日経のアーバンコーポ記事 | Investment Nuggets

日経のアーバンコーポ記事

 愚かな記事(特に社説はひどい)ばかり書くことが多い日経新聞であるが、たまに秀逸なコラムがあるから読み続けている。1月8日、9日の「外資系証券の虚実~アーバンコーポ破綻事例から」は良い記事であった。新聞では、ここまで踏み込んだ記事は日経しか書かない。この手のはマイナーな雑誌が取り上げることもあるが、大手新聞が取り上げることに意義がある。

 今の時期になって、日経がアーバン コーポと外資のえげつなさを総括したのは楽しかった。それでは、まず録音されたという行(くだり)を引用しよう。


---日本経済新聞2009年1月8日第4面より引用---

アーバン担当者「さっきの悩ましい話はどうですか?」

パリバ担当者「顧問弁護士を交えていろいろ話をしたんですが、スワップに関してはできれば公表してほくないというのhがありまして」

---引用終わり---



Investment Nuggets-URBAN


もう完全に投資家を欺くことが明確であった会話である。この内容は、すでに開示文からなんとなく予想のつく内容であった。しかし、あえて日経が詳細に書いたことは意義深い。そして、


---日本経済新聞2009年1月8日第4面より引用---

パリバ担当者「ほかの企業でも非公開にした先例があります」

---引用終わり---


この担当者は、自分が過去に同様な取引をしてお咎めなしだったことを教えて、駄目を押したらしい。この記事でわかるのは、アーバンコーポレイションの担当者が、ガバナンスを理解しており、真っ当な人間であること。そして、パリバの担当者がガバナンスやコンプライアンスを軽視し、儲けることしか考えない最低な人間であること。日経新聞は、さらに辛辣さを高めてくれる。


「荒稼ぎして転職」

「先例」とは2003年10月の有線ブロードネットワークス(現、USEN)の新株予約権付社債らしいが、有線の案件後も転職を繰り返し、法外な報酬を受け取るとすぐに辞めて行くらしい。イナゴのようだ。パリバはイナゴのような「傭兵」の暴走を止められなかったとして、日経が痛烈に批判している。

この記事の中で、パリバの担当者の名前は「K氏」とされている。本名が出ていないかと検索すると、容易に本名が判明した。


川端エリック


アーバンコーポ被害者の会 では完全に有名人のようだ。この御仁、週刊紙で「川端エリック憲司」という名刺まで晒されたらしい。細かいことはどうでもいい。二度と日本の証券市場に戻って欲しくないものだ。すでに、日本の証券市場及びSEC、地検の要注意リストに上がったことは間違いないだろう。


アーバンの無茶苦茶は許されない。このようなことが二度と起こらないように我々は開示文も注意深く監視しなければならない。



<<今回の記事でわかったこと>>

USENは、過去にアーバンと同じ悪いファイナンスをしていたこと

日経は社説をはじめ、悪い記事も多いが、たまに秀逸記事があること