恋文

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年に1、2度会う地元の友人達の中に、Y娘がいる。
結婚して子供も生まれ、なんだかんだ言いながら、幸せそうに暮らしてる。

彼女が恐らく初めて正式にお付き合いした人に、私達はお会いすることが出来なかった。
病気で死んでしまったのだ。

20代の半ば辺りの健康だった体は、病気の進行がとても早くて、気付いた時には既に病院を出ることが出来なくなっていた。
本人に、彼の両親は病名を告げる事が出来なくて、でも治る見込みなんてなくて、結婚を前提にしていたY娘には教えてくれた。
待たなくて良いから、と。
彼は病名を知らないけれど、どんどん悪くなる体と明らかに弱っていく自分を見せられなくて、Y娘のお見舞いに、会わなくなっていった。
彼女は会いたくて、でも会ったら泣いてしまうに違いなくて、でも疲れていて、どうすることも出来なくなっていった。
結局会えたのかどうか…聞けなかった。
彼は死んでしまった。



今、Y娘が生きて笑って、新しい命と共に過ごしていてくれるのが、私達には本当に奇跡のようで嬉しい。
同時に、死んでしまった彼が彼女を拒絶した事を、当時は残酷だとも思っていたけれど、すごく優しくて深い意思が込めていてくれたのだと、考えるようになった。


最近よく聴いている曲に、そんな歌があり、聴くたびに彼女達を思い出して、泣きそうになる。
詩がストレートで。
自分の事ではないから、泣くわけには行かないと思うのに(泣く資格があるのは、Y娘や死んでしまった彼だと考えている)、それでも、泣いてしまう。
私の勝手な思い込みかも知れないのは分かっているのだけど。本当は、もっときれいごとでなかったかも知れないと分かっているのだけど。
けれど、この歌の気持ちだったと思っていたい。
とても良い歌なのだけど、Y娘には私からは聴かせたくないな…。

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いつまでも 僕という過去に縛られないで
素敵な人を見つけて しあわせになって欲しいんだ
それだけが僕の望みです
さあ 前を向いて
ずっと きれいでいて
ずっと きみらしくいて
約束だから

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