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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。


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●党利党略選挙になってしまった都議選

 今回の都議選、都民が真摯に東京の未来を選択するというよりも、すっかり党利党略選挙になってしまったようです。

 東京都政がこれだけ長く連日のように、全国民の注目を浴び続けたことは珍しいことでしょう。この一年ほど、小池劇場が全国のテレビで報道されなかった日はほとんどなかったと思います。

 そんな中、片や、安倍自民党にとっては、「もりとかけ」で盛り上がった政権批判に加え、まさに都議選にタイミングを合わせるかのように不利な材料が目白押しで報道されることで、自民党が強い危機感を抱く中で都議選は投票日を迎えることになりました。

 私の知人が某政党の都議選候補者の街頭演説を聞いて、自民党批判一色、都政のことは何も触れず、これって本当に都議選なのか、と、うんざり、都議選は都政そっちのけの「空中戦」になっていたようです。

 今回の都議選の選挙結果は、場合によっては国政に大きな影響を与えると言われます。

 しかし、国政が担うのは日本国家全体の命運であり、国のレベルで考えれば、確かに「一強支配」の弊が指摘される面はあるとしても、より重要なのは、いまの日本が、政権の安定それ自体が国益だという局面にあるということです。

 長年にわたって政界の混乱が続き、決められない政治の中で課題先送りが続いてきたことが、国民に強い閉塞感をもたらしています。景気回復を実感できる状態にならないのも、そのためです。

 時代に合わなくなった戦後システムを組み替え、様々な社会システムを再設計しなければ次の日本は切り拓かれない。決められない政治からの脱却が強く求められている中でようやく誕生した安倍総理の長期安定政権、まだ、決めていかなければならない課題が山積しています。

 

●成長戦略で総理のリーダーシップが問われる局面

 アベノミクスを取り上げてみても、その「3本の矢」は未だ必ずしも十分な成果を挙げるには至っていません。第1の矢の異次元の金融緩和は、この4年間で日銀が国債を300兆円も買い上げても、インフレ目標2%にはほど遠い状況です。

 デフレ脱却のために必要な市中マネーの増大のためには、最終需要の拡大が必要です。第2の矢の財政政策も累次にわたる経済対策を講じてきましたが、日本経済の実質成長率の平均は、民主党政権時代と比べてそれほど高まったわけではありません。

 安倍政権で顕著に高まったのは名目成長率であり、これはデフレ脱却にアベノミクスが成果をあげていることを示すものですが、これを持続的な経済成長につなげていくために必要なのは、やはり第3の矢である成長戦略によって経済の生産性を高めていくことです。

 しかし、肝心の日本の潜在成長率は、足元では、日銀の試算による、2014年頃よりもむしろ低下しているようです。労働力人口が減少している中にあっては、よほど生産性を上げていかないと、財政も持続可能ではなくなります。

 安倍政権が描いているように、公債等がGDPに占める比率が低下し、財政のつじつまが合うようになっていくために必要なのは、経済成長率の底上げです。しかし、内閣府が試算で示している「経済再生ケース」の実現のためには、限りなく理想に近いところまで生産性を上昇させなければなりません。

 このように、第3の矢に経済政策の焦点が当たっているのですが、これは「岩盤規制」を打ち砕くと言われるように、政権の強いリーダーシップが要するものです。加計学園問題で話題になった国家戦略特区も、この第3の矢の目玉と位置付けられてきたものです。

 

●「もりとかけ」は問題なのか

  しかし、どうもこのところの国会論戦は、「もりとかけ」に象徴される低次元の問題に明け暮れ、成長力の増強とか、次なる日本の設計などの本質論からは程遠いものでした。

 「もり」、つまり森友学園問題については、これは財務省が国の財政当局として国損を回避するギリギリの選択をしたものであって、総理の意向を忖度した不当に安い価格での国有地売却というのは大きな誤解でしょう。

 国が土地を売却したあと、見えなかった瑕疵が発見された場合、国は瑕疵担保責任を負い、損害賠償の対象となってしまいます。森友の場合は、廃棄物処理費用を差し引いて、それ以上の瑕疵については損害賠償責任を負わないという形をとったものです。

 国にとってはいわば「損切り」という、血税を預かる財政当局の立場として、やむを得ざる合理的な判断だったと思います。

 約9.5億円の土地を1.5億万円で手にしたことで、森友学園側は特別な利益を得たわけではありません。森友は廃棄物処理費用を自ら負担しなければならなかったわけです。

 加計学園問題については、そもそも国家戦略特区制度とは何だったのかということになります。前川前次官が言う、公正で公平な行政が歪められた、というのは、規制改革に反対する所管省庁の常套句です。こうした「正論」が厚い壁となって規制改革がなかなか進んでこなかった。

 そこで、従来とは異なる手法として「総理主導」を法的に制度化したのが国家戦略特区制度でした。「私自身がドリルの刃になって岩盤規制を打ち砕いていく」というのは、安倍総理の名言の一つとして国際的にも評価されてきたものではなかったでしょうか。

 総理の指示が実際にあったのかどうかは別にして、総理の指示があっても全くおかしくない、そのような建てつけの制度です。

 特定の事業に挑戦しようとする特定の事業者の立場を国が共有し、その事業を成功させるのに必要な規制改革をテーラーメイドで組み立てて実験的な試みをする。その事業者は規制改革の同志として、各省庁と戦う内閣府と緊密な関係を続けていく。その成果を見極めて、他への展開、全国への適用の可否を判断する。これは癒着でも何でもありません。

 しかも、決定には、民間有識者から成る委員会や担当組織での検討など、総理の一存では決められない手続きが定められています。

 獣医学部の新設については、2015年6月に閣議決定された「日本再興戦略改訂2015」において、国家戦略特区で獣医学部を新設する4つの要件が定められ、かなり厳しい要件ですが、加計学園はそれらを満たしていたと判断されたと、当時、担当大臣だった石破茂・衆議院議員は述べています。

 獣医学部の新設を認めることそのものの是非については様々な議論があるかもしれませんが、担当大臣がそう言うからには、決定過程自体はデュープロセスを踏まえていたと言っていいでしょう。

 内閣府は規制改革に消極的な省庁と戦う立場にある役所です。これは「官邸の上層部の意向だ」ぐらいの言葉は、熾烈な折衝なのですから、飛び出してくるでしょう。私自身も内閣官房に出向していた頃に同じような言葉を相手省庁にぶつけた記憶があります。省庁側では、これを「不当な圧力」と認識することも折衝の過程では当然、あり得ることです。

 

●総理主導の改革のリーダーシップを停滞させてはならない

 今年も例年の如く、政府は「骨太の方針」を出し、今回は、教育や保育への人的投資が目玉と位置付けられたようです。しかし、どうも最近、各省庁の抵抗で規制改革の目玉が減少しているとされます。これをどう乗り越えるかこそが課題です。

 例えば、「働き方改革」は進んでいますが、現状では、「働かせない改革」の観もあり、確かに労働時間の短縮で女性などの職場進出は増えるとしても、より大事なのは生産性の向上であるはずです。そのために、例えば、労働市場の流動性をいかに高めるか、その面での労働市場改革への踏み込みは未だ不十分です。

 政府は「未来投資戦略」も出していますが、ビッグデータの活用やAI化に向けた具体策はまだまだとされます。

 岩盤規制ということでいえば、農業については安倍政権は徐々に改革の実をあげつつあるようですが、これから大事なのは社会保障改革です。

 政府が経済再生ケースで、公債等の対GDP比率が低下していく姿を示しているのは2025年度までです。そこまでは、現在の異次元金融緩和による超低金利が効いて、財政が改善すると予測できる余地があります。

 しかし、2025年度には団塊の世代が全員、後期高齢者世代入りします。それまでに、社会の高齢化や少子化が財政を悪化させないで済むような、持続可能な社会システムを構築しておかねばなりません。

 

●都議選や東京都政で問われるもの

 今回の都議選のイシューの一つに豊洲への移転問題がありましたが、豊洲が果たして選挙で問うような問題だったのか疑問があります。次は、私の知人の某科学者の言です。

「豊洲の盛り土がきちんと行われず、空洞になっていたと騒いでいるが、土は有害物質を通しやすいのに対し、実は、水は地球上のあらゆる物質の中で最も分子が小さく、有害物質を吸収する上でこれ以上のものはない。盛り土の上にある水を排水し、その上の空間を換気するというのが、科学の摂理であり、豊洲は現状で、世界最高の安全な施設になっている。これは科学者なら皆、分かっている常識だ。」

 日本は政治を科学的なデータに基づいて進めることもできない国なのか、と思わせる言葉ですが、似たようなことは他の大きな問題でもみられたことは、多くの人々がご記憶だと思います。

 今回の都議選、豊洲よりももっと重要な問題があったはずです。それは、東京の未来を各政党や各候補が競い合い、都民が選択するということです。そこに、2020年の東京オリンピック・パラリンピックをチャンスとして位置付ける。

 そもそも日本がこれからの国際社会の中でどのような存在を築き、新たな豊かさを掴むのかを考えたとき、それは課題解決のリーダーシップだと思います。

 その柱として、私はかねてから、図のような3つのリーダーシップを掲げています。これを現実に展開する舞台、プラットホームとなるのが、日本一の国際都市であり、経済力などの潜在力も日本一、しかも、これから超高齢社会の問題が先鋭に突きつけられてくることになる東京であると考えたいと思います。

 東京五輪も大事ですが、重要なのは、単に五輪を成功させるということではなく、その後のポスト五輪の局面で訪れるであろう経済社会の下降局面に向けて、日本が世界の課題解決モデルとして、いかなるレガシーを構築し得るかです。

 少子化、超高齢社会、医療、福祉、教育、防災等々、およそ社会システムの全般にわたって世界の「課題先進国」である日本の首都に世界の目が注がれる時、その後に向けて永続するような「先駆的社会モデル」を東京が構築できるのかどうか、世界中の人々が、「あれっていいな」と思うような東京の市井の姿を示すことができるかどうか、当面の都政に問われるのは、これを住民目線で組み立てる優れた構想力と強い政策実行力と国との有機的な連携関係だと思います。

 劇場で興行している場合ではありません。

 この記事の冒頭に掲げた図をご覧ください。

 

●人物選択という物差しで

 都議選に関して、もう一つ言うとすれば、衆議院では「二回生問題」が出ていますが、議員の資質の問題は、かねてから地方議員の間にも生じてきたものです。

 衆議院議員の場合は、小選挙区制度のもとでは一つの選挙区に各党は一人ずつしか候補者を立てられませんので、有権者の選択は事実上、メディア報道が作る政党イメージの影響を強く受けがちな政党選択という物差ししかありません。自民党が複数の候補者を立てることができた中選挙区時代のような人物選択という物差しがなくなっているということも大きいと思います。

 この際、都議選では、政党よりもむしろ、前述のような東京の未来づくりにふさわしい能力や資質を持った人物かどうかを軸にした選択をしてみてはどうでしょうか。

 国政では政党による人物選択が信頼できなくなっているのだとすれば、有権者自らが政党を超えて人物に投票するということを都議選で試みてみるというのも、一つの考えではないかと思います。

 いずれにしても、都議選の結果、都政にあっては東京の未来づくりへと躍進する都政となり、国政にあっては、憲法改正も含め、課題解決と新しい国づくりへと、「決められる政治」を安定的に進めていけるような国政であり続けてほしいと思います。少なくとも、決められない政治への逆戻りだけは避けたいものです。

 

松田まなぶのビデオレター、第65回は「都議選の先、決められない政治を望むのは誰か?」

チャンネル桜6月30日放映。

 

 

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