金沢工業大(石川県野々市町)と産業工作機器製造会社スギノマシン(富山県魚津市)は25日、カニの甲羅などから取れるキチンやキトサンを水と混ぜて、皮膚や骨を再生させるための土台になる生体材料を開発したと発表した。従来の有機溶媒を使ったものに比べ、安全性や薬の浸透性が高いという。
 生体材料は、皮膚、骨、軟骨などの土台として欠損部に付ける物質。中に細胞と細胞増殖剤を注入し、細胞の成長とともに分解されてなくなる。
 これまではキチンなどを酢酸やメタノールなどの有機溶媒に溶かす方法が主流だが、体内に有害な成分が残ることが懸念されている。また、注入する細胞の接着性や薬の浸透性が低く、治療のたびに生体材料をはがして薬を塗り、再び張り付けていた。
 同大が開発した生体材料では、水とキチンなどだけを使うため、安全性が高く安価。細胞の接着性は従来のものより5~6倍高い。浸透性もよく、生体材料を張った上から薬がぬれる。
 水と混ぜるには、キチンなどをナノレベルに粉砕する必要があり、同社が既存の機器を改良して、専用の粉砕器を製作した。
 今年2月に特許を申請しており、今後金沢医科大(同県内灘町)と協力して臨床データを収集。金沢工大バイオ・化学部の大澤敏教授は「最終目標はなくなった指の再生。まずは1、2年後をめどに皮膚材料から実用化したい」としている。 

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