日々のさまよい

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先の6月、出雲へ行って来ました。

今回の記事はお試しで、最初に準備段階からの事など書いてみたいと思います。
おそらくそれは退屈な内容になるかと思いますけれど、もし今、出雲に行こうとお考えの方がおられましたら、何か参考になるかも知れないと思うからです。

よろしくお願い申し上げます。




4月の末頃に出雲行きを思い立って、それなら梅雨が始まらない5月か6月初旬に行こうとなりました。
これに参加表明をくれた友人Mさんの都合にも合わせ、日程は平日2泊3日の6月3日(水)~5日(金)と決まります。

出雲へは、もちろん前々から行きたいとは思っていました。

けれど、何しろ5年がかりで平成の大遷宮ということでしたから、2008年4月の仮殿遷座から2013年5月の本殿遷座、2014年10月には高円宮の典子さんと出雲大社権宮司の千家国麿さんが結婚されるなど、大きなお祭りが続き社殿も改修されていましたので、なかなか行く機会が見つからないまま、ようやく少しち着いたかなという目安です。

出雲へは、私が10数年前に一度、松江への出張ついでに出雲大社へチョロッと車で連れて行って貰っただけで、友人Mさんも似たような程度、サチエは初めてでした。




そこでこの機会にようやく、出雲のことを詳しくアレコレ調べてみたのですが、今まで何となく気付いていたつもりだったんですけれど、やはり中々一筋縄ではいかない多様なハードルがありました。
大遷宮がどうこうと言う前に、ともあれ気楽に一度行ってみようという気になれなかったことには、はっきりとした理由のあったことが分かります。

と申しましても、それらは別に大したことではありません。
至極当たり前の事柄なのですが、あらためて書き出してみると、こういうことです。


A-地理的現実
1)出雲は遠い(イメージ)
2)巡る面積が広い
3)訪問先が多すぎ


B-歴史的混沌
1)祭神の多重性
2)神話の多義性
3)謎と闇が多すぎ


とまあ並べてみますと、出雲へ関心をお持ちの方々なら誰もが思うことでしょうけれど、今までそれに面と向かって来ませんでしたので、今回は少しばかり
、行く前の準備と帰ってからの復習が大変でした。
なので、その具体的な内容について、お伝えしてみようと考えましたので、よろしければお付き合いくださいませ。

まず、地理的現実については、以下のような状態です。




A-1)出雲は遠い(イメージ)


ともあれ地元の皆さま、誠に申し訳ございません。
けれど、なんか遠いイメージなのは、おそらく距離的なことではありません。

例えば大阪からだと、島根の出雲大社と広島の原爆ドームへ至る道路距離は、ほとんど同じ330kmくらいで、車での所要時間もほぼ同じです。
高速道路はもちろん、高速バスも飛行機も十分にあります。

にもかかわらず、広島へ行くよりも、島根へ行く方が遙かに遠いような気になるのはどうしてか、今回ようやく考えてみましたら、おそらく、決定的なのは新幹線の有無、つまり鉄道便によるものだと分かりました。
鉄道でスッと行けないことが、何やら遠いイメージを醸し出していると思われます。

また、これは取りも直さず中国山地を越えるという現実的なハードルの存在をも意味します。

実際、大阪から出雲大社まで鉄道で行こうとすれば、乗り換えること3~4回、さらに高速バスなみの時間およびバスの倍ほどの料金がかかります。

そこで鉄道を除く実際のアクセス方法ですが、大阪から片道で、車だと休憩を入れて4時間半、高速バス(5,800円)で5時間半、伊丹空港から飛行機(22.800円)なら50分、となります。

高速バスか飛行機なら現地でレンタカーは必須ですし、現地での着・発時刻の融通を思えば、車で往復するのが最も効率的という結論となります。
しかし往復で9時間を要しますから、日帰りでは辛すぎますし、交通費も勿体ないので、最低でも一泊は設定したいところです。

ちなみに大阪という基点ですと、周囲に奈良・京都・兵庫・和歌山が隣接し、滋賀・福井・鳥取・岐阜・愛知・三重・岡山・徳島も含めて、近畿周辺に隣接するほぼ全域が車で片道おおよそ2時間+αという圏内となります。

なので、例えば「神仏霊場巡拝の道」全151社寺へも、和歌山の中央部から東南部を除き、なんとか日帰り出来る地の利にあるため、どうしてもその圏外へ出るということが「遠征」という感覚になってしまうことも、出雲は遠いと感じる原因のひとつかも知れません。
神仏霊場会 公式ホームページ




A-2)巡る面積が広い


以前から、漠然と出雲へ行くとしたら、と考える際に見ていたのが、出雲國神仏霊場のホームページです。
ここに20社寺のGoogleマップがあるのですが、その範囲の広さを確認する度に気の遠くなるような思いがしました。




試しに計ってみましたら、北東の美保神社から南西の須佐神社まで直線距離が65kmくらいあります。

ちなみに、奈良の春日大社から天河大辨財天社までで51km、伊勢の二見興玉神社から瀧原宮までだと37kmくらいですし、京都なら北の貴船神社奥宮から南の石清水八幡宮までで28kmほど、諏訪の霧ヶ峰にある旧御射山神社から原村の御射山神社だと20kmもありません。

このように出雲では、およそ東西70km南北40kmほどの広大な範囲に、ほとんど満遍なくと言って良いほどの密度で重要な神社仏閣が存在します。

そして、例えそこから寺院を除いたとしても、移動しなければならない距離はほぼ変わりませんから、これら+αを効率よく巡るには、かなりの計画を練っておかなければなりません。
要する日程についても、出雲國神仏霊場のホームページで案内されているモデルコースでは、ひとつだけ4日、残り全てが3日となっています。
また、もちろんこれらモデルコースの全ては、車移動での前提です。

そこで今回、私たちの走行距離をGoogleマップのデータでざっくり見ると、こんな感じとなりました。
大阪→安来[249km]
出雲内走行[482km]

大阪→出雲(安来)という片道距離のほぼ倍、出雲内だけを3日で482kmも走行しているんですから、それはやはり、かなり大変なことかと思います。




A-3)訪問先が多すぎ


とにかく調べれば調べるほど、訪れるべきと思われる神社や伝承地などが増えて行き、収拾が付かなくなるほどです。
これほどの広さでそのような密度のある聖地を、私は他に知りません。

その上、夕陽の日御碕灯台や朝陽の美保関灯台、博物館あれこれに出雲蕎麦、日本海や宍道湖の幸、いくつかの温泉はもちろん、小泉八雲からベタ踏み坂まであります。

できれば4つある神名火のひとつくらいに登ってみたくも思いましたが、2泊3日で到底そのような時間は取れないまま、松江の街もほぼ素通りでしたし、様々な割愛の地や事項がうずたかく残されてしまいました。
その上、事前に調べ切れていなかったあれこれもあり、後で知るようなことが出てきます。

行けなかった所をざっと一覧すると、こんな感じです。

加賀潜戸/猪目洞窟/母儀人基社/大神山神社/剣神社/平濱八幡宮武内神社/比婆山久米神社/比婆山久米神社奥宮/温泉神社/八口神社/河辺神社/韓竈神社/三屋神社/阿太加夜神社/斐伊神社/實巽神社/加賀神社/六所神社/能義神社/熊野大社上の宮跡/真名井神社/真名井の滝/八上姫神社/佐香神社/朝日山(神名火)/茶臼山(神名火)/大船山(神名火)/仏経山(神名火)/船通山/天の真名井/鰐淵寺/一畑薬師/大山寺/小泉八雲記念館/八雲立つ風土記の丘資料/出雲玉作資料館/鉄の未来科学館/奥出雲多根自然博物館/むきばんだ史跡公園/湯の川温泉/湯村温泉/天が淵公園/荒木屋/本家大梶/古川酒造、など




以上のようなことで、A-地理的現実はかなり厳しいものとなります。
そこで巡拝の計画を立てるについては、ともかく先に、行きたいポイント全てを漏れなくGoogleマップにマークしてみました。

次に、その中から骨格となる神社を選抜し、その優先順位を明確にします。
それは、あくまで私見に基づくものでしかありませんけれど、大体このような内容です。

出雲大社>出雲大社境内外摂末社=稲佐の浜=熊野大社≧須佐神社=美保神社+朝陽=日御碕神社+夕陽≧神魂神社=佐太神社≧須我神社+奥宮≧八重垣神社=揖夜神社=万九千神社=長浜神社=朝山神社≧御井神社=玉作湯神社




先ず、日程を2泊3日に確定させると、朝一番に参拝する神社から1日目の行程を検討します。

そこで1日目の一番目は、やはり出雲大社にしたいところでした。
しかし、出雲大社の開門時刻が06:00ということで、朝一番の参拝は出来る限り夜明け前を原則としていますから、06:00の参拝開始では遅すぎます。

予定の6月3日(水)は、夜明04:18/日出04:55/日入19:20/日暮19:57、となっており、04:00には現地入りをしたいと思いましたので、まず稲佐の浜に寄ってから出雲大社へ06:00に入るということから逆算し、先にどこへ寄れば都合が良いか、優先順位の高い方からGoogleマップで調べます。

そうすると、須佐神社が今回の出雲行で一番目となりました。
また、その流れで出雲大社の周辺に存在する出雲大社境内外摂末社を巡ることにしてご祈祷もお願いし、出雲大社の横に隣接する古代出雲歴史博物館を行程に入れれば夕刻となるため、日御碕神社で夕陽も遙拝できる頃合いと分かりました。

ここで1日目、04:00須佐神社→稲佐の浜→06:00出雲大社→境内摂末社+09:00ご祈祷+古代出雲歴史博物館+境外摂末社→17:30日御碕神社+日御碕灯台18:50、という順路が決定します。




そうして宿泊地ですが、当初2泊の候補地として、玉造温泉、美保関、湯の川温泉、そして日御碕などを考えていました。
それを決定するについて、決め手のひとつは翌朝の参拝に都合がどれほど良いか、ふたつには温泉、みっつには食事および料金、ということになります。

そこで、またGoogleマップを見ながら悩むわけですけれど、ここはやはり、先に2日目、3日目の朝一番に参拝する神社を決定することが肝要と気付きましたので、優先順位を見てみると、上位から残っているのが、熊野大社と美保神社+朝陽です。

もちろん熊野大社は出雲大社と並ぶ出雲国一宮ですし、島根半島東端の美保神社+朝陽は西端の日御碕神社+夕陽と一対になりますから、これらを朝一番に設定することは最も妥当です。
もとより美保関では朝陽を遙拝することが最重要ですから、外しようがありません。

そこで朝一番に参拝する神社は、日御碕から近い順に、2日目熊野大社、3日目美保神社と決めます。




そうすると、熊野大社に最も近い宿泊候補地は玉造温泉になるのですが、日御碕で夕陽を見てから移動するのでは旅館の夕食へ間に合いません。

そのため日御碕で宿泊し海の幸に舌鼓打つことも考えましたけれど、名湯の誉れ高い玉造温泉も捨てがたく、またまた悩んでいたところ、その玉造温泉で、自家源泉かけ流しの千代の湯で素泊まりがあり、且つ、若竹寿しという美味しそうな寿司店が22:00まで営業していることを発見し、玉造温泉で宿泊することを決定しました。

また、この千代の湯では夕食なし朝食ありというプランもありましたので、それなら尚のこと、朝一番に熊野大社から須賀神社奥宮、須我神社と巡った後に朝風呂を頂いて旅館の朝食、という贅沢を満喫できます。

ただし島根半島東端の美保関では、他に組み合わせ可能な候補もありませんので、無条件に1泊2食の宿泊となります。




という成り行きで、朝一番の参拝神社と宿泊地が決まりましたので、後はGoogleマップで効率良い一筆書きの行程を検討し、そこへ是非モノの荒神谷博物館と昼食のための蕎麦屋、そして行程上で立ち寄り可能なその他の神社などを当て嵌めると、予定する全ルートが完成します。

もちろん、当初の予定で入れていた何カ所かは、現場を移動する中で時間的な制約により割愛せざるを得ないことになりました。
特に、目の前を通りながら立ち寄る余裕のなかった熊野大社上の宮跡、真名井神社、真名井の滝などは、誠に残念なことでした。

また普段なら、境内社は全て参拝し、境外社も可能な限り巡るということを原則にしているのですけれど、今回は出雲大社を除くとかなりそれらを割愛してしまっています。
どうにも本意を尽くせないことではありましたが、初めての訪問で、ともあれなるべく多くを巡り、全容を知りたかったため致し方ありませんでした。




ということで、実際に巡った行程は下記の通りです。

6月3日(水)
大阪23:30→中国自動車道▶米子自動車道▶山陰自動車道▶出雲IC→04:00須佐神社04:50→05:20稲佐の浜(潮汲み)05:40→05:50神門通り交通広場駐車場~祓社~06:10出雲大社~境内各社~三歳社~09:00祈祷10:00神祜殿/宝物殿~命主社~真名井の清水10:40~やしろや(蕎麦朝食)~11:00古代出雲歴史博物館12:40~12:50神門通り交通広場駐車場→みせん広場→13:00出雲井神社13:10→13:20乙見神社13:30→13:40阿須伎神社(阿式社)14:00→14:10JR旧大社駅14:30→14:40湊神社14:50→15:00かねや(蕎麦昼食)15:20→15:30稲佐の浜~因佐神社~屏風岩~上宮~大歳社~下宮~稲佐の浜16:30~16:50伊奈西波岐神社17:10~17:30日御碕神社~日御碕遊歩道~日御碕灯台/夕陽遙拝18:50→出雲IC▶山陰自動車道▶松江玉造IC→19:50玉造温泉 千代の湯(朝食付)~若竹寿し(夕食)~千代の湯

6月4日(木)
千代の湯03:50→04:10熊野大社05:00→05:20須賀神社奥宮05:50→06:10須我神社06:40→07:00千代の湯(朝風呂・朝食)09:00~玉作湯神社~09:30→09:40いずもまがたまの里 伝承館10:30→11:00佐太神社~田中神社11:40→11:50神代そば(蕎麦昼食)12:20→12:30賣布神社12:50→13:10八重垣神社14:00→14:20神魂神社14:50→15:20揖夜神社15:50→16:00黄泉比良坂16:30→ベタ踏み坂→17:20美保関温泉 美保館(夕朝食付)

6月5日(金)
美保館04:00→04:10美保関灯台~沖之御前・地之御前遙拝所→客人社~天王社→美保神社~筑紫社・和田津見社~07:00美保館(朝風呂・朝食)~08:30美保神社(端午の節句粽献上・朝御饌祭
)~桝谷鮮魚店~太皷醤油店~美保館10:00→弁慶の里道の駅本庄→川津IC▶松江だんだん道路▶山陰道▶山陰自動車道▶出雲IC→11:20長浜神社12:20→12:50朝山神社13:30→14:00羽根屋本店(蕎麦昼食)14:30→14:40立虫神社/万九千神社15:10→15:20御井神社15:40→15:50荒神谷博物館~荒神谷遺跡17:00→斐川IC▶山陰自動車道▶山陰道▶米子自動車道▶中国自動車道→20:40大阪

正直なところ、これだけ巡るなら、あと1日くらいの余裕が欲しいところでしたね(苦笑)




あと今回の出雲行で参考にした、主な図書をあげておきます。

出雲大社千家尊統(学生社/2012年)
出雲国風土記荻原千鶴(講談社/1999年)
日本古典文学大系〈1〉古事記 祝詞倉野憲司・武田 祐吉(岩波書店/1958年)
島根県立古代出雲歴史博物館展示ガイド(島根県立古代出雲歴史博物館/2013年)

伊勢神宮と出雲大社「日本」と「天皇」の誕生新谷尚紀(講談社/2009年)
出雲国風土記と古代遺跡勝部 昭(山川出版社/2002年)

出雲大社ゆるり旅錦田剛志・中野晴生(ポプラ社/2013年)
出雲の神々谷川健一・石元泰博(平凡社/1997年)
図説 出雲の神々と古代日本の謎瀧音能之(青春出版社/2007年)
出雲 古事記のふるさとを旅する-別冊太陽滝音能之(平凡社/2011年)
山陰の古事記謎解き旅ガイド古代出雲王国研究会(今井出版/2010年)
出雲大社-楽学ブックス中野晴生(JTBパブリッシング/2012年)

逆説の日本史〈1〉古代黎明編―封印された「倭」の謎井沢元彦(小学館/1997年)
古代史謎解き紀行 II神々の故郷出雲編関 裕二(新潮社/2014年)
出雲大社と千家氏の秘密中見利男(宝島社/2014年)



(つづく)→ はじめに/歴史的混沌-祭神の多重性~初夏出雲行(2)




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