2009-02-22 08:38:27

バカげた景気対策の一部は小泉内閣の税制改革から引き継いでいる

テーマ:ブログ
税制論議がさかんだったのは、民主党が消費税率引き上げを主張していた2003年11月の総選挙の前後であったが、郵政民営化の騒ぎと今回の金融危機で、その頃はどういう論議が行われていたのか、という事がすっかり忘れ去られているような気もする。

ここに、2004年3月発行の石弘光氏の「税の負担はどうなるか」(中公新書)という1冊の本がある。

石氏の主張は、政府税調のメンバーの一人として、将来の増税が不可避な事と、そのための前提としての行財政改革の実行と税制における「公平・中立・簡素」という政府税調がたてた3つの原則の貫徹に主眼がある。
至極まっとうな正論で、ケチのつけようがないと思うのだが、この政府税調の主流的な考え方に対してケチをつけた人物がいた。
当時の経済財政大臣の竹中平蔵さんである。

竹中さんの意向をくんで経済財政諮問会議が政府税調の方針とは異なる「公正?・活力?・簡素」を税制の基本方針として採用したわけだが、その後の流れでも明らかな通り、竹中さんの狙いは資産所得や相続などの「税制改革?」を通じて金持ちをもっと金持ちにする事にあったと断言してよい。

金持ちをもっと金持ちにすることが、貧乏人にもおこぼれが回って国全体が豊かになるという竹中さんの発想では、金持ちを優遇する税制が「活力」ある税制ということだったのであろう。「公平」を「公正」に変えたのは金持ちと貧乏人の「平等」を連想させる「平」の字を避けたかったということか?

結果は確かに金持ちの金儲けの「活力」にはなったかもしれぬが、規制緩和で時給が切り下げられる一方の貧乏人にオコボレが回ることはなかった。
株主資本主義の横行で配当は何倍にも跳ね上がる一方、とられる税金は1割に下げられてる。そりゃあ、笑いの止まらぬ金持ちも多かったに違いない。

中には首をかしげるような税制改正もある。2003年度の改正で相続税の最高税率は70%から50%に下げられたが、20億円を越える資産の所有者だけが対象であり、対象になるのは毎年10数名程度とのこと。
この莫大な遺産を相続した人には「競争」だの「自己責任」だの「能力」という言葉が似つかわしくないことは言うまでもない。世襲政治家も同じである。
石氏も「親の遺産を何の対価も払わずに相続する人が多くなるほど、‥‥社会に対し不平等感を助長することになろう」と述べられている。

さて問題なのは「中立」の理念を後退させて、もっぱら金持ちの「活力」に奉仕するように歪められた税制が、麻生政権になっても、「景気対策」の名のもとに堂々と続けられていることだ。

石氏はアメリカのレーガン大統領時代の1981年の税制改革では法人関連の加速度償却導入や投資税額控除の拡充などの租税特別措置の増大が経済活性化につながらなかったために1986年の税制改革では廃止された事を取り上げ、日本の住宅ローンや土地・証券税制などの政策減税の場合にも全く同じような問題点がある事を主張されている。

一般庶民からは「定率減税」を取り上げといて、今度は「定額給付金」で貧乏人の票を買収するようなマネをする一方で、景気対策に役立っているとは思えぬような金持ち減税の見直しには全く言及しない。

小泉改革にケチをつけて、小泉さんの嫌っていた消費税を導入したいというのであれば、竹中一派の「公正・活力・簡素」という詭弁に満ちた税制改革の見直しを真っ先に行って、政府税調の従来の「公平・中立・簡素」の大原則に従った税制の抜本的な見直しをするのが、消費税の論議を出すよりも、先にしておくべきことではないか!
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コメント

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2 ■さとしさんへ

いつもコメントありがとうございます。
でも2004年当時は私も竹中さんについては不良債券処理で見せたあざやかな手腕にだまくらされて、隠れた動機までわかっていませんでした。
今では露骨に金持ちにすり寄るような発言の連発に不快感をぬぐえません。

1 ■確かに小泉政権下

竹中経済評論家が金持ちを優遇し貧乏人からさらに奪う税制改革をしましたね。
いまだに屁理屈をこねて正しかったと言い張ってますね。

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