「魔王さん、リーチです。」
2連勝した私に、マネージャーがプレッシャーをかける。
3連勝にリーチというわけだ。
東2局 親7巡目 ドラ
以下、私の手牌
ドラ1赤1、役牌暗槓で
仕掛けても親マンの手牌。
上手い具合に、上家のジャイアンがを捨てたので
仕掛けて聴牌。
チー
以下、私の捨て牌
この巡目で、両面の仕掛け
の暗槓と赤1が見えているわけで
ドラ跨ぎのは、大本命で
この卓のクラスなら
誰も切らないだろう。
我ながら、ほれぼれするような
わかりやすい仕掛け。
わざわざ、をさらしたのは
注目を集めるためだ。
こんな仕掛けをされると
はもちろんのこと
また、翻牌とのシャンポン待ちもあるので
辺りも切りづらい。
さらに、ドラ面子完成なら
辺りも厭なところ。
魔王がこの巡目で両面を仕掛けたら
チー聴の親マンは、確実なわけで
子方3人は、相当な制約を受けながら
手を進めざるを得ない。
したがって、私はのんびりと
残り、10巡一人旅を楽しめばいいわけだ。
その証拠に、下家のタマちゃんも手の内から
萬子を下してきた。
対面と上家のジャイアンは傍観の様相。
ところが、12巡目
下家のタマちゃんがリーチ
タマちゃんの捨て牌には
索子が1枚も切られていない。
つまり、上手い具合に
索子を切らずに聴牌したわけだ。
リーチとくる以上、待ちは好形と考えるのが一般的だが
タマちゃんの場合、ドラそばの愚形でも
赤金があれば、平気でリーチしてくる打ち手
愚形なら、これが大本命
これでも、リーチとくるんじゃないか?
この辺りは、微妙だが・・・
数巡後
ツモ
ふん。当たれるもんなら当たってみな。
私は、ちょろ舐めでツモ切り
「ロン!」
裏ドラが2枚乗って
3倍満の24,000点
私の点棒は、一気に残り1,000点にされてしまった。
「阻止!」
タマちゃんガッツポーズ
「リーチするかぁ?」
ぼやいてみたが、
そもそも、こういう打ち筋自体が
彼の破壊力の源なのだ。