ひとつ前のエントリに書いた、なぎ食堂に初めて行った時に買ったCDを、この2週間ずっと聴いています。
かえる目(かえるもく) の『主観』というCDです。
琵琶湖湖東の賢人、「かえるさん」こと細馬宏通さん(現在、滋賀県立大学人間文化学部准教授、
と『絵はがきのなかの彦根』著書略歴にあり)が、作詩・作曲、そしてうたを担当されており、
それにギター、バイオリン、クラリネット/パーカッションのミュージシャンが加わったのが「かえる目」とのこと。
CDのオビに「おっさんの体にユーミンが宿る!」とあるように、本当にユーミンぽい感じが
染み出ちゃっていらっしゃいまして、最初は「なにこれ(笑)」だったのですが、
聴くほどに「なんかいい」、気がつけば「すごくいい」「やみつき」になってしまっておりました。
収録曲は下記。特に私が好きなのは3、6、7曲目です。
1.音痴というもの
2.ふなずしの唄
3.あの寺へ帰りたい(弁慶の引き摺り鐘の伝説)
4.高度情報化社会
5.坂の季節
6.能登の恋人
7.女学院とわたし
8.女刑事夢捜査
9.パンダ対コアラ
10.リリパット
11.浜辺に
12.八月三十一日
『あの寺へ帰りたい』なんてタイトルからしてユーミン『あの日に帰りたい』で笑えるのですが、
三井寺にある弁慶の引き摺り鐘 の伝説をそのまま歌にした曲です。
メロディの切なさ、ファルセットの歌い方、間奏のコーラス、すべて笑っちゃうほど最高です。
弁慶に引きずられた際の鐘の音である「いのーいのー」(関西弁で帰りたいの意味)のフレーズが特に良くて、
(カッコ)内の♪関西弁でー帰りたいのー意味~♪まで歌ってしまうところが素晴らしすぎます。
最初は笑いましたが、今ではこの鐘の気持ちがわかるような気がして一緒に口ずさんでしまいます。
口ずさむといえば、よく普段歌ってしまっているのは『能登の恋人』。
冒頭の「あ"~~」という謎の音(声)の不思議さもさることながら(あれは何の音なのでしょう/笑)、
無口な恋人との食事に「カニづくし」を特別に頼んだの、という歌詞が素晴らしいです。
これまた♪カニーづくーし~ カニーづくーし~♪と気がつくと歌ってしまいますね。
個人的に一番ユーミンの憑依をみたのが、『女学院とわたし』。
これまたサビのメロディが素晴らしい。そして最後のオチが可笑しいのに切ない。
その他にも細野晴臣のトロピカル三部作を思わせるような『浜辺に』もいいし、
『ふなずしの唄』も『音痴というもの』もいいのです。
やさしいギターの音色と、ちょっと心許無くもあるけれど魅力的なボーカルが心に染みまくります。
ユーミン好き、やさしい音楽好き、不思議な気持ちになりたい方には是非とも聴いていただきたいです。
この、なんだか分からないけどやみつきになってしまう気持ちを、あなたもぜひ。
3か月前 に同僚さんたちと盛り上がってバンド名だけ作った”Second ParTY”(結局まだ一度も
練習せずにバンマス がダンスに明け暮れて解散の危機を迎えたりしていますが)の目標として、
私は「かえる目」のように、上手くはないけど心がこもりまくった、ぐっとくる音楽をやりたいなぁ
なんて思ったのでした。レベル高!