地元の豆

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 ・・・2時間前のことです。


ある男性の方から電話がありました。


「もしもし。蓮沼(私の家から歩いて10分ほどです)に住んでいるKと申します。新聞を読んで。実は私がずっと作ってきた大豆があるんです。私ももう歳で、農家もできなくなるかもしれませが、よかったら使ってみてもらえないでしょうか」


 地元の農家の方でした。地元でも大豆を栽培していたようです。私はすぐ答えました。


「わかりました。是非とももやしに作ってみたいですね」


「ではこれから持っていきます」


と言ってKさんは電話を切りました。


 それから30分後、その方Kさんはしっかりとした足取りで、歩いてやってきました。手には一升瓶を持っています。挨拶の後、Kさんが一升瓶を掲げて語ります。


「これなんですよ。もうかれこれ70年以上作り続けているんです。この中の良い粒を拾ってそれを畑の隅に蒔いて・・・そうして作ってきました。いえいえ。市場には出してません。全部、私どもが食べる用なんです。味があるので煮豆にしてました。名前ですか?私どもは『おくまめ』と呼んでます。遅く蒔いて、遅くの収穫が出来るのでその名前があるそうです。私も82歳で・・・・今度蒔くので最後かもしれないんですよ。お代はいいのでどうか使ってみてください」


と私に瓶を渡しました。私も、


「分かりました。地元で豆があるなんて知らなかったし、嬉しいですね。もやしにしてみます。出来たらお持ちしますよ」


と約束しました。豆についての思いをいろいろ語った後、Kさんは歩いて帰って行きました。


まぼろしの「もやし」求めて・・・

 「おくまめ」・・・・大豆に疎い私はさらなる情報を得るため、在来大豆に詳しい県農林総合研究センター のM部長に電話を入れました。M部長は、それは「こさまめ」のことだろうと答えてくれました。確かにM部長の話したことと、農家のKさんが話したことはしばしば一致していました。「こさまめ」はすでにM部長からいただいてます。


 電話の後に、私は豆を並べていました。すると同じ「こさまめ(おくまめ)」でも色、形が違う気がします。


これがKさんがもってきた「おくまめ」。


まぼろしの「もやし」求めて・・・

小粒で(あまり選別をしていないと言ってました)、緑色が強く、やや平たい形をしてます。


こちらが「こさまめ」。


まぼろしの「もやし」求めて・・・

やや緑色が薄く、粒がひと回り大きく丸い豆です。


並べると違いが分かりやすいです。


まぼろしの「もやし」求めて・・・

左が「こさまめ」右が「おくまめ」です。


 選別の違い、畑の違いがあるのかもしれません。もやし屋としては粒の小さいほうが歩留まりがよいので、もやし向きではあります。


 ともかく、地元老農家の想いのこめられた「地元産おくまめ」。センターからいただいた「こさまめ」と一緒にもやしにしてみます。経過は追って報告します。


まぼろしの「もやし」求めて・・・
「もやし屋」の腕の見せ所です。
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