的にいうとただのストーカーなのだが、彼が自己世界
に構築するハチャメチャな論理は傍から見てると面白い。


また、登場人物たちもかなりユニーク。


太陽の塔に心酔する彼女を始め、彼を取り巻く友人たちは
どうしてこうも変人ぞろいか。


ただ、いただけないのは中盤以降。


夢か現実がかなり曖昧になって、ストーリーが迷走する。
残念ながら何が言いたいのか分からない。


特に「ええじゃないか」騒動は何???


そこまで飛ばさなくとも、もう少し現実的なところで話を
作って行った方が受け入れやすかっただけに残念なところ。

自壊する帝国/佐藤 優
¥1,680
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勝手に採点 ☆☆☆☆


外務省のラスプーチンと呼ばれ、鈴木宗男とグルになって
役所を食い物にしたとされる元外交官・佐藤優氏。


その彼が、ソ連崩壊前後の自身の活躍と崩壊のメカニズム、
豊富な人脈紹介を披露する著。


久しぶりに知的好奇心を大いに満たされる一冊。

彼の経験と学術的知識はかなりのものと感心させられる。


ムネオ騒動のときの狂乱時には、なんて悪いヤツがいたのか
と報道を通じて感じていたものだが、本書から感じられる本
人像は全く違う。


非常に職務熱心で真面目な外交官という印象。


その上、モスクワ大学に留学して、ロシア語を身につけ、自身
の特異な風貌と人間性、神学などの知識を武器にロシア国内に
豊富な人脈を持つに到ったことはまさに日本の国益に適う活躍。


ソ連崩壊前後の近代政治を齧ったものなら、本書の内容はまさに
現場を語るにふさわしい内容と理解できるはず。


ゴルバチョフ、エリツィンといった大物や彼らを支える側近たち、
果てはソ連の解体を目論む反政府組織の活動家など、登場人物に
はことかかない。


それにしても疑問に思うのは、彼はなぜ逮捕されたのか。


そのあたりは前作「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」
に詳しいようなので早速手にとってみたい。

朗読者/ベルンハルト シュリンク
¥1,890
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勝手に採点 ☆☆☆


15歳の少年が母親に近い年齢の女性と恋に落ち、
逢瀬を重ねるが、突然、彼女は姿を消す。


大学生になった主人公は意外な場所で彼女と再
会を果たす。そこで明らかにされる秘密とは。


久しぶりの再読。


雰囲気的には村上作品に近いものが感じられ、
親近感を抱く。


ただ話題がナチズムに絡められる分、暗くなり
がちでより現実世界での葛藤がメインテーマ。


その分ファンタジックな色合いは薄い。


ただ、ノンフィクションでないためか、後半の
名作をテープに録音して届け続ける行為や彼女
が手紙を書くシーンなどいまいち心に迫ってこない。


さらに残念なのはラスト。


せっかくの新しい人生をあきらめてしまったのは
なぜだろう。

失われた町/三崎 亜記
¥1,680
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勝手に採点 ☆☆☆


町に住む住人が忽然と姿を消してしまう消失現象。


数十年に一度訪れるこのカタストロフに立ち向かうべく
管理局なる秘密組織が活動し、失われた町に関する
あらゆる情報を収集、廃棄していた。


さらにその悲劇を阻止するため様々な試みが験され奏功し、
新たな消失町が特定され住人が避難を完了する。


この先どんな事態が発生するのか!?


半世紀近いタイムスパンの話が時系列的に並んでいない
ので全容を把握しずらい。


結局、あれ、これだれだっけ?と前に戻ること請け合い。


さらに、登場人物も多く感情移入できないまま、次章に
進んでしまい消化不良感も残る。


もうひとつ分かりにくいのが、架空の時代、地域設定。

ここまで複雑にする必要もないと思うのだが、筆者は
色々詰め込みたかったらしい。


「ドリームバスター」や「屍鬼」の雰囲気にも似た独特
の世界観が特徴の新しい試み。


個人的には好みではないが万人に受け入れられるものだろうか。

我らが隣人の犯罪/宮部 みゆき
¥470
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勝手に採点 ☆☆☆


宮部氏初期の作品で少年が主人公の中編集。


東野氏の初期の作品にもこういった謎解きがメインの
パズルを解くような嗜好のものがあるが、最近は流行らない。


題名にもなっている「我らが隣人の犯罪」では、叔父と中学生
の主人公が、脱税を行っている隣家の家人を脅して、あわよくば
その分け前に与ろうという話。


叔父さんはまるで恐喝者。いくら犬の鳴き声がうるさいとはいえ、
こんな悪者に簡単に加担する考えが分からない。


とばっちりを食った反対側の家も可哀想なほど。


それに比べると、同じ年頃の少年が主人公の試験管ベイビーの話
は心和ませるストーリー。


追い詰められたシングルマザーの切迫感を優しい少年の気持ちが
うまく包み込み事態は一件落着。


愛情とアイデアが凝縮された一編。

スプートニクの恋人/村上 春樹
¥1,680
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勝手に採点 ☆☆☆


主人公で教師の僕と大学の知り合った「すみれ」の
微妙な友情と彼女の失踪を独特のタッチで描く恋愛小説。


あいかわらず幻惑的な村上ワールド。


雰囲気的には「ねじまき鳥クロニクル」に似ている。


こちら側とあちら側の世界があって、ある理由から
愛する人があちら側に行ってしまって失踪する。


それを見つけようとする僕の内省。


独特の空想的世界は控えめで、非常に現実的な出来事が
主体で読みやすい。


前半部分のすみれとのやり取りも分かりやすく微笑ましい。

しかし、彼女が思いを寄せる憧れの女性の元から突然いな
くなり物語りも迷走気味に。


ラストシーンのすみれからの電話は何を意味するのか。
すぐに居場所を伝えるため、電話はかかってくるのだろうか。