2016-01-10 10:42:07

時の止まった赤ん坊

テーマ:今日の出来事
曽野綾子さんの小説「時の止まった赤ん坊」を読みました。

昨年末、参議院のODA視察でマダガスカルに行きました。
その時に、聖フランシスコ病院のシスターで日本人の平間理子さんとお話する機会がありました。
彼女は、日本でも東京の聖母病院や北海道の天使病院なども運営している聖母会の派遣でマダガスカルにきて20年以上たつそうです。彼女は助産師でもあり、マダガスカルの病院で日々出産に立ち会っています。



マダガスカルには、平間シスターのほかに、同じようにシスターであり助産師である日本人がもう一人います。牧野シスターといい、すでに80歳を超えながら現役で活躍なさっています。

また、すでにお亡くなりになりましたが、遠藤シスターもこの地で何十年も活躍なさっていました。「時の止まった赤ん坊」の主人公のモデルがこの遠藤シスターだそうです。


お会いできた平間シスターが私に「マダガスカルでは病院で働く看護師はひとりひとりが自分の血圧計をもっているのよ、わかる?」とおっしゃいました。

日本の感覚でいうと血圧計は病院の備品であり、看護師はそれを使います。この謎かけの意味がわからなかったのでどうしてですかと聞いてみると、「盗まれるの」と一言おっしゃいました。

その貧しさがゆえに、いまでも備品の盗難が多いそうです。ですから備品は自分で管理するのが普通なのです。廊下の電球が盗まれるので電球を針金で守っているとか、トイレの便器が丸ごと盗まれたとか、ビックリするような話をしてくれました。

もちろん盗むことはよくないことです。でもその背景があると思い、平間シスターのことを思い出しながら、「時の止まった赤ん坊」を読みました。この小説がかかれたのは1980年代ですから、大分前のことです。でもここにも同じように物がなくなる話が書かれていました。


背景はもちろん貧困。物がなくなるくらいではすまず、生まれてくる命の価値の低さがこれでもかというくらい次々に小説に書かれています。読んでいてつらくなります。

生まれたばかりの子供がすぐに死ぬのは、お兄ちゃんやお姉ちゃんの命を生かすため。それゆえに死んだ赤ちゃんの命に価値が生じる。こんな感覚です。日々食べていくのも大変な家庭にとって、一人の子供が増えることは家族全体の危機がますということでもあります。


マダガスカルを視察する前にエチオピアの干ばつ地域にも行きました。干ばつで食料がままならず、生まれたばかりの赤ちゃんたちはやせ細っていました。会った赤ちゃんたちの半分は5歳まで生きていないだろうと、案内してくれた現地の方が僕らに耳打ちしました。

小説から30年以上たった今でも、小説に書かれているような現実は存在しています。


アフリカでもいま経済が大きく成長しています。エチオピアは一昨年世界でもっともGDPを成長させた国です。しかしまだまだ貧困の厳しさも続いています。

現地をみて、現地の人に会って、話を聞いたことで、場面が浮かぶように小説が読めました。小説を読むことで、見たこと聞いたことの背景がよりわかりました。

私たちがすべきことはまだまだたくさんあります。


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