今上陛下と歌会始
9月も、もう終わりに近づいています。季節の変わり目なので体調管理には気をつけたいものです。
ところで、皆さん「歌会始」の歌は詠まれましたか?今年のお題は「光」です。9月30日が締め切りです。急げばまだ間に合うかもしれません。詠んでいない方も挑戦されてみてはいかがでしょうか?
そこで、今回は歌会始に関するエピソードをご紹介したいと思います。『平成の皇室』の著者である渡邉允前侍従長は本書の中で次のように述べています。
毎年、歌会始のお題は陛下にお決めいただくのですが、最初に宮内庁のわれわれでつくる「歌会始委員会」で三つから五つぐらいの候補を決めて、それを選者の先生方が二つに絞り、それを式部官庁がお持ちして、陛下に決めていただくわけです。(中略)かつて「駅」という題の候補がありました。ところが、陛下は「沖縄には鉄道がないから駅がない。これでは沖縄の人は詠みにくいだろう」とおっしゃって、もう一つ別のお題をお選びになったことがあります。
『平成の皇室』(渡邉允/著)
今は沖縄にもモノレールの駅が出来たそうですが、当時沖縄に駅はなかったため、この題では「沖縄の人は詠みにくいだろう」とお考えになったようです。私は、この話を知り、国民の誰もが詠みやすい題を選ぼう心配りをされている天皇陛下のお姿に大変感動しました。
ちなみに、歌会始には毎年、国民から2万首もの歌が寄せられるそうです。それらの歌はそれぞれ県毎にまとめられた上で、全て陛下のお手元に届けられます。
毎年、優秀作品に選ばれるのは、ほんの僅かでしかありませんが、選ばれなかったとしても自分の歌を陛下に見てもらえると思うだけで、なんだか嬉しくなりますね。
今回ご紹介した『平成の皇室』(渡邉允/著)では、他にも侍従長だから知ることの出来た陛下のお姿を、著者が感動的に語っています。天皇陛下御即位20年のこの秋、是非とも読んで頂きたい一冊です。
/一茶
平成の皇室 渡邉 允/著
http://www.meiseisha.com/katarogu/heiseino/kousitu.htm
※ 歌会始とは?
宮中における年始の歌会の事。新年儀式の一つ。古くは毎年の定めではなかったが、明治2年(1869年)以後、毎年1月に行われ、天皇皇后両陛下がご臨席、国民の詠進歌のうち秀逸を選んで披講する。
歌会始の詠進要領(平成22年)







