「お姉ちゃんと赤ちゃん」

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年が明けても、時が経っても。
樹木としてそこに生きるわたしのお姉ちゃん。

お姉ちゃん。わたしね、
あなたからのいのちのバトンを受け取って、生命の誕生の不思議を知ったよ。

それからね。
色んな痛みも知った。

夫と過ごす、出産までの最後の時間。
でも。つわりに始まり、安定期に入っても異常事態で要安静で入院になったり、その後は腰痛、足の激痛…色んな症状が出て身体が思うように動かず。

そんな中でも、本当はもっと夫と思い出づくりしたり、夫と赤ちゃんのことを楽しみに迎える準備したりしたかった。
二人で過ごす最後のクリスマス、お正月を楽しく過ごしたかった。

でも夫にやはりまた温度差を感じ、思いを伝えても上手く伝わらず、何度も悲しくなりました。

オシャレもちゃんと出来ず、歩くのにもひと苦労の体型で一人腹を立て、でも足腰の痛みもどんどん強くなり何も出来なくなる自分がむなしくて、涙が溢れました。

そんな時、病を抱えていた姉と自分が重なりました。

身体がむくんで、容姿が変わった姉。

わたしに言った言葉。
「一緒に出かけるのに、化粧も出来ずにごめんね」

母に言ったという言葉。
「病気でなく、出産で実家に帰ってきたかったな」

わたしが夫と二人の時間を楽しく過ごしたかったように、お姉ちゃんにもみんなと過ごす時間に夢があったよね。


お姉ちゃん、生きている時に叶えてあげられなくてごめんね。


そしてお腹の赤ちゃん。
いっぱい悲しい思いばかり伝えてしまってごめんね。
そして初めての出産で、不安が大きくなってばかりでごめんね。

こんなママだけど、どうか無事に、元気に生まれてきてね。

そしてたくさん、楽しい思い出つくっていこうね!

いのちのバトンから数ヶ月。
たくさんのことを教えてくれたお姉ちゃんと赤ちゃん。
きっとお姉ちゃんはもう、この子と会っていて、色んな話をしているのかもしれないね。

ねぇ、お姉ちゃん。
この子、やさしい子でしょ?
だってわたしがパパの事色々言うと足に激痛が走るんだよ。
“パパだって色々考えているんだよ”と、きっと仲裁に入ろうとしているんだよね。

ねぇ、お姉ちゃん。
この子、食いしん坊でしょ?
だってわたしがお腹すいている時、すっごい動くんだよ。
ちょっと奮発して良いお肉買った時も、すっごい動くんだよ。

ねぇねぇ…、お姉ちゃん。
わたし、ちゃんとママになれるかな?
そんな事言ってる場合でなく、しっかりしなくてはいけないのは分かってるんだけど。

わたしはあなたにとってこの先もずっとどうしようもない妹だから。

お姉ちゃん、どこかで見ていてくれないかな?

なんて、また都合の良い事を思ってしまうんだ。

そしてまた、そう思う事で心強くなれるんだ。








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