Illegitimate?

NIKKEI NET 6月11日記事
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060611STXKA015111062006.html

「ザビエルの兄弟の子孫」とは書いていないし、「ザビエルの親戚の子孫」とも書いていない。

「ザビエルと血縁」あるいは「ザビエルの一族」という書き方でもない。

「ザビエルの子孫」と書いてある。

おいおい、ザビエルはイエズス会宣教師だから、カトリックの聖職者だろう? 少なくとも公式には子孫がいないはずだ。

聖職に就く前に子が生まれていたのか?

それとも、歴代の法王のように、子がいたのか?

AD

The Franco-German Axis (9)

Angela の初予算案が固まったそうだ。

FT.com 2月21日付記事 "German budget shies away from cuts"
http://news.ft.com/cms/s/3bb297b8-a2fc-11da-ba72-0000779e2340.html

Eurozone 共通の目標「対GDP比3%以下の財政赤字」はまたもや未達で、3.4%。

野党はいいとして、Bundesbank も予算案に批判的らしい。

「ドイツの中央銀行は、もし政府が経済成長を促進する政策にかける支出を控えめにすれば、今年3%以下に赤字を抑えるのは可能だ、と述べた」

というくだりがある。

ん? Bundesbank は景気を良くすることに反対なのか?

付加価値税率は予定通り16%⇒19%の増加。

AD

The Franco-German Axis (8)

Angela は連立協定を成立させることにとりあえず成功した。


FT.com 11月11日付記事 "German coalition parties reach budget accord"
http://news.ft.com/cms/s/76902744-52e1-11da-8d05-0000779e2340.html

FT.com 11月12日付記事 "Agreement on budget clears way for Merkel"
http://news.ft.com/cms/s/91e375d4-5320-11da-8d05-0000779e2340.html

[要旨]

① 2007年中に財政赤字を対GDP比3%以下に抑え込む(350億ユーロ以下にする)

② 2007年1月から付加価値税を増税(16%⇒19%)

③ 付加価値税増税分の3分の2を財政赤字削減に充当

④ 付加価値税増税分の3分の1を、労働者階層の所得税減税に充当

⑤ 高所得階層に対する所得税率の増加(3%上げ)

⑥ 雇用開始後の最初の2年間は、労働者を解雇しやすくする


⑤はCDUがSPDに、⑥はSPDがCDUに、それぞれ譲歩したものらしい。バーター取引だ。

なるほどね。こういうものなんだね。連立政権って。"Consensus model" と Ljiphart が呼ぶのも一理ある。

先週1週間は、それ以前に比べて、政党間の話し合いの内容が漏れにくくなり、憶測記事の量が減っていたと実感している。

こういう取引は、表沙汰にはしにくい。あからさまに見せたら、左右両勢力の「熱烈な支持者層」が反発してしまうだろう。

①はEUで前から言われている協約に基づく目標で、総論では誰も反対できないだろう。ECBはもちろん実行を迫ってくるし。

問題は、こういった目標に向けて各国政府が実行するにあたり、各国政府に対する汎欧州的強制力が存在しないことだ。ECBはただ勧告するにすぎない。

こういう制度では、「赤字を垂れ流した者が得をし、正直者が馬鹿を見る」ことになりかねない。

それに、まだ連立協定が成立しただけのことだ。11月22日に Merkel 内閣が発足しても、その後議会で立法化できるかどうかはまだ分からない。これからだ。

まだまだ観察を続けなければならない。

AD

The Franco-German Axis (7)

FT.com 11月3日付記事 "Merkel reassures business of her reform credentials"
http://news.ft.com/cms/s/1c0fbb60-4c90-11da-89df-0000779e2340.html

・SPD党首 Muntefering は党首の座を降りるが、Merkel 内閣に入閣(副首相兼社会労働大臣)するとのこと。

・CSU党首 Stoiber は Merkel 内閣に入閣しないとのこと。

・SPD次期党首は、候補と目された Nahles が辞退したとのこと。

というわけで、組閣が完了する前からすでに重要人物に異動がおこってしまったことになるし、連立を組む相手のSPD内部は流動的になっているらしい。

誰がどこでどういう利害のやり取りをしているのかまだよく分からない。連立協約が成立して組閣が完了するか、あるいは議会内少数派のCDUが単独で組閣するか、どちらかになると思うが、それが終わった後で「どういうやり取りがなされたか」少しづつ分かってくるだろうと思う。

可能性としては、まだ前者の方が高いと思う。

The Franco-German Axis (6)

FT.com 10月31日付記事 "Resignation weakens German coalition plan"
http://news.ft.com/cms/s/a94e9c90-4a46-11da-b8b1-0000779e2340.html

SPD党首 Franz Muntefering は次期連立内閣の社会保障大臣副首相&労働社会大臣と予定されていたが、突然党首辞任と次期入閣取りやめを発表した。

こういう突然の動きを見ると、Ljiphardt の説が信憑性を帯びて見えてくる。「比例代表制は密室政治による妥協プロセスを必要とする社会の産物」ということだ。

SPDとして譲歩したくない何かについての譲歩を Angela に要求されていたか? 何かあるのだろうが、外からは詳しくはまだ分からない。

それでもまだ、期限まで「あと12日も」ある。Euroland の権力者三名(※)の一を決める勝負は、まだまだこれからだ。

- - - - - - - - - - -

※ 実質二名なのかもしれないが。

The Franco-German Axis (5)

FT.com 10月30日記事 "Merkel to meet SPD in bid to break finance deadlock"
http://news.ft.com/cms/s/a61f81f2-4973-11da-8686-0000779e2340.html

「財政赤字削減の財源を何に求めるか」が、左右で異なると報じている。

SPD側は「法人税・個人所得税の減税措置の縮小・撤廃」をその方法論としている。CDU側は付加価値税の増税をしたがっていることは前述した。

SPD側は高所得者層と大企業に、CDU側は中低所得者層に、それぞれより大きく負担させようという考え方だと推測する。

11月12日までに3党で連立結成合意しないといけない、と報じている。制度上時間制限があるようだ。もし間に合わなかったらどうなるのだろうか? 選挙のやり直し? そこまで知識がまだ無いが、決裂すれすれで交渉するのであればなおのこと「密室政治」にならざるを得なさそうだ。

どちら側がどの政策でどれだけの譲歩が可能だと考えているのか...

The Franco-German Axis (4)

ベルギーで大規模スト。

FT.com 10月29日付記事
http://news.ft.com/cms/s/0176e912-4818-11da-a949-00000e2511c8.html

ここから読み取れることは、「大陸欧州の人々は、さっさと退職して年金生活できるのがよい、と考えているらしい」ことだと思う。(この記事のみならず、他の様々な読み物でも同様なことが読み取れると思う)

その調子であと何十年も年金と健康保険を給付し続けたら、社会が成り立たなくなると思うのだが。

それから、もう一つ読み取れるのは、「これから大陸欧州で、この種の大規模ストが頻発する可能性無きにしもあらず」ということ。

8月にはフランスでゼネストがすでに起こっている。日本での扱いは小さかったが。

今月はベルギー。

連立政権の政策提示内容次第では、ドイツだってどうなるかわからない。

少子高齢化が進行しているのは日本だけではない。欧州諸国はどこもそうだ。少子高齢化が進行するからこそ政府を小さくすることが重要になってくるのだが、既得権益擁護を主張する勢力が強ければ強いほど、政府を小さくする改革が遅れる。(※)

ひょっとしたら、「定年後が怖い」と思っている人が多数いることは、長い目で見ると幸運なのかもしれない。

- - - - - - - - -

※ 今のところ、年金制度改革が最も重要な焦点だと見ている。

The Franco-German Axis (3)

FT.com 10月28日付記事
http://news.ft.com/cms/s/28784818-474f-11da-b8e5-00000e2511c8.html

左右連立内閣の大前提として、「2007年中に350億ユーロ(4兆8千億円)の単年度財政赤字を大幅に削減し、GDP比3%以下に抑え込むこと」が挙げられているようだ。

EUから「2007年中に財政赤字をGDP比3%以下とするべし」と勧告されていることが背景らしい。もっとも、単一通貨の導入はこれを元から前提としていたわけだが。ドイツ人もちょっとは本腰入れようとし始めたということか。

具体的な対策として裏取引中なのが、

・付加価値税の増税(現行16%)
・「統合税」の導入(所得税・法人税の増税らしい)
・年金支給開始年齢の引き上げ(65歳⇒67歳)

付加価値税は日本の消費税と本質的に同じ性質の税金だ。すでに16%の税率なのだそうだ。

「統合税」は記事中で "Solidarity Tax" と表記されているのを和訳したもの。旧東独地域への補助金給付に当てる財源にするつもりらしい。

健康保険制度の改革(保険料上げ、或いは給付率の下げ)も俎上に上っているらしい。

CDUは付加価値税率を2%上げろと主張しているそうだ。

ここで書かれている通りの改革を Angela が公式に打ち出したら、その後どうなるか? 少し極端かもしれないが、ざっと想像をめぐらしてみると、

・労働者階級は猛反発? ⇒ 大規模スト?(フランス人は8月にやったぞ)
・大企業も反発? ⇒ 支出削減だけで財政再建を果たしてほしい?
・結果として連立崩壊?

まあ、ここまで即断するのはやめておこう。

とにかく、こういう「話し合い」の現場は表沙汰にはできないな。

The Franco-German Axis (2)

Angela が背景に持っている勢力はCDUおよびそこと中が良いCSU。前者は北ドイツに、後者は南ドイツに勢力基盤を置いているのだそうだ。

北はプロテスタント、南はカトリックを背景にしているのだろうと思う。どちらも政治的主張は保守派。キリスト教的価値観を重視し、経済面では規制緩和派、つまり資本家側、大企業側の立場、とまあこういうことらしい。

SPDは社会民主主義政党で、労働者寄りの立場。宗教的価値観はあまり重視していないらしい。経済面では労働者保護を目的とする数々の政策を過去に導入しているようだ(時短や手厚い社会保障など)。

この両者がほぼ勢力均衡(僅かにCDU+CSUが優位らしいが、議会で多数派を占めているわけではない)し、連立政権を組もうというわけだ。

これだけ思想・哲学が異なると、ものすごい妥協が要るだろう。

焦点は例えば以下のようなことだろう。

① 解雇を容易にするかどうか

② 税制を簡素化し、高所得者層と企業を相対的に優遇するかどうか

③ 公社などの官業を民営化を進展させるかどうか

④ トルコのEU加盟に賛成するか反対するか

類似の争点は日本でも見られる。①~③については少しずつ規制緩和側=大企業・資本化優遇側へと日本社会は進みつつあると思う。

④は日本ではドイツほど明確ではないと思う。外国人労働者は日本でも結構増えたが、ドイツのようにトルコという特定の国から来た人とその子孫が人口の10%近くに達しておりドイツ国籍保有者も大勢いる、という状態ではない。この点ドイツでの事態は深刻だろう。

まともに主張をぶつけ合うと、両派は合意に達しなくなってしまう。もちろん連立政権の形成もできない。今後のドイツ政局がどうなるか、気楽な言い方だが「見もの」だ。

もちろん、FXトレーダーとしての matt にとっても「見もの」だ。Euro の価値に影響し得る。

The Franco-German Axis (1)

Angela が組閣しようとする様子をFTが報じている。

10月17日 "Merkel crosses boundary in search for compromise"
http://news.ft.com/cms/s/a13d7b62-3f32-11da-932f-00000e2511c8.html

10月17日 "Merkel forced to appoint rivals to her cabinet"
http://news.ft.com/cms/s/8b536b9e-3f42-11da-932f-00000e2511c8.html

政治学を専攻していた学生時代、「小選挙区制」と「比例代表制」について習ったことがある。

この2つは、西ヨーロッパと北アメリカでは、「議会制民主主義の2大類型」ということになっている。(厳密に言うともう一つ類型があるが、ここではおいておく)

このことを論じ始めた人物は、Arent Ljiphart(ライパート)というオランダ出身の学者だ。彼は日本ではほとんど知られていない。同様に、彼の学説も日本ではほとんど知られていない(一度だけ「比例代表制を賛美する」内容で、朝日新聞に載っていたのを見たことがある)。

小選挙区制を彼は "Westminster type" と呼んでいる。一方、比例代表制を "Consensus type" と呼んでいる。

小選挙区制を採用している国は、アングロ・サクソン系の国が目だつ。比例代表制は大陸欧州諸国に多い。

"Consensus type" の "consensus" は、もちろん「同意」とか「合意」という意味だが、この場合「妥協した結果の裏合意」という要素を多分に含んでいる。

大陸欧州諸国は昔から「小さな会派が乱立」する傾向がある。ドイツに典型的に現れるので、ドイツを例にとる。こういう対立軸が伝統的にドイツ社会に潜んでいるのだそうだ。

・プロテスタント(北部) vs カトリック(南部)
・資本家階級 vs 労働者階級 (戦後日本と違い、上と下の格差が結構大きい)
・自由主義思想 vs 社会主義思想 (1990年までは、社会民主主義が大陸欧州で強かった)

現代においては、

・親イスラム圏(親トルコ系)派 vs ドイツ国粋派
・旧西ドイツ vs 旧東ドイツ

という対立軸もあるかもしれない。

Ljiphart の説では、

① 対立軸の多い社会では、政治的主張が大幅に異なる小さな会派が乱立する傾向がある。

② そうすると、議会内で多数を占めるには、小さな会派どうしで合意して連立政権を組むことになる。

③ 連立政権を組むと、他勢力に妥協することにより自派の主張の純粋さを薄めなければならなくなる。

④ そうすると、自派内の急進的な勢力がいつも欲求不満になる。

⑤ そこを何とか抑えてそれぞれの会派の崩壊を防ぐために、合意は“裏”で行われることになる。

という。

彼の言う "consensus" とはこういう意味だ。「合意」といっても、「互いに思いやる、美しい話し合い」が前提になっている保証はない。

更に言うと、

⑥ こういう社会の数々の対立軸を反映した小さな数多い会派を前提に政治をしようとすると、比例代表制にして、小さな会派にも一定の発言権を与えるのが良い。"50% plus 1" でないと影響力を行使できなくなる小選挙区制だと、小さな会派から発言する機会が奪われてしまう。場合によっては、それが原因で暴力的な現象が起こったりしかねない。

Angela が組閣する様子を見ていて、この説を思い出した。