過納金の還付と相続税

テーマ:

 おはようございます。今週もはりきってまいりましょう。今日は過納金の還付と相続税についての争いを見てみましょう。

 

{事件の概要}

 なくなったお母さんの「所得税の還付の訴訟」を引き継いだ申立人が勝訴後、同判決の確定により発生した所得税額等の過納金及び還付加算金をその年の収入として確定申告したところ、処分行政庁は、本件過納金はお母さんにかかる還付請求権であって お母さんの相続財産にあたるとして、

 ①本件過納金について 所得税の減額更正処分を行うとともに、

 ②相続税の更正処分及び

 ③相続税の過少申告加算税の賦課決定処分

を行ったものです。

 

{結論}

国税不服審判所:③のみ取り消し

一審:①②とも認容

控訴審:①②とも原判決取り消し、請求棄却

最高裁:上告棄却

 

{ポイント}

 鳥飼先生、登場してます。

 取消判決の遡及効を論拠として、お母さんが生前に財産の所有者として権利行使する権能を有しない還付請求権を、後日の取消判決確定により、 「お母さんが生前還付請求できたはずであるから、乙に帰属する財産であった」と解釈しています。なんか理解しにくいです。

 ましてや処分行政庁は取消判決があるまでは「公定力」を根拠に絶対に還付していません。申立人が申告しても租税のパランスを欠くことはあまりなさそうな気がするので無理にそんな結論を出さなくてもいいのではないでしょうか。

 

 不服審判所で過少申告加算税が取り消されたことも合わせ、いろいろ議論になる判決です。

 

 

AD