「はやどり学習5」 S塾の本当の実力
テーマ:高校受験中学の勉強でおちこぼれかけていたヨシオは本当に窮地に立たされていました。そんなとき、S塾という「解決策」を見つけてくれたのが妻でした。
こう書くと、ただ塾を見つけただけのように思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、実は、S塾には一般的な塾が行う「一斉授業」というカリキュラムと、それとは別に、「個別対応」というもうひとつの指導プログラムがあったのです。
それを妻は新聞折り込みのチラシやネットなどを検索して、「さきに進める授業ができるかも」とヨシオに勧めたのでした。妻は「個別対応」というその特異な指導システムに注目して、S塾を選んだのです。
現在、テルオが6年生の始めから通っているA塾は完全な「個別指導」の塾です。「個別指導」というのは、先生ひとりに対して、生徒が1人、もしくは2人で勉強を進めていくやり方をします。
「個別対応」というのは、「個別指導」とは異なり、「一斉授業」と並行して、個人別に指導を行う擬似的な「個別指導」です。そのため、先生の時間を完全には独占できませんが、その分、月謝が格段に安いというメリットがありました。
それと何より、近所に「個別指導」ができる塾がなかったも事実なのです。
この「個別対応」というシステムがしっかりしているのは、完全に個人個人のカリキュラムを作って対応することです。まず、個人別に一年間のラフな計画を作り、それに合わせて毎月の計画を立て、それに対する進捗を毎回レビューできるようになっていたのです。
そのため、ヨシオにしてほしかった「さきどり学習」が思い通りできたのでした。
さて、このS塾という名前を 新聞にチラシが入る前にヨシオは知っていました。卒業式の、つい数週間前、ヨシオたちと他の学年とでお別れ遠足があったのですが、そのときにいっしょになった5年生のお子さんがこのS塾の話をしていたというのです。
「S塾に行く前のボクは、ほんとに馬鹿やった」といっていたとのことです。
ヨシオも、その言葉がとても印象的だったので、塾の名前を覚えていたと言います。
その頃、まだ、別府になかったS塾の大分本校へ、そのお子さんは通っていたのでした。
実は1年後、このお子さんは設立されたばかりのK中学を受験し、見事合格します。しかも、噂によれば、1番で合格したとのことでした。
S塾とは、規模こそ決して大きくありませんが、そういう指導ができる実力ある塾なのです。
さて、それから4年、ヨシオは大分T高校の「特特進」クラスに通うようになりました。そして、そのお子さんはひとつ下のK中学の3年生として通っています。
不思議な話ですが、ふたりは模擬試験では、いつも同じ試験を受けるライバルなのでした。
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