2007-11-29

朝顔の釣鐘にカリヨンを想う

テーマ:我が家の家史
昨晩の最終便で大阪へ。

今朝は早くホテルを切り上げ、大阪駅から程近い中津にある南蛮文化館へ足を向けた。
目的はただひとつ、津山城天守閣に250年近くにわたって吊るされていた南蛮鐘、「朝顔の釣鐘」を見るためである。


期間を限って開館するため、突然に思い立っても中々拝見できるところではない。知人の教授から開館している旨の連絡を昨晩受け、大阪滞在をよいことに早速訪れることができた。よいタイミングだった。

門に入って入館料を支払い、入り口に差し掛かると朝顔の釣鐘は、「やぁ」とばかりに私を出迎えてくれた。


館の方が、立ち止まったまま中に入らない私に気づいて、
「どうしましたか?」
と声を掛けてくれるも、私の目的はここで済まされてしまっていたので
「いやあ、これを拝見したくて来たのです」
と返してみれば、ややとばかりに私と気づいてくださった。

 この鐘は森家先代実録に寄れば、津山城落成時に私の遠祖・森忠政が、細川忠興から寄贈されたものと記されている。今で言う「新築祝い」といわけだ。
細川忠興と森忠政は親交が深く、比較的早い時期から徳川家に臣従していたことが、大名家の公式系図集である寛政諸家譜などにも読み取ることができる。江戸時代においても、江戸の藩邸が向かい同士であったり、お互い茶会に招いたり招かれたりと、公私共に関係が多かった。そんな関係もあってだろうか、当時細川忠興が建てたばかりの小倉城を、忠政も津山城築城の参考にしたと伝えられている。


忠政は細川家から贈られたこの釣鐘を、天守閣の最上階に吊るし、毎日時刻毎に鳴らして城下に響かせていたようだ。鐘には細川家の家紋である九曜紋が鋳られている。
元禄10年に森家の後を引き継いだ越前松平家もこれを守り、なんと明治初年に天守閣が取り壊されるまで吊るされ続けていたという。

だがこの釣鐘、寺院にあるそれとは異なった形をしている。

「朝顔」という名が示すように、それは下広がりのベル型をしており、明らかに西洋の形式を取ったものである。
西洋の鐘といえば、ディズニーの「ノートルダムの鐘」(原題の邦訳語は放送禁止用語のため改題されている)で有名な教会のカリヨンや、ヒビが特徴的なアメリカの自由の鐘、そして、ロンドンのビッグベンのような時計塔の鐘などがある。そして、そのいずれもがこの鐘と同じ形をしている。
南蛮文化館では、この鐘を突かせていただける。度々鳴らせば近所様への迷惑となろうが、私も1打だけ鳴らさせていただいた。

「くわゎゎゎゎん・・・・・」

鳴らした後に感じたこと、それはカリヨンの音色だった。

カリヨンとは先述にもあるが、教会に建てられた鐘楼に23個またはそれ以上の鐘が吊るされ、コンソールと呼ばれるパイプオルガンの演奏台と似た鍵盤を操作することで演奏が可能な楽器のことである。鐘楼といっても、寺院のような1階建てのものではない。塔である。
15世紀の北フランスからベルギーに掛けての地方フランドル地方で生まれたとされている。偶然ながら、そこは私が先週末訪ねた地方であった。

細川家&キリスト教といえば、忠興夫人である細川ガラシャが連想される。
彼女が熱心なキリシタン信者であったことは知られているが、同時に日本を訪れた南蛮人との交流も深かったはずである。
南蛮形式の鐘を細川が作ったというのは、ガラシャの影響を真に受けているのではないかなと想像もできる。
これについては思うところがあるので、後日別項を設けて書いてみようと思う。

初代忠政公、2代長継公、3代長武公、4代長成公と、森家4代の歴代藩主が日常生活で聞いてきたのと同じ音色を耳にする。

今ここは鉄筋コンクリートに囲まれた建物の中ではあるが、城下をすべて見渡せる最も高台に築かれた木造建築物の最上階で響かせたこの音色は、城下全体に響き渡らせ、江戸時代のほぼ全期間を通して13人の藩主以下全藩士と、城下町に住むすべての人の生活リズムを刻んできたのであろうと察する。

ご丁寧なる対応をくださった館主の方と職員の方、そして開館を告げて下さった教授には感謝の言葉が見つからない状態である。


掲載の写真は南蛮文化館の許諾を得て撮影したものです。
理由の如何を問わず、転載を禁じます。
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