燃えよ!刑務所/戸梶 圭太
¥980
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勝手に採点 NG


刑務所の収容率超過、懲役刑の短縮により凶悪事件の

増加が深刻な状況に。


警察OBで刑務所のあり方を考える政府機関の委員を努める花菱

城一郎は、なんと刑務所の民営化を実現しようと奔走する。


それも、刑務所をエンターテイメント化して受刑者のプロレス興行や

果ては映画制作を挙行するといった暴挙に出る。


果たしてその結末はいかに。


ひどい、ひどすぎる。

中身はマンガ以下のお下劣ハチャメチャストーリー。


まともな方々は決して手に取らないだろう。


都立水商(おみずしょう)!/室積 光

ドスコイ警備保障/室積 光

のようなハチャメチャギャグストーリながら、ところどころにホロリとさ

せるようなアクセントがあるかと思いきや、全くなし!


理屈とか現実性からは全く乖離した、著者のわがまま放題の駄作。

ここまで釘を打っておけばうっかり手に取ってしまう方もいないだろう。

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フライトプラン/ピーター・A・ダウリング
¥600
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勝手に採点 ☆☆☆


ベルリンで航空機メーカーの主任設計士を務めるカイル。

彼女は、突然に不慮の死を遂げた夫のため、娘のジュリア

と共にアメリカへ帰国することに。


自身が設計した飛行機で帰国の途上、ジュリアが忽然と姿

を消し、必死に機内を捜索するが見つけられない。


機長や乗務員、連邦保安官へ必死に説明するが、乗客名

簿にジュリアの名前はなく、なんと夫と共に死亡しているとの

連絡が現地の葬儀所から入る。


娘は本当に乗っていなかったのか!? 一体どこに!?


さすが映画ノベライズだけあって手に汗握る緊迫した展開。

航空機という密室内での事件だけに否が応でも引き付けられる。


そのうえ、夫を失った悲しみから、精神錯乱をきたした女性との

烙印を押されたカイルの活躍劇は読み手の共感を呼ぶ。


少々腑に落ちないのは犯行動機。

ここまで手配して準備するほどリターンは得られるだろうか。


過去のハイジャック犯の動機を見ても、単なる金欲しさで犯行

に及ぶ例は少ない。


お約束だが、マッチョで凶暴な犯人が、肉弾戦で可憐なヒロイン

にあっさりやられてしまう展開もお粗末。


これはやっぱり大型スクリーンで映像を楽しんでこそ良さが分

かる作品である。

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用心棒日月抄/藤沢 周平
¥1,680
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勝手に採点 ☆☆☆☆


シリーズ第1作。


若干26歳の藩士・青江又八郎は藩主毒殺の陰謀を偶然知り、

すぐさま許婚・由亀の父に相談を持ちかけたところ、逆に襲わ

れ、反射的に切り捨てる。


脱藩して江戸に逃れた又八郎は、用心棒や力仕事で食いつな

ぎながら、国許から送られてくる刺客を次々と倒していく。


由亀が父の仇討ちのため又八郎の前に姿を現すまで。


又八郎や同業の細江も若く、剣が冴え渡るあたりは痛快。


そのうえ、本編は忠臣蔵でおなじみの赤穂浪士たちの活躍を

絡めながら、絶妙なタッチで描かれる。


一方、用心棒家業から派生するサイドストーリーも格別。

江戸に生きる町人たちの暮らしぶりが活き活きと伝わってくる。


そんななか、又八郎が守りきれなかった遊女の悲しい死。

仇を取っても彼女の命は返って来ない。


日々の暮らしの中で、刺客の襲撃に備えることも忘れ始めた

ころに届く朗報。


藩の実権を掌握しつつある間宮中老からの救いの手。

しかも由亀が年老いた祖母とともに彼の実家を守っていた。


彼の証言により陰謀の黒幕は倒され、又八郎は元の役目に

復帰する。


次シリーズより重要な役どころを担う佐知もラストに登場。

これからの新たな展開を予感させる。

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ドリームバスター〈3〉/宮部 みゆき
¥1,680
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勝手に採点 ☆☆


地球人の夢のなかに逃げ込んだ凶悪犯たちを捕ま

えるため、別次元の人類から来たドリームバスター。


彼らの二つの世界での活躍を描く冒険活劇。


そもそも設定自体が複雑で容易に理解できないので、

万人に受け入れられるタイプの内容ではない。


そのうえ、このパート3は完全に次作へのつなぎとなって

おり、すべて中途半端な形で終わってしまう。


長編大作であれば、模倣犯のように厚くても完結する

形で出版して欲しいもの。


もしや「日本版ハリーポッター」を狙っているのではと

疑いたくなるようなつくり。


宮部氏の作家としての力量は衆知が認めるところだが、

こと趣味であるゲーム関連の題材ものは、いささか完

成度に難があるといえる。


ただ、本作を読んだ以上は当然次を読まないと無駄に

なってしまうので、早々に出版をお願いしたい。

「赤い指」

テーマ:
赤い指/東野 圭吾
¥1,575
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勝手に採点 ☆☆☆


妻からの連絡で急いで帰宅してみると自宅の庭には幼女

の遺体が。なんと中学生の息子が犯人。


中年の夫婦は、溺愛する息子の将来と自己の保身のため、

ある計画を実行する。そこへ登場する刑事・加賀。


彼は事件の真実を見抜き、解決へと導くことが出来るのか。


東野氏が好む家族愛がテーマ。


夫婦の心境や息子との軋轢、同居する母とのつながりなど、

より深堀すべきテーマが表面的で真に迫ってくるところがない。


そのため、犯行を別人に擦り付けるという大胆な行為やずっと

ボケたふりをし続け、口紅を使って息子のトリックを暴くといった

やり方が、そうまでするかよ~的な印象がどうしてもぬぐえない。


また、加賀刑事と実父間の表面的には冷たい関係も重要なファ

クターになっているため、事件自体がぼやけた印象に。


その他の作品でもそうだが、複雑な心理描写を省いて、目に見

える行為や結果のみを第三者からの視点で読者に提示する手法

を徐々に変えていくべきではなかろうか。


初期作品では複雑なトリックを使った明快な謎解きで、それ以降

は愛情をテーマに過酷な人生を歩む人々を緻密に、淡々と描くこ

とで大きな感動をもたらしてきた東野氏。


今度はひたすら一人称で人間の心理に深く迫った手に汗握るよう

な大作を期待したい。

アンボス・ムンドス/桐野 夏生
¥1,365
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勝手に採点 ☆☆☆


桐野氏特有の暗さを内に秘めたひと癖もふた癖もある

女性たちが主人公の短編集。


読後の爽快感からは程遠いが、女性の怖さを実感できる。


特に印象深かったのは、実家のお寺に居候するハイミスの話。


義父や弟への強い憎しみと実父に対する憧憬、自分を守って

くれない母に対するいらだち。


複雑な胸中を見透かすように現れる親子。


彼女が死んでしまった原因は、自らが作り上げた憎悪の念が

子供を通じて自分に跳ね返ってしまったからなのだろうか。

大石 圭
出生率0(ゼロ)

勝手に採点 ☆☆


世界中で卵子が死滅し、子供が生まれなくなってしまう

現象が発生し、遂に人類は刻一刻と滅亡の道を進みは

じめる。


人々はドラッグ、セックスに溺れ、貧しい子供たちが高値

で人身売買されるなど、退廃的、享楽的な世相に変化し

ていく。


そんななか、日本国政府はアジア地域での安全と食料

確保のため徴兵制を導入し、全国各地で暴動が発生する

自体に陥っていく。


「人類が進化を極めたせいで細胞レベルで死に向かう」

というコンセプトは面白いものの、いかんせん構成が

めちゃくちゃ。


ストーリーをまとめる力量がないのに、登場人物だけ増

やしても混乱が増すばかり。


いっそ、オムニバス形式でまとめればいい。

ただ、読者が引き込まれるほどのものにはならないと思うが。


セックス、ドラッグ、小児愛など、簡単に目を引きやすい

アイテムを乱用したお下劣小説。