目からウロコの異文化交流

―日本語教師のつれづれ日記―


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学生時代に体育の授業に遅れると、先生にこう言われたものです。
としてグランド一周、走ってこい走る
ときどき2周になったり、3周になったりしましたが汗

これを第三者に伝えるとき、次の文が考えられます。
私は走った…普通文。事実を述べるのみで、ここから何らかの感情は伝わってきません
先生は私を走らせた…使役文。先生が強制したという事実ですが、強い感情は伝わってきません
私は先生に走らされた…使役受身文。この文からは先生から強制されて、いやいや走ったという「私」の不快感がしっかり伝わってきます。

罰といえば、廊下に立たされる、水の入ったバケツを持たされる、居残りで掃除をさせられる…今は学校でこういう罰はないのかもしれませんが。

中級クラスのカナダのDさんとフィリピンのAさんに聞いたら、二人の答えはこうでした。
「体育の時間の罰は腕立て伏せと決まっていました」
軍隊みたいですね。さすがぶんなぐられるはありませんでした。
立たされるのは三カ国に共通でした。

使役受身の導入には上のような学校の罰から入ることにしています。中には罰をまったく受けたことがないなんていう優等生がいますが、そんなときは
「友だちは先生に立たされました」
でやりますナイス

使役受身の作り方を外国人に教えるとき
Ⅰグループ(五段活用)の動詞は
行く→行かない→行かされる
読む→読まない→読まされる
のように否定形の「ない」を取って「される」をつけます

ところがサ行五段活用の場合は違います。
話す→話さない→話させられる
押す→押さない→押させられる
「ない」を取って「させられる」をつけます
サ行だけ例外だと教えます。

Ⅱグループ(上一・下一段活用)では
食べる→食べない→食べさせられる
あびる→あびない→あびさせられる
よく見ると、五段活用で例外として扱われるサ行五段活用の作り方と同じです。

Ⅲグループ(サ変・カ変)では不規則ですから
する→させられる
くる→こさせられる
そのまま、覚えてもらいます。

以上が外国人に教える場合の基本で、ほとんどのテキストがこれに準じています。これは多くの日本語ネイティブが使っているからですが、実際には
「行かされる」を「行かせられる
「読まされる」を「読ませられる
と言う日本人もいます。実際に使われていますから間違いではありません。

レッスンでは外国人用ルールで教えますが、活用の練習をしているとき生徒がうっかり「読ませられる」と言ったときは
私 う~ん、間違いじゃないけれど、教えたルールとはちょっと違いますね汗
とは言いますが、普通の話の流れで生徒が「読ませられる」と言ったときは注意しません。

先日、完全マスターの「日本語能力試験文法問題対策3級」で使役受身の項目を読んでいて、はっとしました。こちらでは、
行かせられる」「言わせられる」が基本
「行かされる」「言わされる」は例外
として扱われていました。

生徒が混乱するのは無理のない話です。私だって、いい加減こんがらがってるわけですから汗

「食べる」の可能形は、本来なら「食べられる」ですが、「食べれる」となる、ら抜きことばは最近市民権を得つつあり、私も受け入れるようにしています。

けれども
言わさせていただきます
行かさせていただきます
やらさせていただきます
などには抵抗があります。
これも、いつかは市民権を得ることになるのでしょうか…
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