12月25日0645、起床。

 
 
 
 
「白河院」、ホントにいい宿だなあ。次に京都に来るときもここだな。
 

この日はノープラン。10時のチェックアウトぎりぎりまでだらだらして、東福寺駅へ。

お昼は「TAITO」というお店。4年前に見つけた普通のご飯屋さん。

 
 
 ランチは700円だったかな。京都に住んでいたら通うね。というか、京都住みたいと思いました。東京在住約20年。そろそろ飽きてきたかな。

前日に行きそびれた蓮華王院(三十三間堂)。
 
 
 トイレ脇にはこんな飾りが。
 
さすがは世界遺産。まさに神仏習合。

 

三十三間堂、この調子だと中の千手観音はサンタのコスプレ仕様かと思ったが、もちろんそんなことはない。が、真っ赤なコートで埋まったら壮観だろうとちょっと想像してしまった。

それにしても、1000体の千手観音、前列と後列では不公平感がないか。前列の観音は1266年の再建後は750年間にわたってつねに参拝客の視線にさらされ、息つく暇もないだろう。が、後列はどうか。腕が40本もあるのだから、一本くらいは鼻ほじるのに利用しているかもしれない。

三十三間堂は音楽的だ。1000体の千手観音が後ろにずらりと並び、最前列には風神・雷神と個性豊かな二十八部衆がリズミカルに現れる。音にならない音楽が、耳に聞こえてくるようだ。そして、真ん中には7メートルを超える巨大千手観音。そこにあることはわかっているのに視界に入ると思わず声を上げてしまう。

ついで六道珍皇寺。
 

かつて火葬場のあった鳥辺山に向かう六道の辻にあり、あの世とこの世の境界とされる。平安の鬼才・「野狂」こと小野篁はこの寺の井戸から夜毎に冥界に通ったという。
 
この「閻魔堂」をのぞき穴からのぞくと、大きな篁の像と、小さな閻魔の像が仲良く並んでいる。

さらに北上し、「紅ゆき」というコーヒーラウンジ。
 
玄関の引き戸を開けるとこんな感じ。
 
いかがですか、この入りづらさ。
勇気を持ってさらに戸を開ける。
 
店の奥には小さなお庭も。
 

 
夜は「夜の店」になるみたいです。

言うまでもないが、京都は「道の町」である。
 
 
 
ただ歩くだけでもいろいろと発見があり、楽しい。

職場の土産を購入するため、「松寿軒」という和菓子屋へ。

 
偶然にも、前日に訪れた「ヴィオロン」と同じ松原通にある。

ここは基本的に予約制のお店なのだが、最中は予約なしでも大丈夫。

 
作り置きではなく、その場で作る。待ち時間には最中とお茶と、そして奥さんとの会話のサービス。奥さんは、ここにお嫁さんに来る際に、「うちは正月も休めないよ」と旦那さんに言われたそうだ。私の実家も以前は魚屋で、今は割烹なのですが、やはりそうですよ。飲食関係の商売はそんなものですよね、ともりあがる。またぜひきてくださいねと言われ、もちろんです、と社交辞令ではなく答える。

慈照寺銀閣は中学の修学旅行以来。
 
あの時はぜんぜん気がつかなかったが、ここはお庭がとにかくすばらしい。
 
 
 
 
 
そりゃこんなところに暮らしていたら、「まつりごとよりも文化だ」って気分になるよね。
 

 
僕は今まで後白河院や源実朝を敬愛しても、足利義政にはあまり興味を持たなかった。でも今回23年ぶりに慈照寺を訪れてみて、義政にも敬意を抱くようになった。

旅の最後は京都のベトナム料理店「コムゴン」。
 
ベトナム料理なんて、ちゃんと食べるのこれが初めてだな。

なんでここを訪れようかと思ったかというと、以前私がツイッターでフォローしていた方が、この店はすばらしいとつぶやいていたから。2014年は年初来京都に行くことに決めていたので、この情報を私が見逃すはずがなかった。

人気店なので、予約なしで入れるかどうか心配だったが、時間制限つきでなんとか入れた。制限といっても2時間ほどあったので、一人の私は十分すぎるほどだったが。私の後にやはり予約なしに入ってきたヒスパニックと思しき男性二人連れも、やはり時間制限つきで席に座れていた。

 

まずはハス茶でのどを潤し、お店を教えてくださった方が絶賛していた「チャーカーラボン(スズキの切り身と葱の小鍋炒め)」と、何かご飯ものをと思い、「コムガー(スパイシーチキンのっけご飯)」を注文した。

 


 
 
「チャーカーラボン」、ビーフンがついているのか。米が被っちゃいましたね。

どちらも見た目がカラフルで、しかし意外とあっさり感がある。これはやはりベトナムの熱帯気候が影響しているのだろう。さまざまな種類の植物があり、彩りは自然と鮮やかになるが、暑いのにあまりくどいものはちょっとね。どちらもとても旨い。「チャーカーラボン」は炒める側(つまりは私)にもっと技術があれば、炒め具合でいろいろとより楽しめると思う。

デザートに「バインフラン」というカスタードプリンと、「カフェノン」というベトナム風コーヒー。
 
 

これらはこの地を植民地支配していたフランスの影響かな。このコーヒー、いいな。巧く言えないんだけど、やっぱりどこかアジア的な味がする。今まで飲んできたコーヒーとは、風味がだいぶ違いますね。これは良かった。

とても良い店に行けました。弥子さん、ありがとうございました。

 
京都駅、実は京都の玄関としては隣の東福寺駅を利用することが多いので、きちんと訪れるのは初めてか。
 
 
ずいぶん立派な駅舎なのね。
2000、普通列車で名古屋へ。途中、米原付近では雪がちついていた。

 
それにしても、イエスという人は幸せな人だ。彼が生まれ、処刑されて2000年程が経つが、それでも世界中のたくさんの人びとが彼の誕生を祝福している。

これまで、彼の名を借りた蛮行も数知れず起きてきたが、彼の教えに救いを得る人もまた、これまで同様これからも増え続けるだろう。

私も、彼が生まれてくれたことに感謝したい。

今回の旅も筋肉と内臓を酷使する過密スケジュールで、充電したのか漏電したのか良くわからなかったが、ともかくも、出会いに満ちて楽しいものであった。

名古屋から夜行バスに乗り、26日0610東京駅着。家に戻り、仮眠して1315には三鷹に出社した。

私の旅の終わりはいつになるのやら。