おひさしぶりです、そして「拝金」
おお、久しぶりのブロゴスフィアだ、やっほー。
Twitterに嵌ってしまい、今日まで浦島太郎になっていました。
今日はTwitterの公式メンテだそうで、つぶやけません。ということで久しぶりにブログに帰ってまいりました。
一時は創作の敵と言った肉団子ですが、だんだん慣れてくると140文字でも結構内容のあるつぶやきができるので重宝しています。管理人のフィルタリングが上手いのか、エロスパムもほとんどないし(日本語のわかるスタッフでもいるのだろうか?)、このままブログやめちゃおうかしらん、とすら思うことも...。
とはいえ、ブログはブログで長所もあり、Twitterだけに頼るのはある意味リスクを負うことでもあります。これからも不定期にぶらぶらとつぶやくように続けていきたいと思います。
さて、堀江貴文ことホリエモン氏の新刊「拝金」を先日読了したのでそのお話を。
表紙を見るとまるでホリエモンとひろゆきが二人して立ってこちらを見上げているような素描風の表紙絵が描かれており、なんとなく脱力な感じ。書店で手にとったとき、チープな装丁は中身の質もそれなりではないかと嫌な予感がしました。
多少ネタバレを交えますので未読の方はここから下はご注意を。
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$
さて、本編は、ホリエモン自身をモデルにしたとおぼしき青年に、謎の中年男「おっちゃん」が声をかけるところで始まります。まるでシンデレラストーリーのように、おっちゃんがパトロンとなって投資し、ありえないほど磐石な資金支援のおかげをもって主人公はとんとん拍子に事業を成功させていきます。
ただその事業というのがポストペットやGreeをそのままモデルにしたようなチープな設定で、ちょっとガックリしてしまいます。しかし、筆者が現在係争中のライブドア事件をモデルとした部分、特に日枝久会長をモデルとした敵方の総帥との交渉場面などは、筆者が見たものをそのまま描いたとおぼしき緻密さと迫力をもっていて、面白く読めました。他の部分もこのレベルの緻密さで描かれていれば良かったのですが、担当者ももっと文芸作品としての完成度を高めるように堀江氏を叱咤激励するべきでしたね。
その一方で、アイドル歌手やモデル達と遊ぶ"濡れ場"は妙に荒削りで、言ってみれば横山光輝氏の初期作品の女性の胸のような書き方と申しましょうか...セクシーとはとても言いがたい。同様に、セレブになった主人公の食べるものも、グルメを感じさせない。堀江氏の興味の対象は美姫とのとろけるような一時や、同量の黄金と同じ価値を持つ料理の一匙にあるのではなく、その向こうにある成功という二文字を確認する記号のようなものだったのかもしれません。
意地悪な見方をすれば、遊び人なんて言われていたけれど自分は女色やグルメにおぼれていたわけじゃないよ、真面目に仕事をしていたんだ、という言い訳をしているようにも思えます。
「文学」として読もうとすると失望しますが、ところどころに見え隠れする人間堀江貴文の人格を垣間見させる記述を宝探しのようにさがすゲームブックとして読みすすめるのであれば、面白い読み物だと思います。
荒削りの下書きのような原稿をそのまま出版したのも、あえて作者の人格を浮きだたせようとした編集者の企みだったのかもしれません。
最後に、これを読む社長業志願の方にひとことふたこと。
ひとつは、本の内容をうのみにして、技術者のヘンタイ良い子君は睨みつけるだけで支配できるなどと思わないように。この辺りはむしろカーネギー辺りを読んで、正しい方法を学んでほしいです。自分の持たない技能を持った人には三顧の礼でもってのぞむのが正しい態度です。
ふたつめ。「おっちゃん」は現実にいます。しかし、気前のいい投資家だと気を許していたら、いつしか広島弁や河内弁のヤクザな人たちが社内を闊歩しはじめるでしょう。犯罪の片棒をかつがされて刑務所行きになったり、身ぐるみはがれたり、命までとられることもあります。「おっちゃん」には要注意ですよ。
Twitterに嵌ってしまい、今日まで浦島太郎になっていました。
今日はTwitterの公式メンテだそうで、つぶやけません。ということで久しぶりにブログに帰ってまいりました。
一時は創作の敵と言った肉団子ですが、だんだん慣れてくると140文字でも結構内容のあるつぶやきができるので重宝しています。管理人のフィルタリングが上手いのか、エロスパムもほとんどないし(日本語のわかるスタッフでもいるのだろうか?)、このままブログやめちゃおうかしらん、とすら思うことも...。
とはいえ、ブログはブログで長所もあり、Twitterだけに頼るのはある意味リスクを負うことでもあります。これからも不定期にぶらぶらとつぶやくように続けていきたいと思います。
さて、堀江貴文ことホリエモン氏の新刊「拝金」を先日読了したのでそのお話を。
表紙を見るとまるでホリエモンとひろゆきが二人して立ってこちらを見上げているような素描風の表紙絵が描かれており、なんとなく脱力な感じ。書店で手にとったとき、チープな装丁は中身の質もそれなりではないかと嫌な予感がしました。
多少ネタバレを交えますので未読の方はここから下はご注意を。
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$
さて、本編は、ホリエモン自身をモデルにしたとおぼしき青年に、謎の中年男「おっちゃん」が声をかけるところで始まります。まるでシンデレラストーリーのように、おっちゃんがパトロンとなって投資し、ありえないほど磐石な資金支援のおかげをもって主人公はとんとん拍子に事業を成功させていきます。
ただその事業というのがポストペットやGreeをそのままモデルにしたようなチープな設定で、ちょっとガックリしてしまいます。しかし、筆者が現在係争中のライブドア事件をモデルとした部分、特に日枝久会長をモデルとした敵方の総帥との交渉場面などは、筆者が見たものをそのまま描いたとおぼしき緻密さと迫力をもっていて、面白く読めました。他の部分もこのレベルの緻密さで描かれていれば良かったのですが、担当者ももっと文芸作品としての完成度を高めるように堀江氏を叱咤激励するべきでしたね。
その一方で、アイドル歌手やモデル達と遊ぶ"濡れ場"は妙に荒削りで、言ってみれば横山光輝氏の初期作品の女性の胸のような書き方と申しましょうか...セクシーとはとても言いがたい。同様に、セレブになった主人公の食べるものも、グルメを感じさせない。堀江氏の興味の対象は美姫とのとろけるような一時や、同量の黄金と同じ価値を持つ料理の一匙にあるのではなく、その向こうにある成功という二文字を確認する記号のようなものだったのかもしれません。
意地悪な見方をすれば、遊び人なんて言われていたけれど自分は女色やグルメにおぼれていたわけじゃないよ、真面目に仕事をしていたんだ、という言い訳をしているようにも思えます。
「文学」として読もうとすると失望しますが、ところどころに見え隠れする人間堀江貴文の人格を垣間見させる記述を宝探しのようにさがすゲームブックとして読みすすめるのであれば、面白い読み物だと思います。
荒削りの下書きのような原稿をそのまま出版したのも、あえて作者の人格を浮きだたせようとした編集者の企みだったのかもしれません。
最後に、これを読む社長業志願の方にひとことふたこと。
ひとつは、本の内容をうのみにして、技術者のヘンタイ良い子君は睨みつけるだけで支配できるなどと思わないように。この辺りはむしろカーネギー辺りを読んで、正しい方法を学んでほしいです。自分の持たない技能を持った人には三顧の礼でもってのぞむのが正しい態度です。
ふたつめ。「おっちゃん」は現実にいます。しかし、気前のいい投資家だと気を許していたら、いつしか広島弁や河内弁のヤクザな人たちが社内を闊歩しはじめるでしょう。犯罪の片棒をかつがされて刑務所行きになったり、身ぐるみはがれたり、命までとられることもあります。「おっちゃん」には要注意ですよ。