仕事はできるのに、机がぐちゃぐちゃで困ってるきみへ/アスコム

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何と言っても、タイトルが秀逸です。
会社のデスクが片付けられない人は、「机のこんなに汚い人が仕事ができるわけない」という周りの冷ややかな目と、「会社のデスクをこんなに散らかしてしまって社会人として恥ずかしい」という自責の念とに少なからず悩まされているのではないでしょうか。
そんな人がこのタイトルを見ると、
「そうそう! わたし、机は散らかってるけど、決して仕事ができないわけじゃないのよ!」と思えてしまう(笑)。本当に“天使のささやき”なのです。

かくいう私も片付けが大の苦手。
会社員時代の私のデスクは、それはもう、“伝説”となりそうなほどのありさまでした。
ちなみに2年前、会社を退職するとき、最終出社日の私のデスクがこれ。

$Marie's Library

「本当に今日で辞めるの?」と何度も聞かれました。
結局、涙涙の別れをした後に、片付けのためだけにその後何日も会社に通うというカッコ悪いことになってしまったのでした。

この本には、そんな困ったちゃんのための救済策がたくさん詰まっています。
あぁ、私も会社員時代にこの本と出会っていたら、あんな残念なデスクにはならなかったのに。

「机を5つのセクターに分けて管理する」というのがこの本に書かれている片付け法の大きな主題。
机の上に置くものから資料の分類法、机の下に置くものまで、細かく説明されています。
そしてノウハウが書かれた文章の間には、いかにもいそうな登場人物によるリアルな社内ストーリーが挿入されていて、読み物としてもとても面白い本になっています。

片付け法に興味がある人はぜひ本書を手にとってもらうとして、今回はこの本のサブテーマとも言える、組織でうまく人間関係を築き、仕事を円滑に運ぶ方法について紹介します。

1.好きも嫌いもパソコンのモニターで調節できる!

「モニターは、『顔と近い』というところにミソがあります。ほんの数センチ位置をずらしたり、数度角度を変えたりするだけで、見たくないものや、必要以上にコミュニケーションをとりたくない人の視線をブロックすることができるのです」(051P)

なるほど。つい上司と目が合ってしまったばっかりに、余計な仕事を頼まれることってありますよね。
逆転の発想で、例えばかわいい子やイケメンが見える角度にしておくと、目の保養になりデスク仕事が楽しくなるかもしれません。

2.いつも人のペンを盗んで返さない、「コソドロ」さん対策

いますよね、「ちょっとペン貸して!」と言って持って行ったまま返さない人。「会社の備品だし、まぁいっか」と油断していると、自分が使いたいときに使えなくてイラっとする事態に陥ります。

「『コソドロ』へのもっともシンプルな対策は、自分のつかっている道具を『個性的』にすることです」(246P)
例えば、この本のストーリーの中に登場する仕事のできる出来杉くんのペン立てにあるのは次の3本です。

1本目・・・4色(黒・赤・青・緑)+シャープペンシルのボールペン。しかも、木目のグリップがついた、ちょっと高級なもの
2本目・・・消せるボールペン、パイロット「フリクション」シリーズの3色(黒・赤・青)ボールペン
3本目・・・ペン先が太・細の2種類になっている蛍光ペン
4本目・・・会社支給のただの黒いボールペン

これだとコソドロは迷わず4本目を取りますよね。

また、こんな細かい工夫も提案されていました。
「たとえ支給品であっても、マスキングテープやステッカー、シールなどで個性をつけると、オリジナリティが加わって、『コソドロ』が手を出しづらくなります」(247P)

3.なぜか自分より部下が先に帰ることを嫌がる上司のために

今は過重労働対策も厳しくなっているとは思いますが、それでも自分より先に部下が帰ると不機嫌になってしまう上司はいます。
そんな上司の対策は、なんと「机を少し散らかしたまま帰る」こと。

「もちろん、机がそういう状態にあることが、まだ退社していないことを100%保証するわけではありません。ただ、相手に『まだいるんだろうな』と思わせるだけであって、その状態で帰ってしまっていても別に責められるいわれはありません。
 こうして、7時を過ぎたあたりでようやく、どうも帰ってしまったみたいだ、という、マイルドな形で上司に気づいてもらうことができます。席にいないことを知ってから、実際に帰った(らしい)と気づくまでのタイミングが遅くなればなるほど、またそのスピードがゆっくりであればあるほど、怒りの感情は湧きにくくなるものです」
(226P)

とはいえ個人情報などの重要書類はきちんとしまっておかなければなりませんし、ノートパソコンを使用している人は施錠管理して帰ると思うので、残念ながらこの技は使えませんが。


この他にも、机が汚い人へのメモはどこへ置くべきかや、会議で座る位置など、組織で仕事をするときにいろいろな場面で役立つ情報が満載でした。
クスっと笑いながら楽しく読めて、今より仕事をスムーズに運ぶ方法を見つけることができるかもしれません。
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握ったその手は、温かかった。
本来ならその手に掴めたはずの未来は、なぜ消されなければならなかったのだろう。

横田滋さん、早紀江さんご夫妻の講演を聞く機会があった。
テレビで見るのと同様、優しく穏やかなおふたりだったが、直接拝見したそのお姿は、画面を通してよりも少しだけお疲れのように見えた。
計り知れない心労を思い、心が痛んだ。

おふたりの愛娘であるめぐみさんは、13歳のとき、中学校から帰る途中に突如姿を消した。
新潟県警始まって以来の大捜索を行ったが、20年もの間、手がかりはまったくつかめなかったと言う。
警察犬2頭を使っての捜査は、何度繰り返しても同じ結果に。
あと少しで家に着く、という曲がり角で2頭は決まって動きを止めた。
めぐみさんの匂いがそこで途絶えてから、35年もの月日が経つ。

「いろんな季節を、あらゆる街を、娘を探して歩きました」
早紀江さんは穏やかに語った。
絶叫しながら、海辺を、知らない街を、粗大ゴミ置き場を。
雪の深い冬も、桜が咲き乱れる春も。

めぐみさんは今年、48歳になる。
あの日、消えてしまった未来の姿はどんなだったのだろう、と想像する。
もしこんなことが起こらなければ、いま、ご夫妻はその温かな手で、かわいい孫を抱いていたかもしれない。

「たまたま、私たちだった。
他の誰に同じことが起こったかわからない」

そして、早紀江さんはこう続けた。
「無関心でいれば、もっと恐ろしいことが起こるのではないか、という恐怖がある」

国が抱えている問題は山積みだ。世論によって施策の優先順位が決まる。
無関心でいることが、この問題の解決を遅らせてしまうのだ、と心に刃を突きつけられた気がした。






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2011年3月、9年間勤めた会社を辞めてフリーランスのライターになってから、ちょうど2年になる。
9年間、いろいろな形で情報誌制作に携わってきたが、「書く」という仕事はしたことがなかった。
例えばメールの送り方、メンバーや上司・取引先との付き合い方など、「働く」ことの基本はすべてこの会社で学んだと言えるけれども、書くことについては何の教育も受けていない。つまり、ド素人だ。

そんな私がなぜ、未経験にも関わらずフリーライターになろうと思ったのか。
それはただ、「書く」ことが好きだったから。

“フリーランス”という形を選んだのには、大きく3つの理由がある。
ひとつは、大きな組織でずっと働いてきたので、組織以外で働くということを経験してみたいと思ったから。働き方としてどういう選択肢があるのか、試してみたかったのだ。
ふたつめは、30歳を機に自分の生き方を考えたときに、一生仕事をしていきたい、と思ったから。これから先、結婚・出産を経験することがあっても、フリーランスのライターなら場所や時間を選ばずに続けていけると考えた。
最後に、個人であれば、「書く」ことだけをやっていられるのではないかと思ったから。生意気だけど、30歳を過ぎたら、自分のなりたい姿のために多くの時間を使いたいと思った。

決して軽い気持ちではなかったけれども、何も知らなかったからこそ飛び込むことができた、とも思う。
当時の私は自分で書けない文章はないと思っていたし、誰よりも上手な文章を書けると思っていた。

プロとして文章を書いて、初めて自分の文章を修正される、という経験をした。
真っ赤っ赤になった自分の原稿を見て、愕然とした。

「この世界では常識」ということも、知らないことが多かった。
何度も呆れられたし、たくさん迷惑もかけた。

泣きそうになりながら(いや、実際に泣きながら)。
へこたれそうになりながら。
誰かの上手な文章を読んでは絶望的な気分で嫉妬しながら。
思うように言葉にできない歯がゆさに悶絶しながら。
それでも。
一生懸命頑張っていると、いいこともあるもので、
こんな私を叱ってくれたり、アドバイスをしてくれたりする人にポイントポイントで出会うことができた。
「あなただから言うけど、もっとこうした方がいいと思うよ」と。
間違いや無力さを指摘され、最初はショックでへこんだりもするけれど、そのようなアドバイスは冷静に考えると本当に有り難く、メールの前で「ありがとうございます!」と手を合わせたくなるくらいだ。

フリーランスには、教えてくれる上司はいない。
失敗をしても基本は叱られずに、次から依頼がなくなるだけだ。
そういう意味では、私は人に恵まれた2年間を過ごしてきた、ラッキーな人間だと思う。

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先月、2度目の確定申告を無事済ませたが、フリーランスとしての収支管理は、正直まだうまくできているとは言い難い。
今月いくら入るのか、きちんと把握するのは意外と難しい。
すぐに入金される仕事もあれば、少し先になる仕事もある。

「フリーランスは大変でしょ」と言われる意味はよくわかる。
先は見えないし、仕事がなければ即廃業だ。
でも、2年前、決断をしたときと同じように、今も思っている。
組織にいるから不安がないわけではない、と。
9年間会社で働きながら、私は常に不安だった。自分の年齢、キャリア、この先の生き方。
常にそのことに直面していて、ずっと悩んでいた。
だから、変わらない。
どんな働き方にもメリット・デメリットがある。
この先のキャリアプランを考えながら、自分に合った働き方を選べばいい。

自分の書いた原稿の対価としてお金がもらえる、という今の働き方はシンプルだ。
少し手を抜いたり、サボったりすると、それはそのまま自分に降りかかってくる。
もっと頑張れるでしょ、努力が足りないよ、と自分を励ますのは自分でしか有り得ない。
それを楽しいと捉えるか、大変と捉えるか。
会社にいたときは、会社のせい、制度のせい、上司のせい、にして愚痴ったこともある。
フリーになって、不満を誰かのせいにすることはなくなった。

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まだまだ全然なりたい姿には届いていないけれど、この2年間で手応えも感じている。
初めてWEBで署名記事を書かせてもらったときは、嬉しくて何度も何度もアクセスした。
初めて雑誌の記事を書いたときは、その掲載誌を抱きしめて眠りたいくらいだった。

古巣の『ゼクシィ』の編集記事も書かせてもらった。
仕事を通して、多くの人に会い、話を聞かせてもらうことができた。

ライフハッカー[日本版]で書いた猫背解消法の記事が大反響!
661回リツイート、Facebookで500のいいね!をされて、2012年12月、ライフハッカーで最も読まれた記事になった。

元気出たよ、記事読んだよ、って言ってくれる人がいる。
最近は、自分が知らない人からも感想を言ってもらえることが増えてきた。
自分の文章が、誰かの「元気」や「気づき」になれたら――。
最初に抱いた夢は、叶いつつある。

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今後の目標

・『AERA』と『日経WOMAN』で記事を書くこと
・女性をテーマにした書籍を著者として出版すること(できれば35歳までに)
・何かのメディアで連載をもつこと

新米だったライターが、2年経って、いま、ちょっと大胆にも「生き方」としての目標になれるような人になれたら、と思っている。
私を見て、
こんな働き方もあるんだな、
なんか、楽しそうに仕事してるな、
と、思ってもらえたら嬉しい。

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いま向き合わなければ、もう二度と文章を書くことを仕事にすることはないだろう、と思った2年前。
あの日、踏み出した一歩に、悔いはない。

年収はまだ、会社員時代には届かない。
だけど、何の肩書きもない今の私が書いた文章を、何百人もの人が読んでくれている。

これが、尾越まり恵、33歳のリアル。


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