Bond Market Initiative

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アジア通貨危機以後、特にASEAN諸国向けに現地通貨建債券市場育成を推進する動きがあるが、その結果がまた1つ現れた。

8月31日付 NIKKEI NET 記事: <http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20050831AT2Y3000B30082005.html >

タイ国内でTHBを調達し、日系タイ企業へ貸し付けるということは...

① 最初の資金調達と最後の償還はTHB建決済。通貨市場に影響しない。

② 日系タイ企業は現地で生産して日本へ輸出するかあるいは第三国へと輸出する企業が多いだろうから、タイ側にとっての輸出企業がTHB建で資金調達することになる。

③ 日系タイ企業が現地で生産し、日本へと輸出する。或は第三国へと完成品を輸出する。

④ 輸出代金決済は、日本からタイへと支払う場合と第三国からタイへと支払う場合とが混在する。

⑤ この決済は今後何年間も発生する。「JPY売りTHB買い」、「USD売りTHB買い」、「EUR売りTHB買い」の実需を今後発生させると思われる。

需給だけ考えると、どちらかと言うとTHB高要因なわけか...

EMEAP<http://www.emeap.org/ >の"Asia Bond Fund"、"Asia Bond Fund 2" と共に注視していきたい動きだと考えている。

(投稿後の9月1日に題名を訂正した)

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北京五輪に向けて準備

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8月30日 NIKKEI NET 記事: <http://www.nikkei.co.jp/china/special1/20050830r2m3001m30.html>

やっぱり五輪前に非居住者による CNY 保有・売買を自由化するのは確実だと思う。あと2年もすれば、USD/CNY, EUR/CNY, CNY/JPY をいつでも日本国内で spot 売買できるのかな?

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日程(2)

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もう一度確認。

9月1日(木)~2日(金): G20@北京

9月7日(金): Bush-胡会談

9月8日(土)~9日(日): APEC財務相会議@韓国

9月23日(日)~24日(月): G7財務相会議@DC

10月1日(土): 国慶節

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胡と漢(36)

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女真族が契丹に乗っかったキタン政権「金」は華北に攻め込んだ。前回述べたように最初は傀儡政権を樹立して南宋と対抗させた。結局南宋と1142年に講和し、南進は華北止まりとなった。

華北とマンチュリア、それにモンゴル高原の一部(南東部)がキタン政権の領域となった。(註1)

華北を直接統治した女真系キタン政権は、女真族の一部をマンチュリアから華北へ移住させた。女真の漢化が始まった。

契丹族中心のキタン政権では、騎馬民社会を統治する官庁と漢人農耕社会を統治する官庁が分かれていた(註2)。しかし、女真族中心のキタン政権は、女真族を漢化させシナ式の官僚機構を全面的に取り入れる選択をした。

首都もマンチュリアから現在の北京南西郊外に遷都した。(註3)

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註1: 契丹系キタン政権の時代はモンゴル高原まで間接支配下に置いていたが、女真による支配後は、モンゴル高原には支配的な勢力がいなくなった。この状態はチンギス・カン率いるモンゴル部がケレイト部政権を倒すまで(1203年?)続く。

註2: 騎馬民を統治する官僚機構を北面官、漢人を統治する機構を南面官と呼ぶ。

註3: この時代は燕京と呼ばれていた。金の遷都後は「中都」と称した。「燕」は現在の河北省北部一帯を指す地名で、春秋戦国時代にあった王国名にちなんでいる。現在だと「燕京ビール」という銘柄名に見ることができる。

日程

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NIKKEI NET によると、中共政権の外務次官が福島瑞穂と会い、「9月2日に6カ国協議再開予定」と述べたそうだ。席上「9月11日衆院選投票に影響するか?」と福島にたずねているらしい。

7月21日: USD/CNY @8.11
8月7日: 6カ国協議休会
9月2日: 6カ国協議再開
9月7日: Bush-胡 会談

US財務省レポートの「6カ月期限」も10月末?頃に迫ってきているし...

胡と漢(35)

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1004年以来100年以上東アジア覇権国だった契丹は、1115年に突然滅んだ。

滅んだといっても、君主一族耶律氏を中核とする政権がひっくり返されたということであって、そこにいた人々が全部滅ぼされたわけでもなんでもない。大半はそのまま生き残っている。

マンチュリアで「女真」(註1)と呼ばれる半農半牧集団が契丹政権を攻撃し、耶律一族の政権を倒した(註2)。その際、契丹に服属していた騎馬民勢力は契丹人自身も含めて大量に女真支配下に横滑りで入り込んだ。そこで、ここでは「契丹」主導の政権も「女真」主導の政権もひっくるめて「キタン政権」と呼ぶことにする。

女真主導の「キタン政権」はさらに南へと攻め込んで「五代・宋政権」を華北から追い出し(註3)、「女真が上に乗っかったキタン政権」の東アジアにおける覇権が確立した。

「キタン政権」に乗っかった「女真」たちは、中原を支配すると、急速に漢文化を取り入れていった。

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註1: 敢えて日本語で発音を表記すると、「ジュルチェン」あるいは「ジュルチェ」という名称だったらしい。これを漢字で表記したものが「女真」或は「女直」だ。ここでは matt がなじんでいる「女真」で通すが、「女直」がより正確に発音を音写しているという説が有力になっている。

註2: こういうところに遊牧民/騎馬民政権の弱点がよくあらわれている。6月4日の「胡と漢(18)」で書いたように、騎馬民の社会は「優れた個人をリーダーとして選び、その人物に周囲がついていく。そのリーダーが倒れるとあっという間に周囲の人間が離散する」という傾向がある。

たとえ先代リーダーの子であっても、自動的に後を継げるわけではなく、衆の支持がないと集団のリーダーになれない。だから簡単に政権を倒されることもあるし、後継者争いで内紛を起こして政権が倒れることも多い。

匈奴や突厥が簡単に分裂してしまったり、ウイグル政権が簡単に崩壊してしまったりするのも、おそらくはこういう社会の性質に大きく左右されているものと思われる。

なお、契丹君主一族耶律氏のある者は女真政権に参加し、その後モンゴル政権に参加している(註4)。また一部の勢力は遠くトルキスタンまで逃げ、そこで政権を樹立するのに成功した(註5)。

註3: 女真は華北に攻め込み、最初は「楚」、後に「斉」という傀儡政権を樹立させ、華北の大部分を間接統治した。後、1142年頃から直接統治に移行する。

註4: 耶律楚材が有名。

註5: 耶律大石のこと。

胡と漢(34)

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ちょっと遅いですが、おしらせです。

六本木ヒルズの53階森美術館で、中国モノの展覧会をやっています。まさに「胡と漢」で扱っている部分、騎馬民とシナ農耕社会との交流/相克の時代(後漢~唐)に焦点を当てた文物が展示されています。シナ社会に移住したソグド人を表す文物がたくさん展示されているのが、いつもの中国歴史モノ展示と違うところでしょうか。

9月4日まで開催しています。