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日記

2010-10-17 23:18:16 Theme: ブログ

 西友にスーツを買いに行った。これまで親父のお下がりを着ていたのだが、全く寸法が合っておらず、どうにもみすぼらしい感じになってしまうので、新調することにしたのだ。
 かつて、サラリーマンとしてスーツを着ることには強い抵抗を感じていたのだが、今ではもう慣れてしまった。スーツは楽だ。着るものを考えなくてもいい。さしてファッションに興味がない僕にとって、コーディネイトを考える作業というのは苦痛以外のなにものでもない。とりあえず変じゃなければ何でもいいのだ。
 スーツを着ていると色々と良いことがある。まず、コンビニの店員の対応が劇的に改善される。声の掛けられ方、お釣りの渡され方などが、普段着のときよりも遥かに丁寧になるのだ。その威力たるや、まるでマジックアイテムである。挙動不審な振る舞いをしても、スーツを着ていれば許容範囲とみなされる。Tシャツとジーパンだったら即職質だ。或いは近頃のスーツの繊維には「信用」を生成するような化学物質が織り込まれているのかもしれない。

 僕は裏地がえんじ色で、薄いストライプの入った黒いスーツを買った。裏地がえんじ色なのは少々気に食わなかったが、他のスーツにはそれ以上の欠陥が存在したため、渋々それにしたのだ。
 そして裾直しを店員に頼んだ。その男はスラックスの裾を丁寧に折り曲げていき、適度なところでクリップで止めた。
 僕は男の中にイライラしたものを感じた。男は明らかにイライラしていた。平静を装ってはいるが、怒りの蒸気のようなものが、男の体から発せられているのだ。
 僕は人間の感情の動きにとても敏感だ。男がイライラしているかどうかなんて、僕にとってはどうでもいいことだし、男だって放っておいて欲しいに決まっている。それでも僕の脳味噌は男のイライラの理由を考えてしまう。男は何故イライラしているのか?家庭で嫌なことがあったのか。スーツ売り場の店員をしていることが不満なのか?毎日が退屈で仕方がないのか?或いは僕が行った何らかの振る舞いに腹を立てたのか?様々な可能性を考え、イライラしている男の一挙一動を観察していく。

 これはあまり良くない癖で、何とかしなければいけないと思っているのだが、止められない。恐らく一生止められないと思う。


「1999」

2010-10-17 19:52:40 Theme: ブログ

 現在ピコピコカルチャージャパンというHPで小説を連載しております。

 下記URLよりまとめ読みができますので、ひとつよろしくお願いしますです。


http://pico2culture.jp/rensai/maougen/archiv.html


 結構面白いと思うよ。自分で言うのもなんだが。



記録

2010-10-05 08:58:31 Theme: ブログ

インターネットというのはおそろしくつまらない場所になってしまった。


 僕はキーボードを叩いている。近くの線路を電車が通り過ぎていく音が聞こえた。目を瞑る。何を書こうかと考える。


 インターネットの何がそんなにつまらないのか?


 芸能人がブログを書いていること。匿名性が失われてしまったこと。発言や発想、コンテンツの質ではなく、知名度によってコンテンツの価値が決まってしまうようになったこと。

 つまり、社会のルールが持ち込まれたこと。


 踏切の音が聞こえる。上空をプロペラ機が横切った。恐怖。恐怖。恐怖によって押し込められる。適切な発言とは何かを考えている。考えているのは思考だ。思考。社会を作り出した張本人だ。

 

「踏切の音」という表現が適切であるかどうか考えた。この言葉によって僕は、踏切が降りるときの警笛、カンカンカンという音を表現している。恐らくそれは伝わるだろう。だが、表現が稚拙であるような気がした。

 表現が稚拙であるとはどういうことか?言語の役割は、頭の中にあるものを伝達することだ。要は伝わればそれでいい。全てのニュアンスを欠損することなく伝えることができれば、それで十分だ。


 無駄な修飾には何の価値も無い。大切なことは、情報の欠損がないことだ。情報と結びついていない表現は全て冗長だ。


 モヤモヤする。胸がモヤモヤする。僕は自分にとって、何かとても画期的なことをはじめた。それは分かっている。だが、思考は抵抗する。「こんなことには何の意味も無い」「こんなことには何の意味も無い」「こんなことには何の意味も無い」

 さっきからずっと、頭の中で警笛が鳴り響いている。息苦しい。



 以上の記録をなんの修正も加えずにアップロードする。


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