質問状回答 折笠あきよし候補 | 松戸をよくする市民の「ゆるーい」ネットワーク 松戸市議会議員選挙特設ブログ

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Facebookで活動する本会プロジェクトチームが、松戸市議会議員選挙に際しお送りし、ご回答いただけた候補者さまの回答を掲載しています。

1.まず、候補予定者ご自身についてお伺いいたします。

① なぜ、松戸市議会議員選挙に立候補されるのですか。

ありきたりですが、松戸市を良くしたいと考えたからです。
私は松戸生まれではありませんし、都心での仕事が多いので地元の繋がりは少ないですが、松戸での暮らしが私の人生の中で一番長くなったのもきっかけです。

② 当選したら真っ先に取り組むことを教えてください。

保育所、高齢者施設、医療施設の充実、地域と商業の活性化(特に小・零細企業)です。
但し、行政の主導する大規模なハコモノ事業には反対していますので、詳しくは後述しますが、すべて小規模で予算を削減することが可能で、且つ住民にとって身近なものとなるような施策を考えています。

③ 4年間の任期中に必ず実現させたいことを教えてください。

②と同じです。議会と行政が動けば4年を待たずに実現可能です。

④当選された場合、どちらの会派に所属するのか、または無所属で活動されるのか、意思をお聞かせください。

当選した場合は会派に所属する予定ですが、どの会派かは未定です。

⑤市民の声に耳を傾け、市民に分かり易く説明し、市民の思いを実現すべく行動する、というような「市民に寄り添う」という姿勢が重要だと考えております。より多くの「市民に寄り添う」ために、何か行動される予定があれば教えて下さい。

立候補の指針として「アピールしても媚びない」と謳っていますので、「寄り添う」という表現には賛同できかねますが、「市民に近い」や「市民目線」などと定義した上での回答になります。
私自身がNPOなどの社会起業家ですので、後援会などは作らず、NPOなどの政策提言組織や市民シンクタンク、意識の高い学生などの活用を考えています。
他の自治体でも経験しましたが、不平不満や愚痴をただぶつけるだけならば市民の声であっても取り上げるべきではなく、そこから市民自身が解決策や緩和策を考え、導いていくことが大事で、『市民参加の政治』だと考えます。
逆に、そういった活動は欧米のように政治家が活用すると同時に行政も(支配下に置かずに)支援するべきと考えます。

⑥市議会議員に必要な能力はなんだと思いますか。それをこれからの活動にどう生かしていくかと併せてお答えください。

政策立案と判断力はもちろんのこと、重要なのは行動力と実行力です。
議会でヤジを飛ばしたり寝るのが議員の仕事だと市民に勘違いされるのは市政にとってマイナスでしかありません。市議会議員自らが議会や政治活動といった行動で示して行くしかないと思います。
また、議員が専門分野を持つことは重要ですが、市政について広範囲に認知し、更に理解を深めるという意味で「専門でないから知らない」では議員としての職務怠慢だと考えます。
もちろん、なりたての一年生議員では限界がありますが、3期4期と選ばれた政治家であればこう言って差し支えないでしょう。


2.次に、議員観・議会観についてお伺いします。

① 松戸市議会議員の適正人数は何人とお考えですか。理由と併せてお答えください。

新人でこの話題に触れるのは恐縮ですが、地方分権が進む場合は別として、現況では議員定数削減に賛成しています。
松戸市は人口が多く、それに伴って定数も多くなっていますが、産業規模が都市圏としては小規模なので、審議案件が少ないと考えられるからです。
それを鑑みた私見としてですが、38-40人程度が適当だと考えています。

②「議員報酬は議会での拘束時間等、議員活動を実際に行った時間×時給にしてはどうか」という議論がありますが、いかがお考えですか。

反対です。経営コンサルタントとして色々な企業のお手伝いをしてきましたが、企業ですら時給文化は若者の会社への帰属意識を希薄にし、近年では事業の大きな弊害となっていますので、これを議員に適用するのはナンセンスだと思います。
但し、今は候補でしかなく議員ではないので詳細は分らないのですが、聞いた限りでは議員報酬を削減し、その代わりに無駄に高い税率を一般レベルに緩和するべきと考えています。

③委員会前に会派で賛否を決めていることで、議会での議論が建前になっているように感じます。議会をより建設的な場にするため、委員会前に会派で賛否を決めることを止め、委員会での議論を基に会派の合意形成を図るようにして欲しいと考えております。如何ですか?

意識的には賛成しますが、ISOなどの業界団体ですら委員会での審議決定となると難しいのが現実です。
国際会議などに事務局として関わっていて感じたのは、日本人(教授、企業の役職者クラス)の会議下手でした。無闇に海外礼讃するわけでは無いですが、利害が複雑な政治では会派を無くすことは市政の弊害になる可能性が高いと思われます。
個人的な見解としましては、会派活動も含めたロビー活動を悪いことであるような偏見を改め、先進国レベルでシステムとして活用することの方が解決策となるかもしれないと考えています。
また、市民が政治と距離を置くのではなく、政治を政治家に任せっきりにせず、積極的に活用するような体制を築いて行くことが大切だと思います。

④建設的でしがらみのない議論を行うため、会派制を廃止する議会も現れていますが、「会派制の廃止」について、いかがお考えですか。

松戸市については会派の存在が市政の弊害になっていると感じてはいますが、地方議会での会派は国会での政党であり、分かり易い多数派でもあります。
民主主義の利点であり欠点でもありますが、例えは悪いですがヤクザが暴対法で地下に潜ってしまったのと一緒で、結果的に市民から市政が更に遠くなるだけだと思います。
また、私はしがらみのない松戸から無所属で敢えて立候補し、後援会も組織しないのはこの為でもありますので、理想ではありますが、政治家が選挙で選ばれる人である以上、「しがらみのない議論」は正直難しいと考えています。

⑤議案に対する個々の賛否について、記録に残す、または公開することへのお考えをお聞かせください。

市民に選ばれた代弁者が議員ですから、その賛否を記録に残し、公開するのは当然かと思われます。松戸市では6月の市長選から選挙公報の継続的な公開が始まりましたが、議員個人のブログなどではなく、賛否も議会活動として公にすべきです。

⑥委員会についても、本会議同様にインターネットおよび録画中継を行ったり、議会運営委員会を含むすべての委員会を傍聴可能にすることについて、是非をお聞かせください。

率直に言って、委員会の中継はしない方がいいと考えます。中継が入ると議員が有権者を意識しすぎて言いたいことを言えなくなり、余計に質問③や④といった地下活動的なことが深まる可能性が高いかと思われます。
例えばですが、傍聴席に利害関係者の大物が現われたら、それだけで萎縮する、遠慮して発言しなくなる議員もいると思われます。
また、もし利害関係者を排除する規定を作ったとしても、審議途中では利害関係者と判断しかねる、または代理が傍聴することで回避されかねません。
政治家の多くは後援会への依存が強くありますので、傍聴をせずに放送だけでも、後から不平不満を個人的にぶつける有力者は多いかと思われます。これでは、結果的に委員会が今以上に閉じてしまう可能性が高いと考えられます。

⑦議員を客観的に評価するしくみについて、アイデアや先進事例があればお聞かせください。

評価基準については意見や賛否は別れると思いますが、ベンチマークを策定し、実施することはさほど難しくないと思われますし、評価をすること自体には賛成です。
先例としては、近年では標準化組織(ISOなど)を筆頭として企業や行政評価はもう多くの事例があります。
ただ、議員は企業ではなく、公人であると同時に私人としての立場もある訳ですから、一般的・常識的な範囲内での基準を策定するべきであり、際限なく評価するのには反対です。
また、実施された場合の評価基準の多様性も重要なので、単一団体での評価よりは3つ以上の団体・企業に評価させ、更に利害関係を駆逐することも大事かと思います。


3.次に、市政をとりまく環境や個別の政策課題への考えをお伺いします。

①経済的・家庭的な理由等により、望んだ進学ができない子どもを減らし、平等にチャンスを与えられるような環境が求められていると考えますが、具体的な方策があればお聞かせください。

「望んだ進学」というものが何を示すかにもよりますが、例えば私のように母子家庭で育ち、経済的に大学へ進学するのが難しいというような事例であれば、奨学金などでの対応を推進することが現実的だと考えます。
これは民間だけでなく、行政でも外郭団体を利用して実現可能かと考えますが、当人への無利息若しくは極低利での貸付けという形が望ましく、ただ単に無料で行かせるというのには公平性から見て反対します。

②児童・生徒の学習習熟度により教員を評価する制度を設け、意欲的な指導の一助とする策について、お考えをお聞かせください。

児童・生徒の覚えの早い遅いは必ずありますから、学習習熟度によりクラス編成したり、教員を変えたりすることは良いかと思います。それが子ども同士の優越感や劣等感に繋がらないように気を付ける必要はありますが。
教員については、評価よりも企業や行政などの他分野での一定期間の経験を積ませることが最優先であり、必要なことと考えています。何故なら、大学で教育課程と僅かな研修をしただけで、いきなり「先生」と呼ばれ、子どもたちを導くなんて難しいことだからです。
NPO時代にゆとり教育での総合学習の時間に困った教職者から何度か相談を受けましたが、教員以外の職業経験がない人が多数なのですから、当然です。

③保育園を選ぶための客観的指標として、利用者・第三者評価の制度を設けることについて、お考えをお聞かせください。

待機児童の増加から、現状としては保護者が選ぶ選ばない以上に施設をどうするかがまず大きな問題と考えます。また、「保育に欠ける」家庭から優先的に保育園が子どもを預かるわけですが、この言葉も解釈がばらばらで信用になりませんし、第三者評価機関が信用ならない場合もあります。
保育事業にも関わっていたので他市での実体験ですが、保護者の皆さんの多くは「認可保育園がしっかりしている。それ以外はちょっと…」と言いますが、現場から見るとそうとは限りませんし、某有名な民間大手や認可保育所の子どもを抑圧する保育などは聞いてて信じられませんでした。

④より障害者が暮らしやすいまちを実現するため、提案される施策があれば教えてください。

親族に障害者がいますが、例に挙げるのは憚られますので端的に書きますと、必要なのは障害者に対する過保護な施策ではなく、自律を助ける施策だと考えます。
また、物的な施策よりも障害者と一般人(健常者?)との繋がりを尊ぶものが必要と思っています。

⑤ノーマライゼーションについてお考えをお聞かせください。例を挙げると、色覚障害者にとっては赤色チョークの板書や、ピンク色の看板が見づらい等、聴覚障害者にとっては災害時避難所での情報提供が音声のみで行われるということに不便を感じる等、障害者本人でしか気づき得ない生活上の支障があります。

④の回答に準じますが、可能な範囲内での対応はすべきと考えます。

⑥松戸市は周辺市よりも生活保護受給者数・保護費ともに高い水準にあります。この水準についての是非と、今後の方針についてのお考えをお聞かせください。

これも親族に生活保護受給者がいるので他人事ではないのですが、入退院を繰り返すその方には必要で、その家族は大変助かっています。
ただ他方で、本来なら必要なく、働けるのに働かない、生活保護を受給してしまったがために社会復帰ができなくなった人たちを知っています。また、生活保護を受け続けるために反対活動として仕事をしている人もいます。
生活保護の制度自体には賛成ですが、受給者の審査の厳格化と見直し、社会復帰の施策が重要と考えます。
働かない人間の増加は将来的な市政の破綻に繋がり、より多くの不幸を呼びますし、本来必要な人々に支給されないからです。

⑦少子高齢化への対策として、提案される施策があれば教えてください。また「無駄を削減する」以外の財源確保についてもご提案ください。

まず、少子化については対策しない方が良いと考えます。理由は、歴史上どこの国でも時代でも、人口対策は成功した例がほとんどないからです。
子どもを生む行為は男性が代理できるものではありませんから、女性の社会参画を促すならば少子化は緩和か若い世代の誘致がせいぜい出来ることで、この問題は避けて通れません。
限られた行政の予算ですべてを保障することは現実的に不可能です。
また、子どもが大学を卒業するまでの学費が高いことで2人目、3人目を諦める夫婦も多いので、この対策を推進することが有効かと思われます。
高齢化については、特別養護老人ホームや高額な民間の老人ホームといったハコモノだけでなく、より身近な小規模ホームなどを作ると同時に、「高齢者をただ集める施設」から世代を越えて付き合える小社会としての施設を構築するべきと考えます。
「暮らしやすい街」などと言うと「施設が便利」や「商店街に近い」といった思考になりがちですが、「世代間の人々の触れ合いが出来る街」のモデルケースを作ることを進めたいと思います。

⑧「すぐやる課」について、今後の方針と併せて、存続の是非をお答えください。

存続の意義はあると思いますが、やっている内容が雑用的な内容で固定化されている気がします。
市民と各課との調整役としての役割(と私は考えています)を再検討することと、時代に合った試みも何かしら考えてもいいと思います。

⑨市立病院の経営を改善するための方策があればご提案ください。

市立に限りませんが、病院の巨大化は弊害が多いように思います。
開業医なども含め、なんでもまとめた大きな病院施設ではなく、小規模施設と主治医の選任、訪問医療の充実など地域に根差した施策を進めるべきと考えます。
また、日本人の死因で最多となっているガン患者ですが、原発以降、今後増えると考えられているのに治療センターがまだ少ない状況です。
放射線治療などは大規模にはなりますが、それ以外の小規模でもできる治療施設を誘致するのも検討する価値はあると考えられます。

⑩市内で起業家が活躍するための方策があればご提案ください。

松戸(駅)は都心まで20-30分と便利ですが、新規の起業家はほとんど視野に入れてません。これは、対外広報がほとんど効果を発揮していないか、それ自体に力を入れていないのだと考えられます。
特区まではいかなくても、起業家誘致や振興策、優遇策を実施して呼び込むと同時に、既存の起業家や零細企業へのサポート体制を充実することも大切だと思います。
事例としては、横浜市が巨大なビジネスセンターを起業家に優先的に提供したような方策の小規模版から始めてみるのもいいですし、身近に「マツモトキヨシ」の前例もあるように、都心でなくても起業振興や事業の拡大は可能だと考えます。

⑪市内の商業圏の充実について、近隣自治体のように大型ショッピングモールを誘致するなどの大規模な方策を取るべきか、それとも他の方法によって充実を図るべきか、現状の維持を図るべきか、方策をご提案ください。

前述したように、巨大施設や行政のハコモノよりは小規模施設の集合体を計画的に振興することで、同様の効果を得られると考えられます。
全国での地域振興・事業振興での成功の前例は数多くありますから、それらを調査し、ただ真似るのではなく、松戸に合った施策を考えて行くことが大事だと思います。
但し、大規模事業そのものを否定するわけではありません。企業理論として浦安市の東京ディズニーランドのように大規模だからこそ意味のある事業もありますので、ケースバイケースで進めるべきだと思います。

⑫松戸市に住民投票条例は必要だとお考えですか?理由も併せてお答えください。また、必要だとお考えの方は、具体的にどういった内容にすべきか、お聞かせください。

住民投票条例はあった方がいいと思いますが、市政でも特に重要な案件であることと、多数の市民に影響を与えること、また、制定する以上は参考までという曖昧なものではなく、ある程度の拘束力を持つことが必要かと考えます。
例えば放射線廃棄物などの問題は周辺住民や利害関係者だけでなく、市として全域の意見を聞くべきかと思われます。逆に、病院などの施設の計画は利用する周辺住民への限定的なものになるので、規模に関わらず住民投票条例の対象には不適当だと考えます。


4.さいごに、松戸市についての思いをお伺いします。

① 松戸市の一番の魅力はなんだと思いますか。

②でまとめて回答します。

②中長期的に見て、松戸市政における最も大きな課題はなんだと思いますか。解決策の提案と併せてお答えください。

周知のことですが、松戸は昔から水戸街道の宿場町として栄え、都心からの立地が魅力的ではあるのですが、ベットタウン化して人口は多いにも関わらず、産業・事業や商業的な開発は歴史ある旧い街だからこそ遅れてしまっています。
また、だからこそかも知れませんが、下町的な心意気があり、心根の優しい住民が多く住んでいると感じています。
お堅いイメージのある行政でも「すぐやる課」や「キャラクター防犯ポスター」などの先進的な試みも数多くありますし、『松戸市』という存在が全国域で知られている反面、位置やどんなところなのかは意外に知られていません。
船橋市が図らずも非公認キャラクターの「ふなっしー」によって全国区で有名になったように、ゆるキャラに限らず、地方自治体の体質として「成功事例は瞬く間に拡散する」ことが実例として数多くありますので、市政のどの分野であっても先進的な取り組みや松戸の旧来の良いところを周知し、市外に知ってもらう努力をしていくことも大事だと思います。
先に述べた少子高齢化対策は松戸市だけでなく全国的に問題になっていますが、人口が多く、その反面商業のパッとしない松戸は将来的に財政が深刻になる可能性が高いと考えられます。
私個人としては、子どもや高齢者、医療、事業などの小規模での振興策を中心に、行政の縦割りでは難しい総合的な効果を得られる政策として『経済的で住民に優しい』且つ『全国の模範になる』方策を考え、出来ることから提案していきたいと思います。