構造重視と激安販売について | お墓の値段はいくら? 富山のお墓の営業マン・宮崎が正しいお墓の建て方を教えます。(富山・石川良いお墓研究所)

お墓の値段はいくら? 富山のお墓の営業マン・宮崎が正しいお墓の建て方を教えます。(富山・石川良いお墓研究所)

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説明する前に決断されても困ります


私は常日頃からみなさんが耳が痛くなるほど「お墓は構造重視」だと言っております。
しかし勘違いしてもらっては困りますのでここで言っておきます。

構造を重視しなくてはならないのは外柵・舞台・納骨室であって墓石本体ではありません。

墓石本体とは、
和墓の場合は、仏石、上台、角台(地域によって呼び方は違います)が墓石本体で洋墓の場合は仏石と角台です。
和墓は三段、洋墓は二段が墓石本体でこれに蓮華が加わります。

富山の場合は納骨室とお墓本体が一体になった笠墓なのですが、その他の地域は納骨室と外柵が一体になっているので「外柵」と呼ばれています。

富山の場合は墓石(納骨室含む)と舞台です。
外柵というと玉垣の事を言う場合が多いです。

その他の地域は舞台とは言いません。
最近は地下カロートのお墓から納骨室を地上にあげた丘カロートのお墓が多く建てられています。
外柵とは納骨室を含め玉垣を回したものを含めて呼ぶことが多いです。

一般の方にとってはこの種類分けが難しいとこれではないでしょうか?
芝生墓地などは外柵はありませんし、階段を二段か三段つけて玉垣を回したものでも外柵と呼ばれているので少々違和感を感じます。
舞台と言った方がしっくりくると思うんですけどねえ。


富山以外の地域では構造重視といえば外柵ですが、富山の場合は納骨室と舞台に分かれるのでややこしい


外柵の構造重視は正直なところあんまり重要視されていないような感じですね。
関東から相談されて設計図をみせてもらっても「これで万全」だと思えるような設計図は全くありません。
関西など納骨室に水が入って当たり前だという地域においては、構造重視の外柵など不要の長物です。
外柵の構造を重視したら才数が増えます。
極力石の貼り合わせをなくすようにするので使用する石の量が増えるからです。

でもそういう設計図を関東で書いてる石材店は私の知るところありません。
仮にお墓を安く販売しようとすれば構造重視など考える由もないでしょう。

納骨室の天板を一枚石で最低厚さが4寸というのが私の考えでありまして、関東で最初からこのような設計図を出してくる石材店は見た事がありません。(あるかもしれませんが、私はっ見た事がありません)
ここが難しいんですが、構造重視の設計図で見積もりを作れば他社よりも価格は高くなります。

お客様によっては価格ばかりに目がいってしまいます。
というかお墓の構造が違うとはほとんどの人が知りませんし、設計図を見ても石をたくさん使ってるかどうかなど分からないのですから、ただ単に見積もり価格で判断されてしまうのです。

見積もりを見ただけでロクに説明も聞かずに門前払いされたこともあります。
後日そのお宅のお墓を見たら「唖然」とするような建て方でした。
5寸の幅のところが4寸、4寸の幅のところが3寸など素人が見ても分からないのですがプロが見たらとてもみっともないものでした。
ああいうので満足されているんでしょうかね?



富山の場合は、舞台の構造よりも納骨室の構造の方を重視しがちです。
これは大きな有名な石材店さんが重視してるのですが、先ほども言いましたが重要視しなくてはならないのは納骨室ではなくて舞台です。

時々コンクリート基礎の上に1.5寸か2寸の石を貼りつけた舞台を見るのですがセメントのアクでコンクリートの側面がまっ茶っ茶になっているのを見かける事があります。
これ、本当にみっともないというか汚いというか、、納骨室などは強力なボンドで接着すれば何も問題はないので舞台のほうを重視するべきであったのではないでしょうか。

墓石に使用する石を少し安いものに変えても舞台を重視するべきだと思います。


舞台をおろそかにすると修理が大変です。
多くの方はお墓が傾かない限りは不具合があってもそのままにされています。
そりゃそうですよね。
舞台を修理するときは
墓石解体してから舞台を修理して再び墓石を組み上げなくてはならず、お経も二回あげてもらわなくてはなりません。

最近は対策も考えられてきてますがエフロ現象はどうにもなりません。
もちろんこれは構造ばかりではなく施工が下手だったために発生してる場合が多く、消費者は契約した石材店が施行が下手かどうかは知りません。
特に舞台の貼り石は下手な職人にやらせると目もあてられません。
貼り石の裏に水が回ってしまうとエフロ現象の引き金になってしまいます。

ド下手な職人の場合は貼り石の勾配さえもまともにつけられず雨水がたまっていることもありません。
私だったら文句言って施工のやり直しを求めますけど。

都会の民営霊園のさほど大きくない区画で貼り合わせだらけの外柵を見る事が多いのですが、三又を使って施工するわけでもなくカニクレーンを使える場所であるにもかかわらずさほど構造を重視しないのは、やはり石の量が増えるかならんでしょうか?

価格が決まっているのでわざわざ石を多くつかって儲けを少なくするようなバカな石材店はいないってことでしょうか。
もう少し構造について考えてみてもいいんじゃないかと思います。


また墓石を安く販売する場合は、やはり構造重視は難しいでしょう、なぜならお客さんは価格ばかりを気にしているからです。

いま親戚のお墓について商談しているのですが、いくら私が構造を重視しろと言っても予算がこれだけしかないと言われてどうにもなりません。
構造を重視すればあと30万円ほど高くなるんですが、何回言っても私の提案を飲んでくれません。
もっと良く考えられたらいいのにって思います。
どうなる事やら。


構造重視は価格が高くなります。
しかしお墓に使用する石を一段階落としても構造を重視したほうが良いと思います。
日本の石でも中国の石でもインドの石でも同じ御影石なんですから朽ち果てる事もありません。
多少中国の石が色褪せが早くて水はけが悪いだけですから。(そうでない石もありますが)


私が見て最悪だなと思うお墓は、
良い石を使っているのに構造がまるでなっていないお墓です。