>厚労省は1日の中医協総会で、7対1入院基本料に看護必要度を導入することで、

>現在の算定病院の2割が算定できなくなるとの見通しを明らかにした。




…国の基準を満たしていても、


2年後には叩き落される、


という事です。





7対1看護とは


患者さん7人に対して平均して常時1人の


看護師が付き、


10対1看護は


患者さん10人に対して1名平均の看護師さんがつく、


という事です。






看護師さんが一杯いる方がいい看護が出来る、


ということで


7対1になっている病院には加算しましょう、


というシステムが


2006年から開始されました。







でも、看護師さんは有資格者。


無限にいるわけではありません。





多くの病院でも「看護師募集」を


かけていたのですが、


”7対1にすると入院料金加算がある!!”


と決まったとたん、


大病院の”看護師の争奪戦”が


始まりました。





一番象徴的なのは”東大付属病院”。


看護師を全国からかき集めて


7対1看護にしました。


その結果、新人があふれ、


病棟によっては4割の看護師さんが


新卒になっています(1)。




東京の有名病院が秋田まで


看護師さんの”青田刈り”

をおこない(2)、


結果として地方での看護師さんの


人数が大幅に不足してしまいました。






そこで、


2008年からは


7対1看護は、人数だけいてもダメ、


ということになり、


最初に示したように、


>現在の算定病院の2割が算定できなくなるとの見通しを明らかにした。


今、7対1を適応している病院の


約20%を、より安い10対1に再度落とす、


という事です…。





2年ごとに大きく収入体制が変わり、


看護師さんを集めたかと思えば


今度は首を切らなくてはならなくなり、


”猫の目行政”で


病院は疲弊しています。




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10対1入院基本料を引き上げ 中医協総会 看護師不足の緩和が狙い 激変緩和措置も

Japan Medicine 2008.2.4

http://www.japan-medicine.com/news/news2.html

 厚生労働省は1日、中医協総会(会長=土田武史・早稲田大商学部教授)に、次期診療報酬改定で「10対1入院基本料」を引き上げる方針を示した。「7対1」創設に伴う看護師不足を緩和するため。ただ、これまで中医協でほとんど議論されていないほか、新基準で7対1から10対1に滑り落ちる病院に対しては激変緩和措置も併せて講じるため、支払い側委員は「唐突だ」と反発。結論は次回に持ち越した。

 引き上げの対象となるのは、一般、結核、精神の各病棟と、特定機能病院、専門病院、障害者施設などで算定する10対1入院基本料。一般病棟では現在、7対1が1555点、10対1が1269点と、286点の差がある。

 保険局医療課の原徳壽課長は、10対1病院が地域の急性期医療を担っている現状などを説明した上で、「7対1と10対1の格差が大きいため、不要な看護師集めを招いた」と今回の引き上げに理解を求めた。

● 支払い側は反発

 また、次期改定で新たに導入される7対1の看護必要度基準を満たせず、10対1の算定を余儀なくされる病院に対し、2010年3月末まで看護補助加算を認める激変緩和措置もこれまでの方針どおり設ける考えを示した。

 しかし、支払い側の対馬忠明委員(健保連専務理事)は「10対1の基本料の引き上げはほとんど議論されていない。唐突感があって問題」と受け入れに難色を示した。

 小島茂委員(連合総合政策局長)も「10対1を全体で引き上げるのなら、激変緩和措置もセットで議論するべきだ」などと議論の整理を求めた。松浦稔明委員(香川県坂出市長)は、病院機能にかかわらず一律に10対1を引き上げることには反対した。

 これに対し、診療側の邉見公雄委員(全国公私病院連盟副会長)は「地域で実際に救急医療を担っている病院は7対1が取れていない。これでは地域医療は崩壊する。ぜひ認めてほしい」と訴え、懸案となっている勤務医対策の一環と受け止めるよう要望した。西澤寛俊委員(全日本病院協会長)も「これは7対1の問題。10対1を上げると7対1を取得する医療機関に抑制がかかる」と利点を強調した。

● 再診料上げの議論とは別

 次期改定では、診療所の再診料を据え置く一方、病院(200床未満)の再診料を引き上げる方針が決まっている。

 このため対馬委員は、10対1を算定する中小病院向けの財源はすでに確保されていると主張したが、原課長は「病院の再診料の話は勤務医対策とは別。病院と診療所の格差是正を図るため」と切り離した対応が必要と説明した。

● 7対1看護必要度で2割が脱落

 厚労省は1日の中医協総会で、7対1入院基本料に看護必要度を導入することで、現在の算定病院の2割が算定できなくなるとの見通しを明らかにした。10対1へ「脱落」した病院は、2年間は看護補助加算を算定できる。

 一方、「入院患者に対して1割以上」かつ「医療法標準を満たしている病院」という医師配置要件については診療側から反対意見もあったが、厚労省は「急性期医療を提供する最低限の基準」として譲らなかった。

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10対1看護の診療報酬引き上げ自体は


いいことだと思います。


看護師集めをして、


やっとの思いで7対1看護基準を


クリアして、気付いたら7対1から外れていた…


そんなばかな政策を取っている限り


病院は政府のことを信じられなくなってくるでしょう。





どんどん病院はつぶれいています。


そして、その料金体制は


すべて(自由診療をのぞきますが)


国が決めているのです。






4月に施行される2008年診療報酬改訂。


2月に入ってから出てきた


新たな10対1看護引き上げ。


2年間で大幅な改訂を行う7対1看護。




どれも、


出たとこ勝負で、


行き当たりばったり。


そんな医療行政によって


現場の医療は崩壊しつつあります。









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(1)
東大病院 4割新卒 「新人看護師が多数進出 大学病院、報酬改定で」

http://ameblo.jp/med/entry-10031325275.html

(2)

過熱する看護師争奪戦 新制度で空前「売り手市場」 /秋田

http://ameblo.jp/med/entry-10020843394.html