今日は「昼間部3年の四人組」と「ICF」について勉強しましたので,国家試験に出題されている「ICFに関する問題」を一緒に解いてみましょう!!

では行きますよ!

共通分野(44回問題63)
問題 活動制限に対する治療場面を示すのはどれか.2つ選べ.
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さあ,解りましたか?では説明しましょう!!

解答・・・2,5(活動制限に対する治療場面を示すのは 2,5 です.)
解説・・・「ICF」における「活動」は,「課題や行為の個人による遂行」のことで「生活機能の個人的な観点」を表します.(ICFの本にこんな風に難しく書いてありますが,簡単に言うと・・・,「基本動作,セルフケア,ADL上の動作のこと!」と思えばいいです.

「活動制限」は,それら「活動(基本動作,セルフケア,ADLなど)」が制限されたことをいいます.

そして「活動制限の程度」は「軽度,中等度,重度,全て」の4段階で表します.

この「活動(基本動作,セルフケア,ADLなど)」の遂行状況を「生活の中で実行している,実行していない)」と「環境を設定すればできる,できない」で表します.

以上のことを踏まえて考えると,活動制限に対する治療場面は,「2(更衣動作訓練)と5(歩行訓練)」になります.

その他の,1(立位バランス訓練),3(大腿四頭筋筋力増強訓練),4(手指の関節可動域訓練)は全て,「機能障害(impairment)」に対する治療場面になります.

では,もう1問です.

共通分野(43回問題66)
問題 国際生活機能分類(ICF)で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.ICDの後継分類として生まれた.
2.活動とは課題や行為の個人による遂行のことである.
3.個人因子は循環因子の一つである.
4.活動と参加の領域は単一のリストとして示されている.
5.能力とはある課題や行為を遂行する個人の実行状況を表す.

さあ,もう解りましたか?では,解説します.

解答・・・2,4(ICFで正しいのは 2,4 です.)
解説・・・
1.「ICF」は「ICIDH」の後継分類です.では「ICD」とは何か?「ICD」は「国際疾病分類」のことであり,健康状態(病気〈疾病〉・変調・傷害など)をアルファベットと数字でコード化しており,アルファベットが大分類,数字が中分類を表したものです.

2.「活動」とは「課題や行為の個人による遂行(基本動作,セルフケア,ADL上の動作のこと!」)」のことです.

3.「個人因子」は「背景因子」の一つです.「背景因子」には「個人因子」と「環境因子」があります.

4.活動と参加の領域(d:domain)は単一のリストとして示されています.第1章:学習と知識の応用,第2章:一般的な課題と要求,第3章:コミュニケーション,第4章:運動・移動,第5章:セルフケア,第6章:家庭生活,第7章:対人関係,第8章:主要な生活領域,第9章:コミュニティライフ・社会生活・市民生活,の9章から成ります.

5.能力とは,「活動」における「ある一定の環境における個人の課題や行為を遂行する能力」を表します.福祉用具や人的支援をともなう場合と,ともなわない場合の両方について評価します.

では,最後の1問です.

共通分野(42回問題66)
問題 国際生活機能分類(ICF)の用語で誤っているのはどれか.
1.心身機能・身体構造は心身の生理的・解剖学的状態を示す.
2.活動とは個人が行う課題または行為の遂行状況を示す.
3.参加とは障害部位の日常生活での利用状況を示す.
4.環境因子とは個人に影響している物理的・社会的状況をさす.
5.個人因子とは個人的特徴で生活機能と障害に影響する因子をさす.

ここまでくると,もうお解りですね.

では解説します.

解答・・・3(ICFの用語として誤っているのは 3 です.)
解説・・・
1.「心身機能は心身の生理的状態」を,「身体構造は解剖学的状態」を示します.

2.「活動」とは「個人が行う課題または行為の遂行状況(基本動作,セルフケア,ADL上の動作のこと!)」を示します.

3.「参加」とは「生活・人生場面への関わり」,つまり社会の中での「他者との関わりや交わり」を表します.

4.「環境因子」とは「個人に影響している物理的・社会的状況」を,つまり人的環境(家族や介護者など個人に関わる人々)や物的環境(家屋,生活道具,福祉用具,自助具など)をいいます.

5.「個人因子」とは「個人的特徴で生活機能と障害に影響する因子(年齢,性別,性格,趣味,過去の体験など)」のことです.

第42回の国家試験から「ICF」の問題が出題されるようになり.「ICIDH」は出題されなくなりました.

今回の第45回も当然「ICF」の問題が出題されるはずです.

再度「ICF」について,しっかりと勉強しましょう!!