【松田学の論考】国力倍増未来ビジョン その1 ~新しい国づくり3本の矢~ | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

【松田学の論考】国力倍増未来ビジョン その1 ~新しい国づくり3本の矢~

私は自民党ファイナリストとして「国力倍増未来ビジョン」というキャッチフレーズと、3つの政策項目として、「日本新秩序へ戦後システム再設計」、「課題解決への挑戦で経済成長革命」、「一億総納得へ財政と福祉の再構築」を掲げました。

これは、私が提案する次の3本の矢を言い換えたものです。
この「新しい国づくり3本の矢」とは、安倍政権が掲げる「新3本の矢」の基本にある「一億総活躍社会」を実現し、「強い経済」と「夢」と「安心」を国民が実感できるようにするためには、国民を覆う将来不安、つまり、不確実性を軽減することが必要と考えて提案してきたものです。

第1の矢は「日本のこれからのストーリー…未来を描く」です。
人は何かの物語の中で自分が何かの役割を演じていると思うときに、安心して前に進むことになるものです。
自分の国は、自分のカイシャは、社会は、地域は、家族は…、どこに向かっているのか。社会システムや人生経路への人々の信頼性が確保されることで不確実性が軽減され、「流動性選好」が低下し、日本が有する3,300兆円もの金融資産が投資や消費へとフロー化する。
例えば、超高齢社会など世界に先駆けて人類共通の課題に直面する国として「世界の課題解決センター」を目指すことを、日本の新しい物語とすることが考えられるでしょう。

第2の矢は「人々のチャレンジをサポートする社会システムへの転換」です。
戦後の日本社会の様々な仕組み、大企業を中心とする「組織本位制」社会の硬直性、新しいバリューや技術ではなく担保価値しか見ない銀行融資、完成度は高いものの縦割りでガチガチの官僚主導の制度・政策レジーム、一億総無責任体制…などを、時代にふさわしいものに組み替え、日本人の潜在力が開花できるようにしていく。
日本は「明治大正経済システム」という、今の米国よりも流動性が高く、自主独立でチャレンジ精神に満ちた経済社会を営んだDNAを持つ国です。

第3の矢は「万般にわたるセーフティーネット」です。
サーカスの綱渡りも下に安全ネットがあってこそ可能になります。
デンマークは、国民負担率が7割近くの高さでも、一人当たりGDPは日本を上回りますが、解雇されても不安のない社会保障のおかげで、企業が生産性の高い分野に思い切って特化できることが背景にあるようです。
日本の場合は国民負担ではなく、持てる民間ストックの活用で日本型互助を組み立てることが可能だと思います。
格差や貧困の問題解決や公平で安心な社会の実現は、社会システムの設計如何です。
個人番号制の導入に至った日本は、システマティックな全体設計によって機能的な社会基盤を構築し得るステージにようやく辿り着きました。
色々な分野で、社会システムの設計力が問われています。
課題となる分野として、社会保障のほかに、租税基盤の整備、子を産み育てることに伴う様々なリスクの軽減、コミュニティーの再生、サイバーセキュリティー、食料やエネルギーも含めた国家総合安全保障、防災安全国家の建設などが挙げられるでしょう。
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現在、消費税率引上げ延期をめぐって国論が二分しているように、個人消費を中心に経済の足腰が弱い状態ですが、結局、景気や経済の不調の問題は、市場経済の外側にある社会の枠組みの再構築によって対処するしかないところに至っているのと思います。

それ自体が、日本の「新しい国づくり」です。
これは、新自由主義的な市場競争パラダイムではできない事業です。
政治の役割が大きいのは、この点にあります。

日本が世界経済に占めるシェアは、1990年頃のピークの頃の3分の1まで低下しました。
しかし、この「失われた20年」の間に、日本は次の飛躍に向けて様々な力を蓄積しています。

日本には十分な潜在力があるのに活かされていないことを象徴するのが、巨額の資産ストックです。世界ダントツ一位をずっと継続してきている対外純資産残高も、アベノミクスで日銀に積み上がった資産も、いずれも300兆円を大きく上回る巨額なものです。

問題は、このおカネが、海外の金融市場や日銀のバランスシートに積み上がったままで、国内でのフローのマネーとして有効に回っていないことにあります。

おカネが回らない壁には色々なものがあります。その壁の大きなものの一つが、縦割り分断的で硬直的な制度や組織などです。
ここに、官僚機構の上に立って、全体設計と国家マネージメントを担うべき政治家のイニシアチブが求められます。

しかし、日本の政治の現状は、党利党略と選挙戦略が中心で、結果として、国の本質的な課題や、有権者が国政選挙で判断すべき選択肢が、国民には見えなくなっているのではないでしょうか。
いま、ネクストジャパンに向けて、即戦力のプロの政治家が本当に必要な時代になっていると思います。

だからこそ、私はあえて自らを「政策マイスター」と名乗り、国会の場で始めたばかりの仕事を進めようと、多くの方々の支持によって国政に復帰することに挑んだ次第です。

<次回に続く>