「 百日紅 〜Miss HOKUSAI〜 」 | 0・・映画toほげほげ

0・・映画toほげほげ

   
  
♪ ほげほげたらたらほげたらポン ほげほげたらたらほげたらピー ♪
★映画のほげほげ等、気まぐれ備忘録★

  " 百日紅 ~Miss HOKUSAI~ "


監督 原恵一
原作 杉浦日向子
歌  椎名林檎
声  杏
   麻生久美子


江戸の町を歩くお栄
  北斎の三女お栄
  二十三


変ちきな爺ィがおりましてサ
  文化元年四月十三日
  江戸音羽護国寺
  浮世絵師葛飾北斎
  百二十畳敷きの紙に
  大達磨を描く


名を鉄蔵てえますが

ご存知なくば
「絵師の北斎」
それなら
おわかりかえ

  米一粒に雀二羽を
  たちまちに描く


その変ちきが
父ですのサ
  葛飾北斎 五十五


橋の上で絵を描く男
お栄が通りかかる

 その女が只者じゃねぇ

 マ、たとえりゃ
 幡随院長兵衛
 のような女ョ

 で
 これはッてんで
 ツツーと
 そばィ寄ったのョ

 てえと踏んだ

 犬のクソ

 で
 めちゃくちゃな顔
 をして女を
 見ちまったンだ

  *
 文化十一年 (一八一四)江戸211年 ・夏
     江戸

お栄はこと女の家を訪ねる
  川村こと女
  北斎の後妻
  お栄の実母

2人で弁当を食べる

庭に百日紅が咲いている
  原作では木瓜

  百日紅の花は
  梅雨明けから秋までの百日間
  お祭りのように
  わさわさと散り
  もりもりと咲く

  その花の逞しさから
  原作の題はつけられたが
  原作に百日紅は出て来ない


百日紅木瓜

  ***
散らり放題の長屋
龍の絵を描く鉄蔵
傍で見つめるお栄

完成した絵に鉄蔵が名を入れる

お栄のキセルの火が絵に飛ぶ
鉄蔵は名の墨を絵の端まで無造作に伸ばす


武士が絵を取りに来る

 出来た
 とたんに
 昇天しちまった

 明日又
 来てみねぇ
 ひょっとすると
 天から帰るよ



酔っぱらた善次郎が帰って来る

版元で知り合った絵師を連れてくる
橋の上でめちゃくちゃな顔でお栄を見た男
 おいら信濃者ョ
 尾瀬喰らって
 屁も出ねぇ
 江戸ッ子たあ
 ちがわあ


この男、実は
豊国門下
歌川国直
  歌川国直・十九
  十七の時
  式亭三馬の挿絵でデビュー
  忽ち人気をとり
  年々十数部を描く
  売れっ子絵師
  歌川派ながら
  対立する北斎の画風を
  慕う問題児


駆け出し若造だと思っていた
善次郎びっくり
  池田善次郎・二十三
  のちの渓斎英泉
  住所不定居候
  いまだ無名



部屋の隅で龍を描いていたお栄が振り向く
国直ビックリ、北斎の三女だったとは
  この辺の下りは
  原作の其の四と其の五を混ぜてある


 龍は
 コツが
 ありやす

 筆先で
 かき回しちゃあ
 弱る
 頭で練っても
 萎えちまう

 ただ待って
 降りて来るのを
 待つんでさ
 来たてえところで
 一気に筆で
 押さえ込んじまう
 他の生き物たあ
 違うんでね
 とらまえ方も
 ちがいやす

龍龍

  **
お栄は尚を連れ
両国橋あたりを散歩
  北斎の末娘・尚
  生来盲目で幼少の時
  琵琶の弟子として尼寺に
  引き取られていた

  原作に
  お栄と尚が散歩する場面はない
  最初から病に伏せっている


 *
初五郎と会う
  岩窪初五郎・三十四
  北斎門下の俊英
  画号・魚屋北渓


お栄は初五郎に惚れている

 *
お栄は吉原桔梗屋へ
花魁小夜衣を描きに行く
  原作では
  鉄蔵が知人と行く


小夜衣は
夜明け
近くになると
首が
伸びる
の噂がある

離魂病離魂病

 **
お栄いたって火事を好みて
夜中といえども十町二十町の場へ
見物に往く事
しばしばなり

 *
お栄は頼まれて
とある武家の屏風に地獄絵を描くが

鬼鬼

 **
お栄は
美人画は描けて
いるが
枕絵を描かせると
どうも
色気がない

善次郎は
腕でいやあ
まだまだお栄の
敵じゃあない

でも枕絵と
なるとそれが
妙になまめかしい

色情色情

 **
猶は脚気を患い
こと女の家に帰される・・・



   お栄



   杉浦日向子の漫画
   " 百日紅 "を原作にしたアニメ



   原作の漫画が大好きだった
   のに
   其の三十まで描いて
   話の途中で中断
   それから17年
   再開されることなく
   杉浦日向子さん46歳で死んじゃった



   原作のお栄はもそっと
   ぼんやりした顔をしている

   一話完結で
   進展がないので
   どこからでも読める


   アニメの基になっているのは
   漫画の
   其の七 鉄蔵 其の四 木瓜 其の五
   其の三
   其の二十 離魂病
   其の十六 火焔
   其の九
   其の十九 色情
   其の二十八 野分


   この世の事とは思えない
   妖しき話も色々含まれる



   どうしても
   思い入れのある漫画ので
   アニメには違和感を感じるが
   お栄役の杏の声はまあまあ
   音楽はもっと江戸を感じさせて欲しかった


   全体としては
   まっあ
   こんなもんかな
   

 百日紅


2015年 日本映画 90分



 百日紅