アラブ系アメリカ人司令官

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FT.com 9月3日付購読者用記事 "Urgent action needed to avert looming oil wars"
http://www.ft.com/cms/s/5fa1408e-3b5e-11db-96c9-0000779e2340.html

6カ月前に John Abizaid が下院で証言したという。第6段落から引用する。

"General John Abizaid, commander of the US Central Command, told the House Appropriations Committee in March that American forces may need to stay in Iraq indefinitely because of the oil."

そうかい。「石油のため」と現場の指揮官も認めてるんだ。

また言質を取ったぞ。

全世界生産余力の減少/生産量ピークアウト産油国の増加/需要の増加、諸々について、その意味するところをアメリカ人はちゃんと考えてるってことだ。

Samuel Bodman も婉曲に「供給不足」を指摘しているし。

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Biofuels (27)

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今年の2月に biofuels index のニュースを見つけてから色々と関連する情報を漁ってきた。調べる過程で、biofuels だけでなく、エネルギー産業の一般論についても調べることとなり、また、タールサンド、風力など他のエネルギー源についても色々読むこととなった。

その過程で痛感したのは、以下の2点だ。

(1)石油の効率の高さ

少なくともこれまでは、石油はとても効率の優れたエネルギー源である。経済性、EROEI、エネルギー密度(註)、いずれにおいてもだ。同水準の効率の良さを維持しつつ別のエネルギー源で石油を代替するのは容易ではない。

(2)液体の扱い易さ

石油の長所のもう一つは、「常温で液体。少し条件を変えれば気体にできる」ということにある。

別の表現をするなら、「エネルギーの利用にあたっては、その貯蔵形態の利便性も大いに考慮に入れなければならない」ということだ。

液体燃料は気体や固体より扱い易さにおいて優れている。ガスのように拡散して短時間のうちに消えてなくなってしまうことも無ければ、固体のようにエンジンに投入するのに骨が折れることもなく、管を通して流し込むことができる。タンクへの出し入れも簡単だ。電気エネルギーのように勝手に放電することもないし、最悪の場合管から漏れたりするが、その漏れた液体燃料を再度すくって集めることすら或る程度できる。気体だとこうはいかない。

また簡単に気化できるので、「液体のまま燃料タンクに蓄えつつ、必要に応じて内燃機関やジェットエンジンの内部で気化させ爆発させる」芸当が簡単にできる。

代替エネルギー開発の将来は単純明快にバラ色なわけではないということがよくわかった。しかし、代替エネルギーに将来性が無いというわけでもないと思う。技術開発動向を追跡する価値はあると考えている。

ここでの Biofuels 連載は今回で終わりとしたい。6月21日から別のブログ<http://ameblo.jp/mattmicky1/ >を始めており、そちらで今後は追跡していく。

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註: 「同じ容積の空間にどれだけのエネルギー量(熱量)のエネルギー源を詰め込むことができるか、その密度」という意味。

ガソリンとエタノールを比較すると、ガソリンの方がエネルギー密度が高い。燃料タンクの容積とエンジンの熱効率が同じで、車体が同じ自動車なら、ガソリンの方が長い距離を走れる。逆に言うと、エタノールを利用すると給油回数が増える。

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Biofuels (26)

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バイオエタノールにせよ、バイオディーゼルにせよ、或いは他のバイオマス燃料(火力発電用木質チップや、堆肥を発酵させて生成したメタンガスなど)にせよ、一つ見過ごし勝ちなことがある。

技術開発は色々行われている。ネットのエネルギー収支(EROEI)を改善させるべく、色々な研究者が努力している。それはもちろん重要なことだ。

しかし、結構原始的な問題がある。

木の枝や、落ち葉や、作物の茎や、廃建材は、一箇所に固まって存在しているわけではない。広い場所に拡散して存在している。

それを集めてこなければならない。

巨大油田なら最初からエネルギー源が固まって存在している。EROEI が高いのは一つにはそのためだ。そして、いくつか油井を掘れば、がんがん油が噴き出してくる。

生物系の原料はそうはいかない。集めなければならない。そのためにエネルギーが要る。

今のところ、この問題を解決する研究開発については聞いたことがない。

例えばブラジルの場合、さとうきび園で過酷な肉体労働に従事する安い労働力が大量に手に入る。街でエタノールを使って車を走らせているブラジル人は、そういう「人間の肉体によるエネルギー」に依存しているわけだ。

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Biofuels (25)

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バイオディーゼルとは「メチルエステル」という物質を指すことが多いようだ。この物質はバイオディーゼルとして欧州では規格化されている。

基本的にこの物質は軽油にどのような割合で混ぜても良く、バイオエタノールのように腐蝕や内部での凍結などの問題を起こさないそうだ。

油脂とメタノールを混合し、水酸化カリウムなどの触媒と接触させるとメチルエステルを生成するらしい。

残念ながら今のところ matt がバイオディーゼルについて把握しているのはこの程度だ。EROEI についてもまだデータが見当たらない。

製造している企業に関する情報もほとんど入手できていない。

Biofuels (24)

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エタノールの話ばかり書いてきた。バイオディーゼルの話もしよう。

バイオディーゼルは天然モノの油脂から作る。原料は植物性油脂でも動物性油脂でも構わないが、普通は植物性油脂から作る。

原料作物は以下がよく取りざたされる。

・大豆(アメリカとブラジル)
・菜種(カナダ)

ほかにこういうのもある。

・パームやしの実(マレーシア)
・ひまわり

5月にマレーシアのアブドラ首相が訪日し小泉首相を官邸に訪問したが、その際「パーム油からのバイオディーゼル製造」が話題にのぼったらしい。

原料は上記に限らない。オリーブや椿の実でもいいし、胡麻や葡萄の種でも構わない。

Biofuels (23)

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主なバイオエタノール関連企業について書いておこう。


(1)「セルロース/酵素」系

日本ではあまり有名ではないが、こんな企業がある。

・Novozymes(デンマーク)
・Dansico の子会社 Genencor(デンマーク)
・Iogen(カナダ)
・Dyadic International(アメリカ)

Novozymes と Iogen は「酵素による加水分解」を経済的に実現する最有力候補企業と言われている。


Novozymes と Genencor は、アメリカ連邦エネルギー省から委託された研究開発プロジェクトに参加している。

また、三井造船がフィンランドのVTTという会社の技術を利用して、セルロースを酵素で分解してエタノールを製造する設備を岡山県に建設中だそうだ。


(2)「セルロース/酸・加熱」系

・月島機械
・BC International(アメリカ)
・日揮
・Arkenol(アメリカ)

游さんお薦めの月島機械と BC Int'l は提携関係にある。BC Int'l の加水分解技術を月島が導入している。また、日揮は Arknol の技術を使っているそうだ。

月島は「建築廃材」を利用してエタノールを国産する研究を進めている。また、単なるエタノール製造設備にとどまらず、「バイオリファイナリー」と呼ばれる生物系資源から様々な化学物質を製造する設備の建設を将来的に考えているようだ。日揮も同様のことを検討している模様だ。

"Biofuels (19)" に游さんが投稿されたコメントは、日揮と Arkenol に関するもの。3年後の2009年にカリフォルニア州で製造設備が稼動開始予定。

また、大阪府堺市で来年から廃建材を原料とする商業用バイオエタノール製造設備が稼動する予定になっている。こちらは、月島機械と BC International に関するもの。ただし、製造設備の所有者は別の5社が共同出資して設立した会社。


(3)「さとうきび」系

・アサヒビール

農林水産省が開発したさとうきびの新品種の栽培とそれからのエタノール製造実験を沖縄県で行っている。そに品種は面積当たりの茎の本数が従来品種の3倍になる。もっとも面積あたりの砂糖生産量が3倍になるのかどうかは確認していない。

さとうきびの搾り汁を「粗糖」と「廃糖蜜」に分離し、エタノール製造には「廃糖蜜」のみ充てる、という方針で研究している。これだと砂糖生産量を減らさずにエタノール生産量を増やせる、という触れ込みだが、単純にそう信じてよいのかどうか matt にはよく分からない。しかし、狙いは面白いと思う。

アサヒビールのさとうきび栽培は、2月に「ガイアの夜明け」で取り上げられたので、ごらんになった方もおられるかもしれない。

Biofuels (22)

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エタノールはハイテクでもなんでもない。にもかかわらず、代替エネルギーとして脚光を浴びている。

安価な石油供給の継続性に疑問符が付いているのが背景にあるが、素人考えで「それじゃあ、電気自動車とか水素自動車とか、水素燃料電池自動車とか、そういう選択肢はないのか?」と言いたくもなってくる。

結局、ガソリンが自動車の燃料として社会に広く行き渡っていることが背景にあるのだろう。

世界中、ガソリンスタンドだらけだ。

世界中、ガソリンを運ぶタンクローリーだらけだ。

世界中、ガソリンを運ぶタンク貨車が線路を走っている。

世界中、既にガソリンエンジンだらけとなっており、ガソリンエンジンは或る程度エタノールを受け付けることができる。

このように「炭化水素系液体燃料」を扱うインフラは、広く地球上に行き渡っている。「石油系燃料を代替する何か」をすぐに普及させたかったら、このインフラをそのまま利用できるのが一番安上がりだ。

もし、そのまま利用できないのなら、最小限の改造で利用に供することができるのが次善ということになる。

そうすると、エタノールは魅力的な代替物だ、ということになる。

EROEI が決して高くないにもかかわらず、アメリカでとうもろこしから製造するエタノールがブームを呼んでいるのも、これが原因だと思う。

Biofuels (21)

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消費側の話もしよう。

エタノールはガソリンよりエンジンのノッキングを起こしにくいという、優れている面もある。

しかし、以下3つの欠点がある。

(1)腐蝕性の液体であること。燃料タンクや給油パイプなどを腐蝕しやすい。エタノール濃度を上げるには、車体や給油設備に腐蝕対策を施す必要がある。

(2)水と混ざりやすい。水が混じっていると、寒冷地では給油パイプ中で水が凍る可能性がある。また、混じった水がエンジン内部等で金属を錆びさせる可能性もある。

(3)同じ体積のガソリンと比較すると熱量が少ないので、燃料タンクの容量とエンジンの出力・熱効率が同じなら航続距離が短くなる。

実用上は(1)が特に重要な点らしい。この欠点ゆえにエタノールはあまり使われなかった。

今のところ、日本の法律ではE3といって「エタノール3%+ガソリン97%」までしか許可されていない。読む資料によって異なるが、5%~10%の水準より低い濃度だと、腐食性を気にする必要がほとんど無いのだそうだ。

最近の報道によると、経済産業省は10%まで濃度を上げたE10を将来的に導入しようとしているようだ。

100%エタノールを使っているのはブラジルくらいのものだ。ガソリンとの混合物を使う国が多い。アメリカでは、まだ行って見てきたわけではないが、E10(ガソリン90%+エタノール10%)が今や日常的に使われる地域が出てきているようだ。E85(エタノール85%+ガソリン15%)の導入を推進しようとしている。

Biofuels (20)

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前回、「セルロースからエタノールを製造するプロセス」に存在する壁、について述べたが、「?」と思われた部分は無かったろうか?

最初に、植物体を「前処理」する、と書いた。この「前処理」の内容が何なのか、実は正確なところが matt には分かっていない。HPや書籍を色々とあたってみたが、はっきりと記載されていない。

探しているうちにヒントは見つけた。どうやら「植物体を細かく砕く」工程らしい、ということだ。まだ確定的なことは言えないが、不合理な推定とは言えないと思う。

例えば、間伐材を原料として投入するとしよう。

材木をそのまま加水分解用の反応容器に入れるのは好ましくない。酵素を使うにせよ、酸を使うにせよ、植物体がそれら薬品と接触する面積をできるだけ大きくするべきだ。その方が反応速度が速まる。

薬品との接触面積を大きくするには、材木を細かく砕かなければならない。

「木を細かく砕く」。なるほど。単純すぎる作業だ。技術的に難しいことは何もなさそうだ。

しかし、EROEI という観点を交えると、本当は無視すべきでないのかもしれない。「前処理」でどのくらいエネルギーを食うのかよく分からないが、消費エネルギーが少ないほうが望ましいに決まっている。

Biofuels (19)

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エタノールの原料としてセルロースが脚光を浴びているのは、農作物を原料として投入する必要が無いからだ。人間が食べないものを原料にできるし、セルロースを得るだけなら肥沃でない土地で肥料も農薬も与えられずに育った雑草や雑木林でも燃料源とできることになる。

しかし、セルロースからの生産には、今のところ壁がある。

セルロースからのエタノール製造過程は以下のようなものだ。

① 植物体を「前処理」する。

② 「前処理」した植物体を、化学的に分解して糖にする。

③ 糖を発酵・蒸留してエタノールを得る。

技術開発上の焦点となっているのは、②の工程だ。

この工程は「加水分解」と呼ばれる。酵素によって分解するプロセスと、酸(硫酸)を加えて加熱することにより分解するものと、2種類の方法がある。

どちらもまだ実用化段階まで達していないらしい。技術的にエタノールを製造できることは実証されている。しかし、少なくともこれまでは石油系燃料と対抗できるだけの経済性が得られていないらしい。

例えばさとうきびから作る場合なら、最初から蔗糖という「糖」が手に入っている。だから、上の①と②の工程が不要だ。セルロースから製造する場合は、最初から工程が多く、その分製造コストが上がる。

もっとも、6月20日の "Biofuels (17)"で紹介した2番目の記事によると、カリフォルニア州で日揮が建てるエタノール製造設備は廃木材を原料とすることを予定している。未確認なのであまり言えないが、ひょっとすると、採算性において何らかの進展があったのかもしれない。