疲労困憊したおじさんのブログ

元原発作業員 基本は反原発・kawawadesu0916@yahoo.co.jp


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各地にある原発の再稼動の準備が進められている中において原子力規制委員会及び厚生労働省は、過酷事故を想定したうえで緊急作業時の被ばく線量限度を現在の100msvから250msvに引き上げることを昨年の5月に決定し、電離放射線障害防止規則(電離則)等、及び、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する原子炉等規正法の関係規則等が改定され今年から施行となっています。
これに対し省令改定作業中止を求める省庁交渉と「被ばく労働を考えるネットワーク」主催の学習討論会が昨年の7月に行われています。
この、緊急時対策時の原発労働者はどのような処遇として受け入れされるかは国際基準において「志願者」という要件があり、これは「リスクを理解し訓練を受けた『志願者』でなければならない」という条件が明記されています。
では、訓練とはどのような事例が訓練となるのでしょうか。防護服の着脱訓練くらいはできるでしょうが、福島第一や除染現場のような汚染されていない模擬現場を作りそこで訓練というようなことが可能でしょうか。なぜなら作業員として初めて、しかもまったく知識のない人も「志願者」として作業に加わる可能性は否定できないからです。
少し話題が逸れますが昔、戦争の頃、徴兵というのがありました。徴兵は訓練して戦地に赴いたでしょうか?下士官などは別にしても戦地に赴いてから訓練したというのがほんとうの事です。
そして、広島や長崎に原爆が投下されましたが被爆した犠牲者を助けるために入市した人たちが大勢いますがこれも徴兵に近いかたちで徴用されたのです。(これについては何度もブログ記事にしています。)そして、多くの人が被ばくにより、晩発性のさまざまな疾病や差別で苦しまなければならない現状があります。

さて、前述の「被ばく労働を考えるネットワーク」http://www.hibakurodo.net/?page_id=60 では、緊急作業について討論会が開催されていますが、その質疑・応答において長崎から参加された藤田裕幸さんが次ぎのように述べられています。

1)「被爆者手帳を持っている広島・長崎の被爆者と放射線管理手帳をはもっているけれど被爆者と全く権利状況が違う・・・」

2)「原発事故の作業員の被ばくで一番大きな集団はチェルノブイリのリクビダートルという労働者・兵士たちです。このリクビダートルの被ばくに関するデータがどこにも示されていません。本来それをもってこなければ、被ばく限度の議論は全く意味がないと思います。」

3)「三つ目は、労働者の被ばく線量は公衆被ばく線量といつもリンクしています。1960~70年代までは労働者の被ばく限度50msvに対して公衆被ばく線量は5msv、労働者:公衆は10:1の関係です。
1980年代に公衆被ばく線量が5msvから1msvに下げられたとき、労働者被ばく限度も50msvから10msvに下げるべきだったのですが、原子力産業側が抵抗して50msvが温存されました。こちらも抵抗して100msvを入れさせたわけです。」



4)以前、日雇い労働者が無権利状態で被ばくして体調を崩し使い捨てられ野宿者になるという問題について省庁交渉を行いましたが、何も獲得できませんでした。広島・長崎の被爆者の場合は、交渉して権利を勝ち取っていました。この違いは何かというと、当事者が運動の前面に立っているかどうかなのです。私とかなすびさんとかが交渉しても当事者がそこにいないと運動は全然前に進みません。原水爆禁止運動は被爆者が前面に立ったからある程度の前進を得ることができたのです。・・」

(尚、この資料は昨年12月12日に「被ばく労働を考えるネットワーク」主催で早稲田奉仕園リバティーホールで開催された寺尾紗穂トーク&ライブの時に配布された冊子を参考にさせていただいています。)

まず、1)の権利状況が違うということを考えるわけですが、大まかにいえば原爆による被爆者と原発労働による被ばく者の違いは法律上の原爆被爆者の定義として、「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(被爆者援護法)」があり、これによって権利を主張できるわけで、原発労働者の場合は労働安全衛生法、炉規法などによって権利を主張できるのですが、下請け労働者にとってはなすびさんが交渉された時のように要をなさない法律でもあるわけです。では、4)に記述してあるように原発労働者も「前面に立つ」ということですが私はこれも難しいと思います。なぜなら現役の下請け労働者の場合だったら、なすびさんが指摘されてるように使い捨て、野宿者にもなりかねないからです。
なぜ、このような事例が起きるかは再三にわたって私は主張していますが、日本の労働社会というのは多重構造になっているからです。平時の原発労働においても、あるいは、除染労働然りで日雇い労働がまかり通っている現状においてはさらに難しい問題だと思います。
しかし、なすびさんが言われるように「再稼動阻止につながるあらゆる局面での取り組みを並行して行うことが重要・・・・」というのも大切だと思います。
尚、平時の原発で働く下請け労働者、あるいは働いていた労働者の健康被害の泣き寝入りを無くして行くにも寺尾紗穂さんのような取材は貴重だと思います。


2016/1/2 文責・執筆・ブログ管理:弓場清孝(実名)

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