ひとまずのハードルは黒田新総裁の再同意を取り付けられるか —日銀新体制スタート | まさざえもん×社会情勢・政治

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安倍晋三首相は21日、日銀総裁の黒田東彦(はるひこ)氏、副総裁の岩田規久男、中曽宏両氏に官邸で辞令を交付しました。20日付。日銀の新体制が本格始動し、黒田総裁は21日午後に日銀本店に初出勤して就任の記者会見に臨みました。デフレ脱却の目安となる2%の物価上昇目標を早期に達成するため、追加金融緩和の検討に着手します。
黒田総裁は辞令交付後、記者団に対し「安倍首相には、全力を挙げて日本経済のデフレ脱却に努めたいと申し上げた」と述べました。
菅義偉官房長官は21日午前の記者会見で「大胆な金融緩和という政府の基本方針に協調できる最適な人選だ。物価上昇目標2%の早期達成へ、有効な金融政策を進めてほしい」と期待感を表明しました。
黒田総裁はこれまで「量的にも質的にもさらなる緩和策が必要」と唱えていて、バブル発生などの副作用を懸念して慎重な姿勢が目立った従来の金融政策を大胆に転換します。

国債購入の拡大などを柱とする追加金融緩和の検討に着手し、市場への資金供給量を増やす「量的緩和」を強化する考えを打ち出す見通しです。

日銀は、白川方明前総裁の下で平成22年10月から「包括緩和」と呼ばれる金融政策を実施しています。基金を通じて国債や、国債に比べてリスクの高い社債や上場投資信託(ETF)なども購入。資金供給を拡大して金利の低下を促すと同時に、投資家がより安心してリスクの高い金融商品を購入できるようにする手法です。市場に出回るお金の残高を増やすことを目的とする本来の量的緩和とは異なりますが、結果的に残高が積み上がる量的緩和の側面も持ちます。
これに対し、黒田氏や副総裁に就任した岩田規久男元学習院大教授は、資金供給量そのものを拡大して物価の上昇期待に働きかけることを重視していて、新体制の緩和策はより量的緩和色が強まる見込みです。

具体的には、国債の買い入れ対象の拡大や新たな資金供給量の目標設定、26年導入予定の「無期限緩和方式」を前倒しし、基金による国債購入と通常の金融調節の国債買い入れ(輪番オペ)を統合する、などを軸に検討するとみられます。
一方、緩和を打ち出すタイミングも焦点になります。4月3、4日に予定する定例の金融政策決定会合を待たずに、臨時会合を開く選択肢もあるからです。臨時会合で政策変更に踏み切れば、白川時代からの体制転換を強くアピールできます。
ただ、決定会合の臨時開催にはリスクもあります。
過去の臨時開催は、10年前のイラク戦争開戦や20年のリーマン・ショック、欧州債務危機など緊急の金融リスクや市場の急変に対処したものです。緊急性がない中で開けば、「臨時会合の位置づけがあいまいとなって、政策運営に不透明感が生じる」(大手証券)との指摘があります。

政府は21日、4月8日までの白川氏の残り任期後の黒田氏の再任を国会に提示し同意を求めます。拙速な緩和の印象を与えると、国会で民主党などの反発を招くとの見方もあります。実際、みんなの党幹部は「答弁の内容で(同意するかしないかを)判断したい。」と述べ、慎重に判断する姿勢を見せています。