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文楽若手会に行ってました。
会は若手の勉強の場でありつつ、客の立場の自分としても、普段の公演で役の付く方々/主遣いがいかに鮮やかにその役らしく遣っているのか、太夫がいかに物語の芯を捉えて語っているのか、それをいかに三味線が支え或いは競っているのか、三業が質を引き上げあっているのか、…凄いものを見ているんだなと再認識する、良い場となりました。
どうしても、若手ばかりだと軽い気がしたのですよね。浅いというか、こじんまりしてるというか。
歳取れば良いって訳でもないですが、誰しも年齢を重ねれば、若い時よりも良い事も悪い事も蓄積するのだから、それが芸人の場合は、芸の表に出ない深いところで底を厚くしていっているのだろうな。と当たり前ながらも、若手を見る事で思いがけず中堅以上の方々の素晴らしさに思いを馳せてしまいました。
経験から来る自信も大きさを見せる一因でしょうね。

三味線は、清志郎さん(弁慶上使)団吾さん(忠臣蔵身売りの段)は本興行でもよくいろいろと弾かれてるし、今日もお手並みを拝見、と考えてたのだけど、勝手が違うのかやややり難そうでした。

そんな中で、新大夫さん喜一朗さんの勘平腹切の段や、簑紫郎さんの信夫などはかなり好きでした。道行初音旅の床も相当華があり、よかったです。
一つ気になり気に入らなかったのは信夫が死ぬ時の「切れにけり」のひとことが、あまりにも軽かった事。え?!と思わず見上げてしまいました。また床下だったので。
初春公演で聞いた時、あんなに簡単に、軽率に聞こえる感じだったっけ?今、どなたか名人級の方の語りが聞きたくてたまらなくなってます。


いろいろと勝手書いてますが、でも、若手会って良いな、と思う。
毎年毎回見て、この先がどうなっていくのか。
一緒に歳喰っていけるって、最高の楽しみ方の一つだと思います。

公演後に、大阪での恒例?!飲み会!久々に酒を味わいたくない程飲みました。気持ち悪い(=_=�6人で瓶ビール10本以上空けたしなあ…ゲームの罰でグラス一気を何度したか。
ゲーム弱いのです。

明けて今朝7時台の新幹線に乗り、コクーン昼へ。
1度目と同じように引きずり込まれて非常に疲れましたけど、前回より変化していました。
特に音のバランス。台詞と演技の間の取り方。ワンコの2度目の出方。(笑)
毎日演出家が見ているって、こういう事なんでしょう。まさに生き物。

巷では千秋楽の追加公演が恐ろしい争奪戦だったそうですが、参戦出来ず、今日で見納めて来ました。

ハードだったけど2日間楽しかったな。ありがとうございました。