交際中だった大出嘉之さん(当時41歳)をレンタカー内で練炭自殺に見せかけて殺害したとして逮捕された木嶋佳苗容疑者(35)が、結婚詐欺容疑で逮捕される09年9月までの約1年間、インターネットの結婚紹介サイトを通じ少なくとも50人以上の男性にメールを送っていたことが捜査関係者への取材で分かった。このころ木嶋容疑者はぜいたくな生活ぶりをエスカレートさせており、埼玉県警は「資金源」として利用できそうな男性を探していたとみている。【浅野翔太郎、町田結子、飼手勇介、西浦久雄】

 千葉県内の男性(46)は木嶋容疑者が逮捕される直前の昨年9月、結婚紹介サイトを通じて木嶋容疑者と知り合い、メール交換を始めた。木嶋容疑者は周囲に「吉川桜」という偽名を名乗り、菓子作りを趣味としていたが、男性によると、サイトでも「sakura sweets」というハンドルネームを使用していた。プロフィルには「気が合えば会いましょう」「電撃結婚もあるかも」などと記していた。

 捜査関係者によると、県警が押収した木嶋容疑者のパソコンの使用履歴などを調べたところ、ある結婚紹介サイトの男性会員にメールを頻繁に送っていた。多くのメールの文面には木嶋容疑者がほぼ毎日のように更新していたブログ「かなえキッチン」のアドレスが添付され、男性たちに料理が得意であることや「セレブぶり」をアピールしていたという。

 メールを送られた男性のうち、死亡した大出さんら約20人が木嶋容疑者に返信していた。県警が事情を聴いたところ「料理学校の学費を出してくれたら結婚できるなどと言われ、金をだまし取られた」「だまされそうになった」などの証言が集まった。5人が被害届を出したが「かかわり合いになりたくない」と届け出なかった人もいたという。

 このころ、木嶋容疑者は授業料月70万円の高級料理教室に通ったり、東京都豊島区にある家賃月22万円の高級マンションに転居するなどの生活をしていた。

 また県警がパソコンを押収した時点では、大出さんと交換したメールは削除されていたという。県警は木嶋容疑者が証拠隠滅を図った可能性があるとみている。

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