#09-1:浦沢直樹(漫画家) (鏡の国のサイエンス)
「アトムの先に訪れる未来を夢見て(前半)」
日本科学未来館の
deep_science
内で連載されている佐倉統先生の対談集「鏡の国のサイエンス」、今回は浦沢直樹氏が登場です。浦沢直樹が科学技術を語ります! わたくし、こちらの対談に同行し、ライティングもさせていただきました(未来館のYさん、Kさんに多大なるご迷惑をおかけしながら。ありがとうございます!)。
私は浦沢作品、特に
『20世紀少年』
は科学技術に対する痛烈な皮肉だと勝手に思っていたんです。「科学技術に対するがっかり感」……これは、以前、東京新聞の連載コラムでも書きました。
「21世紀少年少女」たちへ
上のようなことを言うと「どこが?」という人と、「すっごいわかるー!」という人と二分されていて。いえ、二分というか前者がほとんどでした。そのところ、どうなんだろう? と思っていたところ、ご本人の口から「科学技術に対する感覚」を伺うことができて嬉しい体験でした。
大阪万国博覧会を境に科学技術が遠くなってしまった(浦沢氏は「セピア色」「レトロフューチャー」という表現をしている)という感覚。今は「手塚治虫先生の夢を後追いしているだけじゃないか? そこから脱却しなきゃいけないのではないか?」という冷めた視点。
そして。この彼の視点は世の中の代表のような気がするのです。彼は表現できる人だから、漫画や言葉にして表すことができる。でも、世の多くの人も同じように冷めた(醒めた、という漢字でもいいかも?)目で科学技術を見ているのでは。もしくは視野に入ってもいないのではないのか?
最近の事業仕分けの際、科学技術の関連の話で、関係者の大部分はtwitter上やブログ上でも「けしからん!」的な論調で占められていた気がします。もちろん、そうでない人もいましたが。でも「話題にも上らない」のが大多数かもしれません。
「科学技術の中の人」こそ、世の中の「冷めた(醒めた)視線」を意識したほうが良いのでは? と思うわけです。
さて、以下は役得話自慢話。記事を見ておわかりの通り、浦沢直樹氏のスタジオにおじゃましましたー。聖地です聖地!
そして、実物の浦沢直樹が予想をはるかに超えてステキでした。フレンドリーだし、サービス精神旺盛だし。その魅力であるくだけた雰囲気を文章に表すことができず残念。
そして、写真にはとらえきれない「色気」がある。これは、第一線で締切に追われながら、常人じゃないレベルで限界を超え続けて仕事をしてきた人だけが持ちうる。1960年生には見えないハングリーな若々しさ。
そして!『PLUTO』最終巻にサインいただいてしまいました! ゲジヒトの絵と私の名前入り。やっぱり描き上げるスピードと絵の上手さが半端じゃない……。今まで講演会とかでは見ていましたが、目の前で見ると改めて驚く。
浦沢 直樹・手塚 治虫
小学館 (2009-06-30)
さらに握手も♪ サインも握手も、先に佐倉先生がお願いしたから「わ、私も!」とお願いしたんですよねー。ミーハーな師匠でほんと良かった。私がサインお願いする時に『PLUTO』の豪華本を出したら、「内田さん、そっちかああ!」と悔しがる佐倉先生……(先生は通常版だった)。
後編のupは今週の木曜日になる予定です。そして、日本科学未来館の
フリーペーパー Me+Sci(ミーサイニュース)
にも対談の一部が掲載されています。こちらは! PLUTOの一場面のカットが入っています。贅沢ですー。