今年4月から意を決して花業界に飛び込んだわたしは、1件あたり500~600万円するゲストハウスで装花の仕事をしている。
たった1日でそれだけの大金を使うことには違和感を感じるが、女性には少なからずお姫様願望があって、そんな女性の(ご両親の?)願いを叶えるのにピッタリなお城のようなチャペルがあるため、予約が取れないほど人気なのだ。
ちょっと信じがたい世界なのだが、そういうチャペルに我々はユリを飾りつけたり、メインやゲスト花を制作して披露宴会場に設置している。
お茶の稽古はしたことがあっても、お花はまったくの初心者だった。
だから、花の持ち方、切り方、さし方、水あげの仕方...とにかくわからないことばかり。
繊細な花を扱うことに慣れていないわたしは、花に触れるたびにバキボキと折ってしまって、先輩方にめちゃんこ怒られた。
長年花業界に勤めているベテランの多い職場に、こんなにも花に対してピンと来ない新人が現れたもんだから、試行錯誤しながら指導しないといけない先輩方も大変だろう。
「はあ」と溜め息まじりに呆れられても仕方がない。
何はともあれとにかく一通り技術を修得するために今は必死に学んでいるところなのだった。