2015-01-21 23:34:47

熊本PTA裁判 PTA、学校・教委の対応

テーマ:PTA問題の実際的解決をめざして
以前の記事でも話題にしましたが、熊本でPTAが訴えられています。
この裁判はもともと簡易裁判所ではじまったものですが、社会的な影響が考慮され、裁判所の判断により地方裁判所において「慎重な審理」が行われることになりました。
地方裁判所での一回目の口頭弁論が1月15日に行われる予定でしたが、直前になって27日に延期されることになりました。被告のPTAが急遽(きゅうきょ)弁護士を付けたためとのことです。

弁護士を付けるとなると相当な費用がかかります。その費用はどこから支出されるのか?
ネットでも、すでに大分のTTさんや、札幌市札苗小のPTA会長であるmoepapaさんが話題にされています。

http://blog.goo.ne.jp/ihoupta
http://blog.livedoor.jp/moepapa516-pta/archives/54314634.html


この裁判の大きな争点を私なりに整理すると、PTAの強制性、詐欺性を問題にする原告(保護者)と、うちのPTAに強制性や詐欺性など全くないと主張する被告(PTA)の争い、ということです。
(新聞報道やこれまでに裁判所に提出された原告・被告双方の書面等を参照しました)

訴えられたPTAは、強制性、詐欺性を全面的に否定しているものの、個々の会員にきちんと諮(はか)ったうえで意見集約されたものなのだろうか?と、前から疑問に思っていました。


<学校に聞いてみた>
そこで、先日(1月19日)、教頭先生に以下の点について、確認してみました。

① 被告のPTAが最近弁護士を付けたようだが、弁護士費用の出所は?
② PTAが強制性・詐欺性をめぐり訴えられたこと、そして、その訴えに対して全面的に抗弁していることについて、各会員は承知しているのか?
③強制性・詐欺性を問題にする原告の訴えに対しどのように対応するのかについて、PTAとして適切に意見集約が行われたのか?

① については、「聞いていないから分からない」とのことでした。
今後、確認する意思もないようでした。
(PTA会費の使途の問題であるのに関知しないという態度が許されるのでしょうか?
教頭先生と校長先生は、PTAの役員会・運営委員会の構成メンバーでもあるのですが・・・。)

② と③の質問についても、「把握していない」という回答。一方で、「各会員に対して何らかの報告がなされるとしたら、裁判の結果が出てからになるのではないか」とも。

教育委員会は今回の裁判をめぐる学校やPTA執行部のあり方を承知しているのか聞くと、「裁判の件に関して、教委には報告・相談はしていない」。


教頭先生とのやりとりから、以下の事情が見えてきました。

・学校は、今回の裁判に関してあくまでも第三者(と言うよりも「無関係者」)の立場に立ち、PTAに対して指導・助言したり意見交換したりということは、ほとんど全くしていないらしい。

・各会員は、今回の提訴に対するPTA執行部の対応(強制性・詐欺性の全面的な否定)について何ら情報を与えられておらず、その方針の決定に関与していないらしい。


<熊本市教委に聞いてみた>
学校の説明に納得がいかなかったので、翌日(1月20日)、熊本市教育委員会に問い合わせてみました。
市教委教育政策課課長のMさんが対応してくれました。

① 学校と深く関係するPTAが訴えられているのに学校幹部が「無関係」とのスタンスをとっていること
② 民主的な組織であるはずなのに個々の会員がカヤの外に置かれて裁判が進行していること
この二つについて、教委の考えを聞きました。

すると、
「今回の裁判は、会長が個人で対応すると聞いている。今手元に資料がないので私の記憶で言うのだが、今回の裁判は、原告と会長との間の問題であり、被告は会長個人であって、組織としてのPTAではないはずだ。」
だから、学校が無関係な立場を取ることも、各会員に情報提供をしたり対応について諮ることがなかったとしても問題ではない、という言い分のようでした。
(さらに、M課長は、原告以外の一般の保護者はPTAが任意であることを理解した上で入会していると理解している、とも。)

しかしながら、手元にある裁判資料を確認したところ、被告は「会長個人」ではなく「熊本市立○○小学校PTA」となっていました。

熊本市教委は、これまで「あくまでも会長個人が訴えられた」との前提で、今回の裁判への対応をしていたようです。もしも被告が会長個人であるならば、裁判については関知しないとする学校のスタンスも、各会員に何の説明・相談もせずに原告の主張を全否定する会長のスタンスも、あるいは認められるのかもしれません。
しかし、事実はそうではなく、訴えられたのは、間違いなく組織としてのPTAなのです。

M課長は「事実関係を確認させてほしい。早速、学校にも確認してみる。そして、ご指摘のように被告がPTAであるならば、今後教委としてどう対処していくのかについては、できるだけ早く回答する」とのことでした。


個々の会員を無視する形で裁判への対応を進めているPTA執行部(あるいは会長個人)。
PTAの存立と運営に深く関与しているにも関わらず、いざ訴えられたら「関知しない」とのスタンスをとる学校。
そして、今回の提訴をあくまでも原告と会長との間の個人と個人の争いごととして処理し、PTAや学校の対応を「問題なし」とする教委。

訴えられたこと自体もさることながら、
PTAと学校、そして教委の対応も、非常に気になるところです。

M課長からの回答がありましたら、またご報告したいと思います。


追記(2/1)
本エントリ、コメント8に、M課長からあった「中間回答」を紹介しています。

追記(4/5)
記し遅れましたが、コメント10に、教委への再問合わせとそれへの回答の内容を紹介しています。


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11 ■熊本PTA裁判第8回目(まるお)

8月20日に行われた裁判についての紹介が原告自身と傍聴された方によって行われています。
(原告の岡本さん、お疲れ様でした。傍聴された方、レポート、ありがとうございました。)

http://blog.pta-school-thinking.org/article/424529059.html

http://blog.pta-school-thinking.org/article/424529059.html

原告による陳述書が提出されたことと、原告を支持する多くの意見書が提出されたことが注目されます。

陳述書の内容は、上記の一つ目のブログに全文、紹介されています。
必見です。

私も意見書を提出しています。
できれば、近くご紹介したいと思っています。

10 ■熊本市教委に再問い合わせ(まるお)

本日、熊本市教委に問い合わせてみました。

コメント8で話題にしている、
①弁護士費用の出所
と、
②裁判対応におけるPTAとしての意見集約と会員への周知がどのようになされているのか
が判明している頃だと思ったからです。

ところが、「学校長から回答がない。こちらも議会対応中で忙しくて」とのこと。
(前回、対応を約束してくれたのは1月26日です。)

学校が教委からの問い合わせを1か月近くも放置するなんてどうなのでしょう?と問うと、「会長から説明がないのかもしれない」と。
説明がなければ校長から聞けばいいだけですし、そもそも校長先生と教頭先生は役員会のメンバーなのですから、上記①、②の点は、会長に聞くまでもなく、把握していなくてはならないことだと思うのですが。

改めて対応を要請したところ、「情報収集に努めたい」とのことでした。

9 ■こんにちは

いつもPTA問題、熊本市PTA裁判関連記事ありがとうございます。大変共感します。

8 ■熊本市教委から中間回答(まるお)

皆様、コメント、ありがとうございます。
奈良の鹿まるさん、はじめまして。今後ともよろしくです。

26日(月)に、熊本市教委M課長から連絡をいただきました。

「(訴えられたのはPTAではなく会長個人という)こちらの理解は間違いだった。今回の裁判の件について学校に問い合わせ中でまだ不明の点もあるが、これまでに分かったことを回答する」と。

教委から学校(校長)に問い合わせたところ、7月に開かれたPTAの運営委員会で会長に対応が一任されたそうです。(それが事実なら、なぜ教頭先生がご存じなかったのか疑問ですが。)
しかしながら、弁護士の費用がどこから出されるものなのかははっきりしておらず、引き続き学校に問い合わせ中とのこと。学校側は、「会長から話がなかったから」ということで、これまで確認していなかったようです。

さらに、「各会員への情報提供と各会員からの意見集約」が適切になされているのかという問題については、M課長も「PTAは会員相互の理解で運営されるべきもの」との立場に立っており、改めて学校に問い合わせてくれることになりました。

運営委員会で会長一任が決まったということですが、その決定は一人一人の会員に知らされているのか、そしてそもそも、その決定はクラスPTA等の話し合いを通して会員一人一人の意見が吸い上げられた上でのものなのか、気になります。

7 ■熊本PTA裁判とても気になります

始めまして、奈良県の鹿まると申します。

PTAに関するブログを始めました。
もしお時間がありましたらご覧いただけたら嬉しいです。

http://blog.goo.ne.jp/aboutptaofojikita

6 ■好レポートありがとうございます。

PTAが被告なのに、学校が知らぬ存ぜぬでは通らない気がします。
校長、教頭も会員でしょうから。
ましてや、PTA会員である保護者が蚊帳の外なのはおかしいのではと思います。

最近、PTAへの個人情報漏洩について名古屋市教委の方と話す機会があったのですが、
普段は「PTAを応援している。」「学校とともに子ども達のために。」
と言うのに、何かPTAが問題を起こした場合は、教委も学校もPTAを指導出来ないので、責任は持てないと言われました。

思った以上に、学校も教委もPTAとの関係をドライにとらえているのだと感じました。

5 ■いろいろと見えて来ましたね

弁護士は被告の会長の同僚のようですし、あくまでも個人として裁判に挑んでいるようなので、弁護士費用については格安にてご自信で負担するものと思われます。いくらなんでも、一般会員もよく知らない裁判費用をPTA決算に計上は出来ないでしょうから。

4 ■無題

ご無沙汰しております。
レポートありがとうございます。
呆れました。
こんなやるせない気持ちになったのは
久しぶりです。

PTAについて意見したときに、
あちこちたらいまわしにされたことを思い出してしまいました。
酷い対応ですね。
今後のレポートもイライラするものになりそうですね。

3 ■まるお様お久しぶりです!

しばらくブログも放置状態でしたが
ひさしぶりにこちらを訪問させていただいたら
まるお様のお写真がぁぁぁぁ!!!!(≧∇≦)/

まるお様のような有識者の方が
当事者である学校や、教育委員会に
ツッコミを入れていただき
こうして、公表してくださって
本当に感謝いたします。

私も2~3書かねばならないことができたの
ブログ更新しました。

この裁判の行方から目が離せません!
まるお様のレポートの続き、
楽しみにしております。

2 ■文科省ならば

熊本市の教育政策課のM課長との電話会談、とても有意義と思います。
文科省ならば、社会教育政策とPTA政策について有望な若手職員がいます。ヨコハタさんという職員です。昨年、ヨコハタさんと電話でお話ししました。有望ですから今はもう異動したかもしれませんが。

1 ■他人事ですね

まるおさん、好レポートありがとうございます。興味深く読みました。
PTAの詐欺性や強制性が、学校の関わりなしに成立するはずないじゃないですか。
これでもし詐欺性がみとめられ賠償が成立したら、当然、共同不法行為で求償されてもおかしくありませんよ。入学式などの学校行事にまぎれこませて錯誤入会させたり、ましてや抱き合わせ徴収してたりしたら。
当事者意識ゼロで、あきれますねー。

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