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2012-04-04 16:46:31

横浜におけるPTA会費徴収 24年度より適切化の動き!

テーマ:PTA

2月の上旬、以前から私が問題提起をしている川島小学校のホームページを久しぶりに見てみた。
新年度の保護者向け説明ではPTA会費の徴収に関して改善がなされているかもしれないと期待してのことである。
ところが、ネットで公開されている、24年度新入生保護者向け参考用文書を見る限り残念ながら何も変わっていなかった。
(その文書は現在、削除されている)

そこで、横浜市の広聴制度「市民の声」に次のような投稿をした。

*****
学校納入金の徴収方法に問題があります

川島小学校のホームページには、平成23年度新入生の保護者宛の「入学のしおり」が掲載されています。
そこにある「学校納入金について」という文書では、PTA会費を支払わないケースについての言及が一切なく、PTA会費の支払いは給食費等と同様に義務であるとの誤解を保護者に対して与えかねません。

次年度の保護者宛て文書においては、PTA会費の支払いは任意であることの明示と、PTA会費を支払わない場合の「納入額」の具体的な提示を求めます。

川島小学校と同様の方式の学校があった場合、同様の処置を求めます。

保護者に対して誤解を与えない、透明で公正な学校事務を行っていただけますよう要望いたします。
*****


そして、2月28日付の回答が「市民の声」に載った。

<回答>
PTAは任意団体であり、入退会も自由です。この点については、校長会等を通じて、学校説明会等で保護者に周知するよう学校長へ説明しています。

ご指摘のあった学校に確認しましたところ、入学当初にPTAの活動について保護者に説明し、ご理解いただいた上で入会していただいており、その上で、学校はPTAから委任されPTA会費の納入事務を行っているとのことです。

PTAは、子どもたちの幸せを願い、保護者と教職員が対等の立場で、子どもたちの健やかな成長を共に支えあう活動ですので、今後とも、ご理解、ご協力くださいますようお願いいたします。

<問合せ先>
教育委員会事務局総務部生涯学習文化財課
電話:***** FAX:*****
http://cgi.city.yokohama.jp/shimin/kouchou/search/data/23006334.html


回答の中段にご注目いただきたい。
具体的にどのような内容を指しているのか分かりにくいので、今月の2日に「問合せ先」の生涯学習文化財課に電話して聞いてみた。
PTA担当のSさんが対応してくれた。

まず、以下の3点につき、たずねた。

① 「入学当初にPTAの活動について保護者に説明し、ご理解いただいた上で入会していただいており」とあるが、「保護者に説明し、保護者の理解をいただいている」の「主語」は何か?

② 「保護者に説明し」とは、具体的にどのような説明をしているのか?

③ 「保護者の理解をいただいている」とは、具体的にどのようなことをしているのか?


① については、「学校とPTAである」との回答だった。

② については、「今回の回答にもあるように、校長会等を通じて、PTAは任意団体であり、入退会も自由であることを学校説明会等で保護者に周知するよう学校長へ説明しているので、それにそった説明がなされるものと理解している」との回答。

③ の質問については、Sさんは絶句し「なんでそんな細かいことまで…」と言われてしまったので、「回答にある『説明と理解』とはインフォームドコンセントのことだと言えるが、その場合、相手が真に理解・同意できたかどうかの確認は当然きちんとなされるべきで、そこがいい加減になされるなら、従来通り、実質的には自動的・強制的な加入になってしまうから。」と質問の意図を説明した。

この点については、T主任指導主事が代わりに電話に出てきて説明してくれた。
いわく、「2月に意見をもらった段階で、川島小学校の校長先生からはこの件について報告を出してもらうことになっている。 保護者に向けてどのような説明がなされ、どのように理解が得られたかはそれを見ればわかると思う」と。
その報告書は、新学期になってしばらくすれば出てくるはずだとのことであった。
その報告書を待ちたいと思う。


もう一点、そもそも私が投稿で問題にした、学校納入金の支払いを保護者に求める文書の書き方の問題(PTA会費の支払いが給食費と同様に義務だと誤認させる書き方になってしまっている点)については、「回答」の中で何も答えていただいていない点に触れると、それについては、学事支援課の方で今回新たな対応を行っていて、当方が問題に感じている点は解決するはずだと言う(Sさん)。

そこで、以前に何度かお話しさせていただいている学事支援課のK係長に問い合わせることになった。
すると、嬉しいことに、今回、学校事務に関わる「手引き」を改定することになり、その際に、当方が前から問題にしてきた「PTA会費の支払いを給食費等と同様に義務だと誤認させてしまう問題」を解決すべく、学校納入金の支払いを保護者に要請する際の文書のサンプルに変更を加えたと言うのだ。

具体的には、

PTA会費についてはPTA会員のご家庭から徴収させていただいています。

との一文を入れたとのこと。
(なお「手引き」は4月2日の時点では決済が降りておらず、でも4月5日の入学式には間に合うべく頑張っているとのこと。「もっと早くできなかったのですかね。」と言うと、学校納入金を保護者に納めてもらうのは5月に入ってからだと思うから何とか間に合うのでは…と。)

これは大きな前進と言える。
当方の全くの想像にすぎないが、抵抗する動きもあったかもしれない中で、適正化を進めていただいたこと、本当にありがたく思う。

この手引きが無事発行されたならば、PTAの任意加入の大きな妨げになってきた「学校による教材費等との有無を言わせぬ抱き合わせ徴収」が改められることになる。

日本最大の市区町村である横浜市におけるPTA会費徴収の適正化は、全国規模の適正化につながることが期待される。


なお、ほぼ一年前のK係長とのこの問題をめぐるやりとりは、拙エントリ「神奈川県教委による、文科省発「事務連絡」の処理」中のコメント35に紹介してあります。


<追記その1>(2012.4.5)
横浜市(誤り)→(正しくは)「厚木市」緑ヶ丘小学校のホームページには、「緑ケ丘小学校へ入学する方へ」というコーナーがあり、その中に、「給食費・PTA会費の自動支払いについて」というタイトルのついた項目があり、以下のような説明が書かれている(2012.4.5確認)。
(2012.6.8訂正)

*****
給食費・PTA会費の自動支払いについて

給食費とPTA会費は,横浜銀行の口座からの自動引き落としになっています。
給食費は月額3,700円、PTA会費は月額200円を6月に一括で集金します。(200円×12+保険100円=3700円)
銀行からの引き落とし日は、毎月5日。1回の引き落としには52円の手数料がかかります。
*****

なお、↑の文書は、今日、緑ヶ丘小学校のHPで見つけたものである。
以前他の学校でも同様の説明がされているのを見たことがある。
それらが今後どのように変わっていくのか確認していきたいと思っています。


・・で、ちょっと試しに検索してみたら、24年度からの「給食費の公費化」を踏まえての学校納入金の案内を見つけた。(横浜市立茅ケ崎東小学校の例)

「給食費の公費化に伴う、学納金の手続きについて」←ポチしてください。

しかし、PTA会費の支払いが任意であることは全く出ていない。
(2012.6.8追記)
今の時点で確認すると、PTA会費を支払うのは「会員のみ」であると明記されている!
私が見落としていたのか、私が以前に確認した後に修正されたのか近く確認してみたいと思っています。


(2012.7.9追記)
学校に確認を入れたところ、5月の連休に入る前後に、学校の内部で話し合い、「そうしたほうがいいね」となり、「PTA会員のみ」との注記を入れることにしたとのこと。
準公金マニュアルの改訂等がきっかけになったとのことでした。
(以上、副校長先生に確認)


<追記その2>(2012.4.6)
「説明と同意」(インフォームドコンセント)については、拙エントリ「文法的観点から見た「主体」に対する意識の希薄さ ― PTA問題の底流にあるもの(4)」(2011.01.03)における、本文末尾の「つぶやき」と、それを受けてのコメント1~3をぜひご参照ください。


<追記その3>(2012.4.27)
横浜市教委学事支援第二課に、4月上旬発行予定とのことだった「準公金マニュアル」は出たか確認したところ、「確かに、出ました。」とのこと。「PTA会費は会員から徴収するものです」との注意書きも入ったか尋ねると「それも入っています。」、とのこと。
「もしや…」とちょっと心配もしていたので、よかったよかった、です。
いずれ、現物を見てみたいと思っています。
※「準公金マニュアル」についてはコメント41参照。

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2012-03-16 17:10:35

「日本型PTAに認められる問題点 ―ないがしろにされる『主体性』―」『世間の学』VOL.2

テーマ:PTA
PTAをテーマとした論文、「日本型PTAに認められる問題点 ―ないがしろにされる『主体性』―」が日本世間学会の学会誌『世間の学』VOL.2に掲載されました。

以下のAmazonのサイトで、書影と目次(収録論文のタイトル)を見ることができます。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4905160022/ref=dp_toc?ie=UTF8&n=465392

ちなみに、『世間の学』VOL.1については、こちら。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4905160014/ref=dp_toc?ie=UTF8&n=465392


主張の大筋は拙ブログでこれまで取り上げてきたことと変わらず、目新しい論点があるわけではありませんが、日本型のPTAのどういうところに問題があるのか。その現象面と背景をまとめてみました。


目次は以下の通りです。

*****
0.はじめに
0.1 中学校の保護者時代におけるPTA問題との遭遇
0.2 PTA問題解決に向けての個人的な歩み

1.日本型PTAにおける問題点
1.1 「承認」されている自動的・強制的入会
1.1.1 日Pのスタンス
1.1.2 「単P」のスタンス
1.1.3 教委のスタンス

1.2役職の強要

1.3役職の負担

2.改革への動きとその停滞
2.1 改革への機運と正常化への動き

2.2 改革の足踏み

3.現時点において懸念されること
3.1「タテマエとしての任意加入体制」の推進

3.2非協力的な親との烙印

4.ないがしろにされる主体性
4.1 教育行政側の問題

4.2 保護者の側の問題

4.3 問題の背景

おわりに
― 「個人と社会」への萌芽
*****


(注)の最後のところに、

***
この国における「主体性」の扱われ方を考える時、日本語に認められる「主体性」の希薄さを無視することはできない。これについては、鈴木孝夫氏、木村敏氏、池上嘉彦氏等の指摘がある。この問題については、稿を改めて論じる予定である。
***

と述べました。

来年度の『世間の学』では、ぜひこの問題を論じてみたいと思っています。

日本人にとって、「主体」とはどういう存在なのか。
PTA問題とは、けっして例外的かつ表層的な底の浅い問題ではなく、我々の「存在のあり方」と深く関わる問題だと思うのです。

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2012-02-21 21:53:02

川端裕人氏小金井講演補足篇(+最近思うこと)

テーマ:PTA

川端さんの講演には少しわき道に入ったお話の中にも興味深い話があったので、紹介させてもらいます。

<非入会選択の事情>
お子さんが中学に進んだときに川端氏は非入会の道を選択されたわけだが、今回の講演ではその裏事情のようなものが語られた。
当初川端氏も中学のPTAに入り、改革派の会長になって大きく改革することも考えていたようである。そのことを中学に子どもが通っている知りあいの保護者にそれとなく振ってみたところあまり乗ってこなかったので思いとどまった、とのこと。

私は、これは日本のPTA問題の解決のためには非常によかったと思うのだ。

川端さんが非会員になったことでどれだけ多くの保護者が救われたか。また、非入会という選択肢がありうることをどれだけ多くの人に知らしめたか。
この歴史的な意味は本当に大きいと思うのだ。

まあ、会長になってどんな改革をされたのかも知りたかった気もしますが。


<動員発生の背景>
PTAの悪習の一つに動員があることは広く知られている。
しかし、それがどのようにして成立しているのかは私もよくわかっていなかった。

川端さんは副会長を1年余やっていたので、副会長でしか知りえないような事実を教えてくれた。
ひとつは、教委やP連から「何人参加しますか?」というアンケートの形で事実上の動員がかかるそうである。
そして、もうひとつは、へー!と思ったのだが、副校長(教頭)から「いやー、5人出せって言われちゃってさ。」と言われることがあり、それもまた事実上の動員になる、という話である。

以下、当方の感想。
副校長(教頭)から「いやー」と言われたって、「それはお困りですね」と突き放すことは論理的には可能なはずなのに、「副会長」としては通常断れない。

「いやー、うちの息子、5がもう一つほしいって言っているんですよね、せんせ」と言ったって、息子の成績が上がることはあり得ないのに、だ。

なんで、親の側の「いやー、…」は通らないのに、副校長の「いやー、…」は通るのだろうか?

全国の副校長(教頭)には、これからは、ご自分が「やってしまっていること」にぜひ自覚的であってほしいと思う。


<気の毒な副校長>
川端氏によれば、副校長は本当に気の毒だそうである。
どうしてか。上からも下からも言いたい放題言われるから。

そして、川端さんは、今の状態は、副校長が今度校長になったときに部下の副校長に無理無体な要求を突き付けることが予想され、よくないなあと思うと述べていた。
この、いわば「虐待の連鎖」は、PTAの役員間においても認められる問題点であろう。


ここから私の紹介もわき道にそれるが―、
副校長と言えば、つい先日から東京都の公立小学校の副校長先生と「対話」が始まった。

それは次のような情報提供があったからである。
ある小学校の来年度の新入生保護者説明会において、ある保護者がPTAの強制的加入体制や、学校に認められる個人情報保護法違反、公務員の守秘義務違反の可能性に言及し、改善を求めた。
ところが、その保護者の訴えをなんと司会の副校長が「先を急ぐので」と、保護者の疑問には一切答えず、その保護者の質問を打ち切ったという。
(入手した情報の事実性も含めて現在、当該小学校に確認中。なお、説明会中、PTA会長は保護者の疑問に対して一応の説明を行ってはいる。)

ちなみに、その保護者は上の子どももおられ、本部役員を務めながら内部から問題提起を果敢になさっている方である。
しかし、校長先生から「透明人間」扱いされていると言う。
他の役員さんには笑顔で接するのに、自分に対しては完全無視だそうである。
(この辺の事実関係についても学校に確認したいと思っている。)

それにつけても思うのは、その副校長はPTAの副会長だそうである(校長は顧問、教諭はすべて会員)が、その副校長先生は自らの選択として副会長をやっているのか?である。
規約において、校長や副校長の役割を定めているPTAは多いと思うが、これはよく考えたら大問題ではないのだろうか。
教員の人権の問題として。

今後は、このあたりの問題についても、教委や文科省の見解をただしたいと思っている。
とりあえず聞きたいのは、「規約にどう書いてあろうと、副校長や校長にはPTAの役職に就かない自由が、また会員にならない自由があると思うが、そのような理解でいいか?」ということだ。

PTAがその人権を踏みつけにしているのは教職員に対してもである、という点にも今後は目を向けていくべきだと考えている。
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2012-02-06 23:15:42

朝日新聞のPTA記事 ― 記事に寄せられたコメントの9割は賛同意見!

テーマ:PTA
今さらの紹介ですが、朝日新聞教育面で、1/15(日)、1/22(日)の二週連続でPTA問題が取り上げられました。

一週目の記事には、「入退会は自由」、「『原則知って』各地で動き」、二週目の記事には、「見直す動き」、「業務減らし分担も工夫」、「仕事を犠牲 休職も/教員は強制 読者から反響」といった見出しが立っています。

PTA問題については、2010年の2月11日に横浜で行われたPTAシンポジウムの話し合いの様子をやはり朝日新聞( 2010.02.21「PTA、実は入退会自由」)が取り上げていますが、今回の記事はそれを踏まえてより一歩、話を深めたものと言うことができます。

一週目の記事に、「PTAとは?」というイラスト付きの囲み記事があって、「参加は任意なの?」というQに対して、「任意」。さらに単位PTAの「上部団体への参加」も「任意」と明言されているのも、そのような「原則」、「良識」がまったく通用しない世界と長く関わってきた者からすると、感涙ものの指摘なのです。

二週目のイラスト付きの囲み記事は、これまたぱっと見、ほんわか記事なのですが、革新的な内容が紹介されています。
「PTA、ウチの場合は…」と題し、PTAの具体的な見直し策として挙げられているのは、「入退会自由の周知」、「行事や役員数を見直す」、「PTA協議会を休会、保護者会を設置」、「そもそもPTAがない」というもの。

「変わるべきは、保護者の意識・態度のほうではなく、原則から大きくずれているPTAの現体制だ」というスタンスで貫かれています。


仙台市の研究発表会後にファミレスで座談をしたメンバー全員に、一回目の記事の出る少し前に朝日新聞の堀内記者からメールが来ました。

******
それぞれの立場で活動しているみなさんの声を直接聞けたことが、紙面化する際に何より力になりました。ほんとうにみなさん、ありがとうございます。
一つの記事は小さくても、これからもいろいろなブログ、いろいろな媒体の一つ一つの記事がつながって、PTAをよくする流れに加われればと思います。
******

今回、このコメントを紹介していいか問い合わせたところ、快く了解いただき、そのお返事のメールには次のようなことが書かれていました。

*****
おかげさまでPTAの記事は多数のコメントが賛否両論(9割方は記事の趣旨に賛同、1割が「入退会自由にしたらPTAがたちゆかない」のような懐疑的なものでした)寄せられ、本当に励みになりました。
*****

寄せられたコメントのうち、9割方は記事の趣旨に賛同するものだったというのは、なんともうれしい話ですね!!
そのメールには、「これからもねばり強く、取材していきたいと思います。」とも。

記事の末尾には、次のような読者への呼びかけがあります。第三弾、第四弾が楽しみです。
*****
PTAについて、ご意見や体験をお寄せ下さい。住所、電話番号、名前を添え、〒104・8011朝日新聞文化くらし報道部「どうする?」係へ。また、「あのね」への投稿は名前と電話番号を添えて、「あのね」係へ。FAXは03・5540・7354、メールはkodomo@asahi.com
*****


【追記】(2/16)
PTA問題を非常に分かりやすく説く「PTAのホントのところ」でも、朝日の記事について取り上げられています。

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2012-02-04 23:47:05

川端裕人氏のPTA講演会に参加して(小金井教育フォーラム・PTA連合会講演会)

テーマ:PTA
本日、東京学芸大学で行われた川端裕人氏のPTA講演会に参加してきました。
今日の「小金井教育フォーラム・PTA連合会講演会」は、小金井市P連と小金井市教育委員会との共催事業で、前半の研究発表会は教委主催、後半の講演会はP連主催と役割分担がされていました。

実は本日起きてはじめて、FJNさんのブログに出ている情報で知った次第。
講演前の立ち話で聞いたところ、川端さんも「もっとこじんまりとした内々の集まりだと思ってブログでも告知しなかった」そうです。

私は後半の講演会から参加したのだが、掲示されている式次第を見ると、冒頭、「開会のあいさつ」を教育委員長、「来賓あいさつ」を市長と市議会議長が行う、ばりばり“公な催し”でした。各小中学校の校長先生も参加していたようです。このような催しにおいて、入退会自由を訴え続けている川端氏の講演が行われたということは、時代の変化を示していると同時に、今回の講演を企画し、GOサインを出された関係各位の英断は素晴らしいと思いました。

司会は、中学のPTA副会長をされているお父さんで、この方が今回の講演の発案者のようです。
「小金井市のP連が誕生してから半世紀。このあたりで、PTAとは何ぞやと考えるべき時が来ているのではないかと思い、今回の公演を企画しました。」


さて、講演は、「今、PTAの問題が大きく動いている感がある。PTAがはらんできた潜在的な問題が大きく浮上してきているように感じる。」ということばで始まった。

つづいて、随所で役員の立場に理解を示しながらも、概略、次のようなことが述べられました(触れられた話題のうちのいくつかを省略していることをあらかじめお断りしておきます。)。

○この国の法律や社会常識に照らして、参加が義務ということはあり得ないのに、本人の価値観や事情を無視して参加を要求されるための軋轢が全国いたるところで認められる。それを「PTA悲劇」と呼んでいる。これは「日常化する人権問題」であり、看過することはできない。

○非参加者がこれから出てくると思うが、非参加者の子どもを「区別」することのないよう、くれぐれも注意してほしい。PTAは、「会員の子どものための活動」ではなく、「全児童・生徒に対する活動」なのだから。
そもそも、児童・生徒は全員、PTAの会員ではないのだ。

○これまで、市教委のPTA担当者が「入会を強制された」とか「子どもが差別をされている」という相談を保護者から受けても、「よく話し合ってください」としか言わないケースが多いが、これからは「PTAを退会して差別されるならそれはPTAの方が悪い」と答えられなくてはおかしい。
「PTA主催の行事に参加させない」といった、退会者の子どもに対する心ない仕打ちのケースを知っているが、ここにいる皆さんにはPTAの原点を考えてほしい。

○PTAから酷い目にあわされても泣き寝入りをする会員が多いが、これからは訴訟リスクすらあることを認識すべき。訴えられた場合、PTA会長が矢面に立つことになる。

◎では、どうすればいいか。
PTAをサークル化すればいい。最低限、クラスの保護者と教師が話し合うための何らかの仕組みは残して、その他のことは、「有志がいる限りにおいてやる」とすべきだ。
行政側は「保護者代表」を求めるかもしれない。そもそもひとりひとりの保護者に向き合うべきだと思うが、必要と言うなら、現在、構築されつつある「学校理事会」の保護者枠を拡充すればいい。


と、PTA問題に関心を持つ者にとってはこれまでいろいろな機会に触れることのできたカワバタPTA論なわけだが、それが今回は教委・P連・学校関係者を前にしてなされたところに大きな意義があると思うのだ。


一通り川端さんの話が終わった後、司会の方が市長に話を振った。
「川端さんのお話をうかがって、感想を一言。」

すると、
「小金井市の教育がうまく行っているのは、ここにお集まりのPTAの皆さんの存在あればこそと思っております。今日のお話で改めてそのことを強く感じた次第です。」
と、川端さんの講演内容とどこでどうつながるのか?と理解に苦しむコメントだった。

私などは「???」状態だったが、川端さんは次のように切り返した。
「市長は今、『小金井市の教育がうまく行っているのはPTAのおかげ』と言われたが、その場合、PTAを『保護者』という意味で使われたと思う。しかし、『PTA』には教員も入っているし、保護者の中にも入っていない人がいる。つまり、『PTA』は保護者を代表するものではない、というのが今日の話の眼目なので、そのことを頭の隅に入れておいていただけるとありがたい。」

その時の、市長さんと、その隣におられた教育委員長や教委幹部とおぼしき人々の何とも困ったような半笑いの表情が印象的だった。

司会の方がまとめとして、川端さんの「PTA進化論」の次の一節を引用して締めくくられた。

**
ぼくは自分自身の実体験や取材を通して、今のPTAが大きな問題を抱えていると感じている。日本全国で1000万人以上が活動に携わっており、常に会員は入れ替わるため、関係者・経験者の数は膨大だ。もしそのありように問題があるなら、PTAだけではなく、われわれの社会全体の問題ととらえた方がいい。
「PTA進化論①」より
**


「閉会のあいさつ」として、小金井市P連の会長(女性)さんが緊張されながら挨拶された。
単Pの会長は二度目で、今回はご自身の所属する学校が「当番校」だったのでP連の会長もされているとのこと。
「今日のお話には納得できたところもそうでないところもある。しかし、今日のお話に出てきた『PTA悲劇』をはじめとするキーワードには私たちが振り返るべき点が多々あるように思った。今日のお話を踏まえて、PTA活動をもう一度見つめ直して行きたい。」

「P連の会長さん」などというと、私のような人間はつい敵対的な目を向けてしまうのだが、今回の企画を通したことといい、本当にご立派だと思った。そして、その会長さんの様子に、読み込みすぎかもしれないが「安堵」さえ感じた。
そう言えば、(あくまでも私の印象だが)会場に集まっている多くのPTA関係者の表情にも川端さんの話に対するわだかまりのようなものがほとんど感じられなかった。

ここからさらに飛躍するが、PTAの中心メンバーとなってやっている人のかなりの部分は、「全員加入体制」のある意味「犠牲者」でもあるのかもしれない、とも思った。
「入らない・活動しない」という選択肢が事実上封じられている『体制』において、母親(あるいは父親として)として、「どうせならPTA活動に頑張る」という選択をとったとして誰が責められるだろうか。

最終的に責められるべきは、やはり『体制』なのだと思う。

「全員加入体制」さえ改められれば、「やらない人はずるい」という声も上がらなくなるだろうし、「非会員の子どもは参加させない」といった差別もなくなるのではないだろうか。

そんなことを感じさせられた実り多い講演会でした。
FJNさん、柳下さんとも久しぶりにお目にかかれたのもラッキーでした。

【追記】(2/5)
川端さんのtwitter(@Rsider)で言及されたので、以下に引用しておきます。

***
「まるおの雑記帳」で昨日の小金井での「PTAこれからどうなる」の様子がリポートされてます。たぶんぼくまとめるよりライヴかつ正確です──『川端裕人氏のPTA講演会に参加して(小金井教育フォーラム・PTA連合会講演会)』 http://amba.to/z9hriv

あらためですが、小金井のP連のみなさんに感謝。「動員しない」ことを条件に引き受けるという変な演者に対して、「え、動員?ってなんですか?」と最初言われたことの背景がわかりました。かなりゆるい雰囲気。1時間と少し話している間も、ぼく自身この話題は久しぶりで、軸がぶれていたのに・続

非常に熱心に耳を傾けてくださいました。たぶんぼくが経験した世田谷のPTAよりは「ゆるい」小金井だけど、時間的圧迫は分布の違いこそあれ、やはり多大なものがあり(挙手で確認)、おそらく相似形の問題は沢山あると思います。そろそろ、ちゃっちゃっと解決すべきときか、と。

PTA講演をするのにたいてい相手はPTA役員だったりする。たいてい善意で引き受けている、いい人たちである。善性なるものがあるとして、彼女ら彼はとてもその属性の強い人であると思われる。なのにぼくは、耳の痛いことをたくさん言わなければならない。これはいつもフラストレーションだ。

まるおさんと、ぼくは、決して意見が似ているわけでもなくて、むかし、ブログのコメント欄でバチバチやっていたことなど今も探せば見つかるはず。でも、こと、PTAが人権問題にかかわるという点においては近く、また、彼の熱心な取り組みにもリスペクトなんですよ。
***


痛み入ります。
「ぼく自身この話題は久しぶりで、軸がぶれていたのに(小金井のP連のみなさんが)非常に熱心に耳を傾けてくださいました。」とあるが、私などは聴衆のリズムに添いつつ、びしっと芯が通っていることに感心することしきりだったです。


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2012-01-28 15:40:28

「小平の風」に仙台市教育課題研究発表会と朝日のPTA記事のこと

テーマ:PTA
ちょうどまた当番が回ってきたので、勤め先のブログ「小平の風」に仙台市教育課題研究発表会に参加したことを書きました。

「ネット」の力 ― 仙台市教育課題研究発表会に参加して

少なくとも五年くらい前に比べて、現在、PTA問題は大きく解決に向けて前進しているように思うのですが、そのことに果たすネットの役割は「巨大」だと言っても言い過ぎではないでしょう。
もしもネットがなかったら、たぶん、10年前の「暗黒時代」と何にも変わっていないのではないでしょうか?
そんなネットへの思いを仙台の研究会に参加してみて改めて強く思ったので、上のようなタイトルで書いてみました。

なお、「ネット」の力を過信することの危うさについて、本日、拙ブログに「やまざき」さんからコメントをいただきました(本エントリ直前のエントリのコメント44)。
う~ん、タイムリーだ。


<「小平の風」の過去記事>
・神戸・京都・奈良研修 ~伝統文化と欧米の文化~

・This is a pen. を日本語にできるか?

・「好きです」に面くらったフランス人の日本文化論-主体=「創造主」不在の文化-

・日本語とPTA -「主体性と公共性」の希薄さをめぐって―

・日本世間学会

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2012-01-09 23:40:48

「入退会自由なPTAを求めて」を聞いて(5) 朝日の記者さんと意見交換

テーマ:PTA
発表会場を後にして、桝谷さんたちと朝日新聞の堀内記者とともに近くのファミレスに移動し、意見交換。
PTA正常化のために努力してきたことやこれからやってみたいこと、学校側・教員側のPTA問題に対する態度等、いろいろな話題が出た。

座談が終了し、仙台駅に向かうことに。Gururiさんにクルマで送っていただいた。おまけに、駅に到着した後に、せっかくだから「光のページェント」、見に行きましょう! と連れて行ってくださった。そのスケールと美しさに息を呑む。
Gururiさん、ありがとうございました。<(_ _)>

<PTA改革の現状>
その後、大宮駅まで朝日新聞の堀内さんとご一緒することになった。
堀内記者(文化くらし情報部)は、最近まで経済部におられたそうだ。
当初は、「PTAをどううまく乗り切るか?」といったハウツーものの記事を書く案もあったようだが、「そもそもなぜPTAは保護者にとって“しんどい”存在になってしまっているのか」、そこに焦点を当てることにしたようだ。

調べるうちに、少し前までは「全員加入」が当然だったこと、それによって苦しむ保護者がいること、でも、今年(2011)、変革への動きが全国的に見られること、などを短い取材期間の中で押さえておられた。
仲間の記者と手分けして、岡山の改革事例(ライラパパさん)や北海道の事例(六糸坊さん)をすでにフォローされている。
私の方から、北海道では六糸坊さんのケースのほかに、PTA会長でもあるmoepapaさんによる改革が進みつつあること、東京の羽村市では馳平耕三議員が議会でPTA問題を取り上げたこと(2011.3.3)、羽村市で退会者が急増しているPTAがあるとの情報があることと等、情報提供をした。

「変革に向けて動き始めた第一世代の方は、暗黒の中でほんとうにしんどい思いもされたと思うのですが、今年、大きく変わってきたように思います。」とおっしゃる。

その認識には全く同感。


<日本文化論とのつながり>
堀内さんからお話しを伺って、一つとても興味深かったのは― 、
「ファミレスで皆さんのお話をうかがっていて、自分の会社の中のことが気になってきたんです。部署の中に職員の互助会のようなものがあって毎月会費を徴収されて、雑誌を購入したり、忘年会の費用に使われたりするんですね。でも、その金額やその使い道、そもそも集めるかどうかについても、あらかじめこちらの『意思』を確認してもらっていないな…って。これって、よく考えたらおかしいんじゃないかな。そのようなこれまでの『慣習』を変えていくには自分はどうすればいいだろう? 一生懸命お話をうかがいながら、同時にそんなことも考えていたんですよ。」とおっしゃるのだ。

PTA問題とは、日本的な共同体のあり方と深くつながっているという問題意識をつねづね抱いてきた私としては、激しく膝を打つお話でした。

私の方からは次のようなことをお話しした。

研究のテーマとして取り上げてきたのは「だから」や「やはり」の話しことばに特有の用法。それらの表現の使われ方は、「その事態を成り立たせるもの」(=主体・起因)を確認することなく結果・結論を受け入れるという、日本人の傾向を表しており、このことは、PTA問題と通底しているのではと最近、考えるようになった。
文化的な傾向として、「主体・起因」をきちんと押さえようとする志向が弱いからこそ、今日の発表会終了後の立ち話での校長先生の態度のように、あれだけ入会の意思を確認することの必要性が訴えられた後でも、これまでのやり方を変える必要はないなどという態度がとれるのではないか。
「個人の意思」をどうしてあんなふうにないがしろにできるのか、これは、だれそれ先生個人の問題というよりも日本文化、日本社会の問題だと思う。
PTA問題とは、「個」をないがしろにする日本社会の負の側面の縮図と言えるのではないだろうか。

「共同体」が力を持ちすぎ「個」がないがしろにされているという論点は、森有正や土居健郎、オギュスタン・ベルクといった人たちがすでに指摘していることであるが、自分はとても共感している。

森有正は、『経験と思想』の中で、日本には「あなたのあなた」はいるけれど「わたし」はいない。したがって、「わたし」によって構成される「社会」も存在しないということを述べている。
土居健郎は『甘えの構造』の中で、日本においては「集団」の力が強いのに対して、「個人」と「社会」(「パブリックの精神」)の力が弱いと述べている。

「社会」の力が脆弱というのは、PTA問題で言うと、その法的性質が無視されていること(義務ではないのに事実上義務になっている)、本来は「全ての子ども」のための団体のはずなのに「会員の子どもの」のための団体という性質を強く持ってしまっているといったことに見て取れるのではないか。
(だから、PTAにおいてないがしろにされているのは、「個人」だけではなく「社会性」(「公共性」)もなのだ。)


・・・というような話をしているうちに、大宮駅に着き、急いで私は新幹線を降りました。
堀内さんは聞き上手なので、ついついぺらぺらと話してしまいましたが、自分的には考えを整理するきっかけとなるいい機会でした。
ありがとうございます。

************************
前エントリに様々なレスをいただき、ありがとうございます。
当該エントリがその呼び水になったとしたら幸いです。
学校関係者の方に、ぜひ参考にしてもらいたいと思っています。


なお、朝日新聞(東京本社)堀内記者による記事は1月の中旬頃に掲載される予定とのことです。
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2012-01-07 15:42:46

「入退会自由なPTAを求めて」を聞いて(4) 校長先生との立ち話から考えた

テーマ:PTA
※前記事末の予告と少し内容が変わりました<(_ _)>。

発表会終了後、会場で、発表者の桝谷さん、桝谷さんのお子さんの通う寺岡小の校長先生、Gururiさん、デムパさんたちと意見交換をすることに(そばに座っておられた方が、朝日新聞の記者であることは後で知った)。

<改めて校長先生に疑問を投げかける>
私は、質疑の時間に提示した学校・教委関係者に対する問いかけをもう一度してみた。

「保護者と学校の連携としてこれだけは外せないという部分は『保護者会』が担うことで、PTAを入退会自由にしても特に困ることはないと思いますが、どうでしょうか?
『いや、実際問題としてはこんな問題があるんだよ』といった、現場体験を踏まえたお考えがあればぜひ聞かせてください。」

すると、

「他の地域は違うかもしれませんが、仙台ではこれまでずっと100パーセントの参加でやってきたんですよ。そして、その中で、地域活動で活躍する人や議員になる人もたくさん出ているのですよね。」

との返答。
入退会自由にすることには、依然賛成しかねるようであった。
「壁は厚いな」と感じました。


<校長先生からの返答を聞いて考えた>
以下は、現時点での感想。
確かに、PTAが地域で活躍する人材の「苗床」になってきたという一面はあるだろう。しかし、だからと言って、PTAという法的に何の権利も義務も持たない存在が保護者の自由を縛ることを正当化できるのだろうか。

「地域の人材輩出のためには保護者の選択権は制限されてもやむを得ない」ということなのだろうか?

お聞きすれば、そんなつもりはないとお答えになるように思うのだが、「入退会の自由化を推進しない」ということは、つまりそういうことだと思うのだ。


(この国の「社会教育」・「地域コミュニティづくり」への疑問)
年が明けてから桝谷さん情報により知ったことだが、寺岡小の野澤令照校長は、「社会教育」の方面で大変業績のある先生で、前の仙台市教育委員会の次長でもある。
前々回の記事で仙台市における「嘱託社会教育主事」の制度に言及したが、その制度とも深くかかわりがあり、「平成4年度から仙台市嘱託社会教育主事の委嘱をうけ、小学校に勤務するかたわら社会教育にも携わる」(野澤先生の個人サイト)とのこと。

また、野澤校長は「仙台の地域支援本部実施の中心人物」でもあり、政策研究大学院大学・読売新聞東京本社主催の
「「市民協働」と地方の時代の教育 -地域コミュニティづくりが変える地域の教育-」
というシンポジウムのパネリストも務められている。


そう言えば、そのシンポジウムの(たぶん)仕切り役である今野雅裕氏(元文部官僚・現政策研究大学院大学学長特別補佐)は、この国の社会教育、PTA政策に長く関わってきた方だが、今野氏は、かつて、PTAの全員参加体制に触れて、見直されるべきは、「親の網羅的な機械的参加」ではなく、「親の側の意識の浅さ」、「活動の不十分さ」のほうであると主張している。
(『日本PTA50年の歩みと今後の展望』「第5章 新しいPTA運動の発展を目指して 第2節 組織編成の見直し(1)保護者全員の参加で」)
※同様の見解は、こちら でも述べられている。


「校長先生との立ち話から話を広げすぎ」との批判を受けるかもしれないが、社会教育・地域コミュニティづくりの分野において重要な役割を果たしておられるお二人の言動に認められる、その「個」に対するスタンスに大きな違和感を感じるのだ。

「地域」といい、「地域と学校との連携」といい、「協働」といい・・・
それらのものが、「個の抑圧」につながる負の側面も持っていることは、戦前・戦中の日本において「地域」や「絆」が果してしまった役割を少しでも考えてみれば明らかであろう。

その負の側面への反省と警戒を含まない「美しい言葉や活動」には、これからも大いに警戒と批判の目を向けていきたいと思っている。

なおなお、地域支援本部に関しては「設計年度」の新しさからか、少なくとも私の耳に入ってくる限りでは、PTAのような強制性は(少なくとも現時点では)見られないようである。
また、野澤先生に関しては、桝谷さんも「この方の存在がなければ、我が子もどうなっていたか分かりません。おかげさまでいじめなど皆無で、我が子は元気に楽しく学校生活を送っています。彼は野澤先生も担任の先生も大好きです。」と述べておられることを付記しておきたい(Think! PTA! Open BBS【1926】)。


<仙台市教委からの回答?>
桝谷さんから、以下のようなメールをいただいた(2012/1/5)。

*****
嘱託社会教育主事について仙台市教育委員会に質問してみました。
寺岡小学校の場合、野澤校長先生と6年生担任の○○先生がその委嘱を受けているそうです。
嘱託社会教育主事とPTAの関係については「特にない」との返事でした。

市教委のページを見ると、

職務
(4) 地域における社会教育関係団体の育成及び援助
http://www.city.sendai.jp/kyouiku/syougaku/syokutaku/soshiki-settiyoukou.html

と出ているのですが。
PTAは「地域における社会教育関係団体」ではなく「学校の嫁」という範疇に入るのではないでしょうか。
*****

社会教育主事とPTAの関係が「特にない」とは驚くべき回答であると思う。
これが先日の研究発表会での当方の問いかけに対する仙台市教委の回答なのでしょうか。

この国の「社会教育」・「生涯学習」とは、いったいなんなのか?
じっくりと考えていきたいと思います。


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2012-01-03 21:44:34

仙台市教育課題研究発表会「入退会自由なPTAを求めて」を聞いて(3) 質疑応答

テーマ:PTA
発表後、質疑応答の時間になりました。

<デムパさんのコメント>
まず、「デムパ」さんが生徒名簿の流用の件を個人情報保護法の観点から問題にされました。
PTAと法律の問題(裁判沙汰になった時の問題)については、「デムパ」さんが「デムパの日記(12/29)」で改めて取り上げています。
PTA幹部・学校幹部・教委関係者の方、必読ですよ。
現実問題として、(入退会自由とは別の争点ですが)福島県立白川高校のPTA会長が裁判で訴えられて、かなり厳しい立場に追い込まれていますよね。


<まるおのコメント>
さて、私は、以下の三点についてコメントしました。

①「学校所費」としてPTA会費を徴収する問題
意思確認もなしに「学校所費」というくくりでPTA会費が学校によって徴収されているとのことだが、入会の意思確認をした上でならともかくも、消費者契約法にも抵触する可能性大な問題だ。
横浜市でも同様の問題のケースがあり、是正を求めているところである。
進展があれば、拙ブログで紹介したいと思っている。
(ちなみに、2012.1.2に再放送の「マルモのおきて」で双子の兄弟が入学した学校も、「学校所費」としてPTA会費が徴収されていました。書式が桝谷さんが映像資料で紹介してくれているのと瓜二つだったです。)

②PTAに異を唱える者の子どもに対するいじめの問題
******
その前、震災から2、3日後のことだったと思いますが、寺岡・紫山地区の避難所に指定されていた寺岡中学校で知り合った方から、「PTAの問題を取り上げると子どもがいじめられて不登校になったり、保健室通学の憂き目に遭ってしまう」と自らの体験を交えて忠告を頂きました。
******
とのお話は、胸の痛むお話だ。
私のネットでの知り合いにも、PTAに対して筋を通した対応をしている方がいて、その方のお子さんが親のPTAに対するスタンス絡みで不登校になったり、学校で不当な扱いを受けているといった話を聞いている。
PTA問題とこどものいじめ・不登校問題との関連は、全国的な問題なのだと改めて感じた。
日本は本当に、自由で民主主義の国なのか疑問に思いたくなる話だ。

③PTAにみんなが関わる必要性?
「入退会自由を周知しても会員はおそらく減らないだろうと考えています。」とのことであったが、この点に関しては異論がある。
自由にして、入りたい人は入り、入りたくない人は入らない、それでいいのではないか?
いろいろな考え方や事情のある方がいるのだから。

ただ、その際に、学校と保護者が連携するための仕組み(名前はいろいろあるだろうが例えば「保護者会」)を設定する等の工夫は必要になる。
保護者と学校が連携するためのミニマムなものと、有志によるボランティア組織はきちんと線引きすべき。従来その線引きがあいまいなためにあまりにも多くのものをPTAが背負い込まされている。
(なお、この論点は横浜でのPTAシンボ(2010)で元文部官僚の寺脇研氏も主張されているもの。)

この場にいらっしゃる、現場や教委の先生から、「有志による参加のPTAと全員参加の保護者会を分けるべき」と言っても実際問題としてはそううまくはいかないんだという、ご意見があればぜひ聞いてみたいと思う。
             ****************

当方のコメントが終わったところで、司会役の教委の先生が、当方の提示した三つの論点について意見があるか会場に振ってくださったが、残念ながら反応はなかった。
後で、桝谷さんのお子さんが通っておられる学校の校長先生もいらしていたことを知った。


< Gururiさんのコメント>
この後、Gururiさんがコメントを述べられ、桝谷さんと掛け合いとなる。

Gururiさんがご自身の新設校のPTA立ち上げの体験を踏まえつつ、PTAのそもそもの位置づけがきちんとなされていないことが、お金の集め方の不透明さにもつながっている、といった指摘をする。

それに対して、桝谷さん、
「会の性質を説明した上で入ってもらうべきなのに、そこをあいまいにして有無を言わせず会員にし、お金を集める。どうしてそれで平気なのか。僕は非常に不思議です。
もらってしまっていいものかどうかちょっと分からないお金を集めてよくも平気だなと思うのだが、どうですかね?」(映像資料「3/3」4:00あたり)

Gururiさん、
「会の性質をあいまいにしたままやり過ごそうとするのは、『入退会自由』であるとなってしまうと、PTAが立ち行かなくなるということを執行部の人たちは心配していると思うが、立ち行かなくなればなったでそれはそれでPTAが求められていないということであって、必要な機能は『保護者会』が果たしていけばいいだけだと思う。
(中略)
逆に、自由を明言して加入率100パーセントと言うのは不自然さを感じてしまう。」

桝谷さん
「仙台でも青葉区では『入退会自由』を明言している学校があるようで、
同じ仙台市でも、入退会自由をめぐり濃淡があるようだ。
入退会自由をうたいながらちゃんと活動できているPTAは実は結構あるようだ。
そのあたりについて、今は調べてみたいと思っている。」



以下、「(4) 校長先生を交えての立ち話・ファミレスでの座談会」、「(5)帰りの新幹線での朝日の記者さんとの意見交換」に続く予定です。



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2012-01-01 14:19:39

仙台市教育課題研究発表会「入退会自由なPTAを求めて」を聞いて(2) 発表内容

テーマ:PTA
桝谷さんの発表内容(「入退会自由なPTAを求めて」)は、ネット上に公開されています。

こちら


以下に、口頭発表内容の全文を引用させていただきます。

桝谷さんのご発表については、Gururiの日記さん、デムパの日記さんでも取り上げられています。
(拙コメントに言及いただき、恐縮です。)

また、当日は、朝日新聞の文化くらし報道部の記者さんも取材に来ていて、1月中旬のPTAをテーマとした記事で、岡山や北海道での入退会自由化への動きとともに取り上げられる予定とのことでした!


なお、以下の引用中、まるお的に特にびびびと来たところを、勝手ながら赤字にさせていただいています。)
*******************************
入退会自由なPTAを求めて
桝谷哲 (寺岡小学校児童の保護者)
平成23年12月27日発表


こんにちは。今日は私が所属している寺岡小学校父母教師会の現状について、私の体験からご報告します。

仙台市立寺岡小学校とは

昭和60年創設で、仙台市泉区にあります。児童数は747人ということで、市内の小学校としては大きい方だと思います。生徒のほとんどは寺岡と紫山から徒歩で通学しています。写真は入学式の時のものです。

寺小父母教師会(PTA)との出会い

平成23年2月14日に入学児童の保護者向けに小学校の説明会があり、「入学の手引き」という冊子が配布されました。諸費用の中の「学年費」という項目について、小学校まで後日質問に行きました。クラス共同で使う教材の教材費ということでした。その時に「父母教師会、つまりPTAには入らないといけないのですか」と聞いてみました。そうしたら横から女性の教師の方が「PTAに入らないとスポーツ保険に加入できないので、PTAには入らないといけません」と言われました。その時は「そうか」と思って帰ったのですが、3日ぐらいしてから思い切って東京のスポーツ振興センターに電話して聞いてみました。そうしたら「そういうことは全然ない」ということでした。あの先生はたぶんPTA保険とスポーツ保険を混同していたのだと思います。

こういうきっかけでインターネット上でPTAについて調べはじめたのですが、『PTA再活用論ー悩ましき現実を超えて』というWebページを公開されている川端裕人(かわばた ひろと)さんのことは抜かすわけにはいきません。川端さんは作家で一時期ある小学校のPTA役員を務められ、その時の体験から各地のPTA問題について積極的に調べて発言されている方です。『PTA再活用論』は中央公論社から本として出版されています。入退会自由かという問題、役員選びで起こる軋轢、マンネリ化する活動など、PTAに関して起こる問題ならほぼ網羅されています。あと東京の江東区のWebサイトにある区民の質問に答えるページでは、2010年2月22日付けで「社会教育団体は、会の目的に賛同する人々による任意の団体であり、入会を強制されるものではありません」と明記していました。こうした資料を携えて、平成23年2月19日に当時の寺小PTA会長にお会いして、「任意加入をしっかりと明言すべきだ」と提言してみました。

当時PTA会長さんは、PTAが任意加入の団体であることをご存じなかったようで、その時は「他の幹部とはかって改革してみたい」とおっしゃりましたが、実際に他の幹部や学校管理職の方と討論してみるとなかなか難しいようでした。結局「当面はなんら改革はしない」という結論になってしまいました。私は大変失望したのですが、そうこうしているうちに3月11日の震災があり、寺岡小学校では、当初予定より少し遅れて4月11日に入学式を迎えました。

その前、震災から2、3日後のことだったと思いますが、寺岡・紫山地区の避難所に指定されていた寺岡中学校で知り合った方から、「PTAの問題を取り上げると子どもがいじめられて不登校になったり、保健室通学の憂き目に遭ってしまう」と自らの体験を交えて忠告を頂きました。また会長さんからは、2月に「保護者がPTA会員にならないならPTAの予算で配布している1年生向けの黄色い帽子はあげられない」とも言われました。一人だけ黄色い帽子を被っていないと変ですから、いじめにつながる可能性があります。私自身、子どもがいじめに遭うのではないかとかなり悩んだのですが、「出る釘は打たれるが、出過ぎた釘は打たれない」という格言のパロディが大阪にはあります。この精神で突き進むことに決めました。

PTAとは何か

PTAはアメリカが発祥なので、アメリカのPTAについて少し紹介します。
日本では子どもが学校に入学すると保護者も自動的にPTAに加入するというのが当たり前になっていますが、元祖PTAのアメリカではそうではなく、「アメリカでは毎年各家庭がPTAに加入するかどうかを訊ねられ、加入することは「今年も自分ができる範囲でPTA活動をする」という意志の表示となる。」と、インターネット上の百科事典、Wikipediaに書かれています。写真はあるPTAが行っている資金集めのバザーの様子だそうです。

平成23年度 保護者説明会資料「入学の手引き」 (2/14)

さて、PTAに関して寺岡小学校はどのような態度を取っているかと言いますと、先ほど触れた「入学の手引き」の13ページでは、PTA会費は学校諸費の1つと位置づけられていて、給食費や教材費を支払うために銀行引き落としの手続きをすると、PTA会費も自動的に引き落とされます。PTA会費は学校諸費の1つでしょうか。大いに疑問があります。仙台市内では他校でも、「学校だより」の中でPTA会費を校納金と定義している小学校があります。

幻のPTA総会

本来、4月の新学期を迎えて保護者の世界ではまずPTA総会があるべきだと思うのですが、寺岡小学校では震災を理由にPTA総会を中止してしまいました。そして1枚のアンケート用紙を保護者またはPTA会員に配って「意見がある人は意見を書いてほしい」ということになりました。記名アンケートに書かないとPTA幹部に意見を言えないのです。私としては「総会を中止したのだから、今年度は幹部の選任もできないし、予算の執行もできないため、1年間PTAは活動を休止すべき」と正論を書いたのですが、校長先生の取りなしでこの意見は引っ込めることにしました。しかしその後PTAは6月末までクラス委員などを選出せずにまったく活動を休止してしまいます。アンケート形式で総会もどきをやった意味はなかったと思います。

学級役員決定

6月末になり、保護者参観日があり、その日ようやく各学級からPTA委員を選ぶ機会がやってきました。担任の先生が保護者会で1年間の学習目標などを語られた後、PTAの会が始まり、副会長さんたちが教室に入ってきて私たちの1年1組でPTA委員を決めようとしたときに、私の方から「寺小PTAは入退会自由な団体なんですね。役員・委員の選出についても強制はないですね」と質問してみました。副会長さんたちから「その通りです」という返事があり、それではとクラス委員選出になりました。結果は、どの役割も立候補者多数で、数人によるじゃんけん大会で和気藹々と委員が決まっていきました。強制などというものでなかったのは確かです。これは大変よかったです。こういうわけで、寺小PTAが入退会自由ということは、今は1年1組の保護者だけが知っています。

PTA幹部との会合

7月頃だったと思いますが、校長先生のはからいでPTAの会長さんや幹部の皆さんと校長室で会合を持つことができました。その時に「入退会自由ということをはっきり会員全員に分かるようにはできないですか」と問いかけてみましたが、なかなか踏み切れないようでした。大きな変化を起こすには勇気が要るのは確かです。

寺小PTAをめぐる謎 – まとめ

およそ何かの団体に加入するに当たっては入会手続き、入会申し込みというものがあるべきなのですが、この会にはそういうものは一切ありません。まさに自動入会、強制入会です。
会費も給食費や教材費などとともに銀行口座から引き落とされます。ですから会費は小学校の力による強制徴収です。

入会手続きがないので会員名簿が作れません。会員名簿は生徒名簿で代用していて、たとえばプール当番や街頭交通安全の当番割り当ても子どもの名前でやってしまいます。本来は個人情報の流用ということになります。その名簿を使わせている小学校にも責任はかかってきます。
総会以外にPTA運営に関して会員が意見を言う機会がありません。会長たちは会員の意見を聞かないで、反対意見がないので自分たちの運営は完璧に違いないと信じ込んでいるような状態です。
また各クラス内で父母が情報交換、意見交換をする場もありません。

結び - 入退会自由なPTA

PTAは本来すべて入退会自由。日本は自由な国ですから当たり前の話です。単なる社会教育団体に市民を強制加入させる権利などありません。どのPTAだって入退会は自由なのです。

入退会自由を周知しても会員はおそらく減らないだろうと考えています。

みんなが参加したくなる会作りをこれから行っていけばよいのです。自分たち会員がやりたいことは何か、子どもたちや学校に対してどのように関わっていくべきなのか、どんどん意見を汲み上げる仕組みを作れば、会員はそのまま留まってもっと積極的にPTAの運営に関わることができると思います。

ふるくぼ和子さん

この女性は、ふるくぼ和子さんといって黒松小学校の元PTA会長さんです。今は選挙に当選されて仙台市の市会議員をされていますが、PTA会長時代に黒松小学校PTAは入退会自由であることを明言していらっしゃいます。それでも会員入会率は100%を保っているそうです。活気のある会を作れば、会員は減らないのです。

ですからこれからは「PTA、父母教師会は入退会自由です。どんどん加入してどんな会にしたいのか意見を出してください」と保護者の皆様に大きな声で呼びかけてください。そうすることで会員はもっと積極的に参加できて、各校のPTAはますます活力を得るに違いありません。

グッドコミュニケーション!

これは寺岡小学校PTA総会資料です。本年度の基本方針がまさに「伝えあおう! わかりあおう! グッドコミュニケーション」です。是非PTAが入退会自由であることをグッドコミュニケーションで伝え合いましょう。

PTA会員と保護者

それから本当に最後ですが、この教育センターに関する苦言です。センターは教育に関する専門家集団のはずですが、PTA会員と保護者の区別ができていません。非常に残念なことです。この点、改善をお願いしたいと思います。

みなさま、ご清聴ありがとうございました。
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発表後の質疑応答やオフ会(?)での発言内容については、(3)~で。
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