【レビュー】桃太郎電鉄タッグマッチ 友情・努力・勝利の巻! | 旧・鋼鉄親子でゲーム漬け!

【レビュー】桃太郎電鉄タッグマッチ 友情・努力・勝利の巻!

▼ほとんど移植▼

桃太郎電鉄タッグマッチ 友情・努力・勝利の巻!/ハドソン

さくまあきらの最新作!

桃太郎電鉄タッグマッチ 友情・努力・勝利の巻!」が発売されたぞ!

「さくまあきらの最新作」っていう表現方法は正しいのかな?

最近だと、さくまあきらさんは桃太郎電鉄しか作ってないし・・・

細かいことは気にするなよ。

今作は、桃鉄としては初のPSPでの発売だぜ!

今まで、あらゆるハードで発売されてたのに、PSPでは発売されてなかったんだよね。

PSPにハードを移したことで、新たにタッグマッチモードが搭載されたぞ!

それに、このゲームならではの「ツルギボンビー」という、新たなボンビーも用意された!

早速プレイしてみようよ。

久しぶりの桃鉄・・・楽しみだなぁ!

   ・ 

   ・

   ・

あああ!!

僕がコツコツ貯めた10億円・・・全部奪われたぁ!

すまねぇな!

俺も金が必要だから!

こうなったら、僕についてるボンビーを親父になすり付けて・・・

無理無理。

俺とお前・・・結構距離が開いてるし、もしお前が近づいてくるようなことがあったら、”ぶっ飛びカード”でワープするから!

・・・使わずにとっておいた、この”のぞみカード”を使えば・・・

いやいやいやいや。

まてまて。

もう一度考え直せ。な?

仲良くプレイしようぜ。

あ”~~~!!

なすりつけられて・・・しかも遠くに・・・

あ”~~~!!

ボンビーがキングボンビーに進化した!!

ほら。

罰があたった。

鋼鉄親子でゲーム漬け!

どんどん金と物件が、湯水のごとく捨てられていく・・・

このまま、僕の勝ちかな?

確かに、このままだとお前の勝ちだ・・・

だったらギャンブラーとして、一か八か”ぶっ飛びカード”で目的地にホールインワンを目指してやる!

や・・・やめときなって・・・

それは死亡フラグ・・・

あ”~~~!そっちじゃない!そっちの方向じゃない!

・・・って、サイパン!?

・・・サイパン入り、おめでとうございます。

   ・

   ・

   ・


・・・ゲームは勝ったけど・・・

なんだろう・・・この空気。

・・・そういえばこのゲーム。

こういう風にして、イヤーな空気になりながら終わっていくゲームだったな。


友達とやると、マヂ喧嘩


携帯版などを含めると、もはや何作目になるのか数えきれない、ゲーム史上もっとも多いシリーズ作品を抱える”桃太郎電鉄”シリーズの最新作「桃太郎電鉄タッグマッチ 友情・努力・勝利の巻!」。

今作は、シリーズ初となるPSPで発売される。

基本のルールは、目標年数までに、あらゆる手段を使ってお金を稼ぐこと。お金を稼ぐために、ユーザー同士妨害し合ったり協力し合ったりして、ランダムで決められた目的地を目指すボードゲーム

ストーリーは存在しない

しかし、キャラクターにはしっかりした設定が用意されている。キャラクターは固定的で魅力にあふれ、1回のプレイに一度しか出てこないようなキャラクターでも、強烈なインパクトを受ける。


グラフィックは悪い

グラフィックは描き下ろしのものは殆んどなく、過去作品の移植が多くみられる。それに関しては直接的な問題はないのだが、なによりも問題なのはその移植のレベルの低さである。

今作は、ドットが潰れたり滲んだりしているのはよくあること。グラフィック面で一番驚いたのは、キングボンビーの出現時。ただグラフィックを拡大表示しているだけなので、物凄く汚いグラフィックが表示されるということ。

キングボンビーというのは、このゲームにおいて最もインパクトが強い要素であるため、キングボンビーの顔が表示されるとユーザーは絶望を味わうことになる。しかし、今回のグラフィックを見てしまうと「なんでこんなに画像が粗いのか?」という疑問が湧きおこる。

マップは3Dっぽく見せかけて、実は2D

キャラクターは、全てトゥーンレンダリングで表示されるが、輪郭線ポリゴンが不十分な出来栄えで、その完成度が極めて低い。

グラフィック面では、悪い点ばかりが目立ち、なかなか良い点が見つからない。

しかしDS版と比べると、遥かに美しいグラフィックであるため、DS版のグラフィックになれている人が見ると、綺麗に感じるはず。


音楽は耳に残るがクドくなく、耳障りがよく表情豊か

非常に完成度の高い音楽だが、そのほとんどが過去作品の使いまわし。新しく描き下ろされた曲はおそらくゼロである。

逆に効果音はチープで、10年前のクオリティ。粗さが残る。


操作性はあまり良くない

何よりもレスポンスが悪い

ボタンを押しても反応性が悪く、若干時間をおいての反応となる。

メニュー周りのボタン配置も、お世辞には良いとは言いにくい。

なにより、この操作性において悪い点は、処理落ちである。

ボードゲームなのにもかかわらず処理落ちする。特に大阪や九州あたりに入ると、なぜか処理落ちしだすのだが、場所にかかわらず突然処理落ちしだすことも多い。処理落ちすると、操作性が悪くなるだけではなく、ルーレットが見切れてしまうため、ゲームに直接影響を及ぼしてしまう。これはかなりのマイナス印象を受けた。

ロード時間が短いのは好印象を受けた。

やはりカートリッチタイプのDS版とまではいかないものの、ロード時間は短い。短いロードがこまめに分かれて入っている感覚。

正直、完全にマンネリ化しているため、オリジナリティは高くない

”桃太郎電鉄”は、強烈なインパクトのあるキャラクターと、他の追随を許さぬ独特なゲーム性を持ったゲーム・・・と言われたのは20年前の話。

核となるゲーム性はそれから殆んど変っていないため、正直目新しさはゼロ

新たに登場した”ツルギボンビー”は他のインパクトの強いぼんびー達に比べ存在感に欠け、今回の目玉となる2対2に分かれて戦うタッグマッチモードは、企画段階でのブラッシュアップ不足。

分かれて戦うという考えは良いのだが、2対2に分かれて戦うと潰す相手が1組に絞られ、お互い全力で相手チームを潰しにかかるので、ゲーム性に乏しい。このゲームは4人で戦った時に、どの人をハメルか?どの人と組むか?そしていつ裏切るか?という人間関係が楽しいだけに、敵が分かってしまう関係になると極端につまらなくなる。2人でUNOはリバースを使っても、ドローを使っても、スキップを使っても、全く盛り上がらない。それと同じ感覚。

このゲームにおいて、一番残念だったのは増資ができない点。

DS版から、なぜか取り除かれた”増資”機能であるが、今作も搭載されていない。

増資ができないと、沢山持っているお金を物件を買うことにしか使うことができず、増資の楽しさを知るファンにとっては悲しい仕様変更となった。


満足度はあまり高くはない

なによりも、ハード選択とゲーム内容、そして価格の3つの面から間違っていた。

このゲームはボードゲームであるため、多人数プレイをしてナンボ。しかしPSPというハード上。ゲームを人数分買わなければならない。しかしそれにおける最大の問題は価格。5040円というフルプライスのゲームを、人数分そろえる厳しい。

そのための救済措置なのかは分からないが、このゲームには1台を使いまわして多人数プレイをするという機能が搭載されている。

しかし、この機能を使うとプレイ中、画面の小さいPSPでは他のプレイヤーは画面を見るとができないため、操作しているプレイヤーがどんなカードを使ったのか、どんな物件を買ったのか見ることができない。

すると、結局のところ据え置き機で遊ぶのが経済的にも、面白さ的にも良い・・・という結論に収束してしまう。

まず企画段階で間違っている今作。PSPというハードを、技術的にも企画的にも使いこなせていない

5040円という内容にしては高めの値段設定も、いっそう購入意欲に歯止めをかけさせてしまっている。

しかし、ここまで続くシリーズ作品。さすがといってもいいほど、ゲームバランスはしっかりしていて、内容も濃い

特に、ところどころで聞かれる地理や歴史の教養問題が、ゲームをしていて勉強になる。しかも勉強をしていると感じさせない作りになっているところがさすがである。脳を鍛える・・・とうたっている変なソフトよりもよっぽど脳トレ。

小学校5、6年生にはぜひともプレイしてもらいたい桃太郎電鉄ではあるが、どうせプレイするなら、今作でなくても他のシリーズで良いと思う。


評価                          .


ストーリー:≪2≫

グラフィック:≪5≫

音楽:≪7≫

操作性:≪6≫

オリジナリティ:≪4≫

満足度:≪4≫

+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

総合:≪5≫



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